自分の「学び」を整理する③
大学時代は、
キャンパス内外で
学びが広がった。
幼児教室やベビーシッター
のバイトを長年続け、
3年生からは独学で
幼児教育の学びを始めた。
一方、英語の翻訳にも
関心があり、人知れず
翻訳コンテストに応募
したりもしていた。
興味のあることが
あまりに多すぎて迷ったが、
卒業後は幼児教育に進む
選択をせずミュージカル専門の
小さな広告代理店に就職。
出社初日から終電という
生活が始まった。
それなりに勉学に
励んできたつもりだった
のに、新入社員の私は
実社会では本当に役に
立たなかった。
致命的な失敗と
容赦ない叱責の毎日に、
「これこそ、挫折って
やつだ・・・」と
完全にうちひしがれた。
日々は厳しく、定期的に
徹夜仕事がやってくる。
夕飯タイムが真夜中となり、
肌はいつも油でテッカテカに
なっていた。
ただ、仕事を通しての人
との出会いは楽しかった。
広告チラシやポスター、
冊子を作成するデザイナー。
コピーライター。
イラストレーター。
フォトグラファー。
製版会社の方。
印刷会社の方。
発送会社の方。
ひとつの仕事が完成
するまでに、これだけ
多くの人がそれぞれの
仕事に従事しているのかと
感激し、チームの一員
として働くことに充実感を
感じるようになった。
と同時に、自分のスキルで
勝負して働いている人々に
強い憧れも抱いた。
学歴社会から、ほど遠い
場所だった。
1年経った時、
「ここでの1年は、
他の会社の3年分だよ」
と上司に言われたが、
それはまさしくその通り
だったと思う。
「生きていく学び」
の場だった。
続く