見出し画像

『環境ありきで見出したCAという選択の先で、気付いた“長く働き続けたい”という強い想い』Beauty Japan東京代表 倉科祐子さん

「どんな状況であっても対応できる強さがあれば、今この瞬間から楽しめる力を身に付けられる」そんなメッセージを下さったのは、画面越しでも笑顔が充満するほどの前向きオーラ全開なBeauty Japan東京代表、倉科祐子さん。

環境ベースで選びつつも自分の中心にある想いを叶えていく祐子さんのエネルギッシュさに圧倒されたそんな時間でした。(取材:zoom、写真:祐子さん提供)

ゆうこさん

倉科祐子さん:1988年生まれ、千葉県出身。青山学院大学経営学部卒。新卒で全日本空輸(ANA)の客室乗務員として入社し、国内線、国際線ビジネスクラスを担当し、約4年で退職。その後、ゲーム会社に転職し、秘書を担当後、受付に(現職)。会社以外では、CA Mediafuelleというサイトでライターとして記事を執筆中。司会の勉強をし、披露宴司会の経験あり。5月にはBeauty Japan東京大会に出場し、東京代表として、8月に開催されるBeautyJapan日本大会に出場予定。

『ラグビー部のマネージャー経験ありきで見えたCAという選択肢』

WI大山:経営学部卒業というご経歴を拝見したのですが、進路選択で何か軸にされていたことはありましたか?

祐子さん:ラグビーに興味があった訳ではなかったのですが、クラスの男子から「マネージャーいないからやってみない?」と誘われ、マネージャーとして入部しました。休日練習、部内恋愛禁止、顧問の先生が怖いと一通り運動部の厳しさを感じながらも、自分の行動で誰かの力になれることが、私にとっての幸せなのだと気付きました。

もともと海外に強く惹かれていたこともあり、思い出の中心だったラグビー部での経験も含めて、高校時代からCAに強く惹かれていました。CAの入社数ランキングを調べていくと、第1位に青学と書かれていて…。学部は国際政治を志望していたのですが、当時の自分の学力を踏まえた上で、CAに限らず多角的な学びを将来活かせると思い、青山学院大学の経営学部に進学しました。

WI大山:自分と最短距離を掛け算した上での進路選択ですね。

祐子さん:そうですね。大学生活は、英語の勉強と、短期留学をするために接客業のアルバイトがメインでした。バイトは飲食店のホールスタッフ、バレンタインに催事場で販売、クレジットカード入会の勧誘と、接客に絞って沢山経験しました (笑)。
大1で約1ヶ月短期留学した時に、英語を話せなかったのが悔しくて…。在学中にもう1度留学に行くことを目標に、英会話講座(週5日)、英会話喫茶で日常会話の練習。自宅では洋画を何度も見て、リスニング力の鍛錬に力を入れていました。

『ノートに書き出して、自分のアピールポイントを探ってみる』

WI中林:様々な側面を持っている自分の姿を知るためには、自己分析が欠かせないと思うのですが、私自己分析が苦手で…。具体的にされていたことはありますか?

祐子さん:就活では、自己分析を求められるので、専用ノートを作りました。
例えば、幼児期や小学校など記憶がある時期から自分がどういう子どもだったのか。親からよく言われていたこと、悔しかった経験や褒められたことなど、とりあえず書き出していましたね。両親や友人へお願いして他己分析をした上で、「特に頑張らなくても、意識しなくても人からよく褒められる“強み”に、自分が大切にしていること・軸もまとめていました。

面接では自分の強み「笑顔」いっぱいで、「親しみやすさ」を前面に出しつつ、とにかく楽しんで話すことで、面接官に「また会いたい」と思って頂ける意識で受けました。最終的には、英語力の伸びとコツコツ努力できることの2つをアピールポイントに、新卒でANAに入社し、CAとして働くことができました。

WI芦刈(元メンバー):計画的で着実に積み重ねられるのが祐子さんの姿だと思うのですが、念願叶ってCAとして働く中で、理想と現実とのギャップや、働きがいを感じる瞬間が気になりました。

祐子さん:自分からお客様に話しかけるなど工夫を重ね、声をかけやすいCAを目指していました。私はやっぱり笑顔で接客することが好きで、「接客良かったよ」「楽しかったよ」という温かい言葉や、短い時間でも機内でお客様と仲良くなれた瞬間、ありがとうとお手紙を頂けた時に、CAとして働ける喜びを感じていましたね。ただ大学生の頃から子育てしながら細く長く働き続けられることを望んでいたので、4年間働いた後に転職しました。

『根底に強くある「長く働き続けたい」という想い』

WI大山:グランドスタッフという選択肢もあって、機内と地上と場所は違えども、根本の“接客”は変わらない気がしていて…。私の中で航空業界は、他と比べてライフステージが変化しても働き続けられる環境が整っているイメージがあります。

祐子さん:社内にシフトを作成するチームがあり、毎月そのシフトに基づいて働きます。CAは全員班に所属していて、班ごとのフライト便があるので、シンガポールとロサンゼルスが、毎月行き先に入っていることも。国内2日間に国際4日間と6連勤の時もあって、時差や昼夜問わず、国内線と国際線の割合を選べませんでした。

今は変わったかもしれませんが、私が働いていた約5年前までは家族や友人と予定を合わせるのが難しく、このまま不規則な生活を続けられるかと頭をよぎって、転職を考えるようになりました。CA時代に培った「気遣い力」を生かしたかったので、秘書に絞って探しました。何も知識がないままの転職だったのですが、「どうしよう不安…」という感覚以上に、好奇心旺盛な性格もあって「新しい世界を見てみたい」という気持ちが強かったですね。

たまたま面接を受けたゲーム会社とご縁があり、そこで働いています。「定年まで働いてください」と言って頂き、根底にあった長く細く働き続けたいという私の想いと一致していて、入社を決めました。
ただ航空業界には女性が多いので、妊娠や子育てに理解があり、ライフステージが変化しても働きやすい環境です。希望していた会社に入れたからこそ、人事部と交渉し、CAとは違った勤務スタイルで働き続けることも視野に入れて考えるべきだったとも思います。

WI丸岡:祐子さんの中心にある「長く細く働き続けたい」という想いは、どこから来ているのでしょうか?

祐子さん:今思えば、小さい頃から私に「働き続けなさい」と言っていた母から大きく影響を受けているのかもしれません。銀行に勤めていたものの、出産を機に退職し、“子育てがひと段落したタイミングでの復帰するのは難しい”という母の経験に基づいた言葉な気がします。私自身は外に出ることが好きな上に、何かしら仕事したいという想いが強く、「長く細く働き続けたい」思考に辿り着きました。

『結婚の決め手は、彼の前では素でいられて補ってくれるから』

WI大山:今後も働き続けるのが、選択の1つになっているんですね。

祐子さん:転職先で事務職のお仕事をしているので、離れたことで接客の楽しさに気付き、また接客に触れたいと思うようになりました。披露宴の司会を数回担当させて頂いたのですが、しばらく副業で司会の仕事を勉強しつつ、いずれは司会に本腰を入れて働きたいですね。私の結婚式でも司会を引き受けて下さり、司会者としてご活躍されている事務所の代表の女性のように、家庭も充実させつつ、楽しそうに働き続けることも私の理想です。

WI丸岡:多様な生き方が浸透しつつある中で、今仰っていた“結婚”の決め手は何だったのでしょうか?

祐子さん:幼い頃から結婚願望や子どもが欲しいという気持ちが強く、結婚に対する迷いはありませんでした。結婚は自分がしたいときにできる訳ではなく、相手のタイミングがあってのこと。話し合いができて彼の前では素でいられることが結婚の決め手だったのですが、欲を言えば、お金や生活の価値観が似ている人がいいですよね。

WI川上:結婚を選択し、いい経験になったこと、逆に大変になっちゃったことと両側面あると思うのですが、いかがですか?

祐子さん:先日Beauty Japan東京大会に出場したのですが、落ち込むことも多々あって…。私の足りない部分を補ってくれて、1人よりもパワーアップできること、どんな時も心の支えができたことがありがたかったです!

その一方で、自分だけの生活と比べて自由時間が減り、一緒に生活する中でちょっとした価値観の違い。お互いフルタイムで共働きなので、自分が抱いていた結婚生活や奥さん像と現実とのギャップを感じる瞬間もあります(笑)。

『人や物事は多面体で、色々な要素あっての自分』

WI中林:CAや、Beauty Japan出場と華やかなご経歴をお持ちの祐子さんは、多くの人の前に立つ時に、他人の目を気にして怖気付いてしまった経験はありませんか?普段どんな意識で生活されているのか気になりました。

祐子さん:出来ていない部分もあるのですが、当たり前に感謝する気持ちを忘れないこと、自分らしさを意識しています。もともとは、負けたくない気持ちが強かったのですが、Beauty Japanに出場し、人と比べるのではなく自分の良い部分を認められるようになりました。

落ち込んでも自分が唯一の味方なので、ちょっとでも何か出来たら褒めて、普段から自己肯定感を高めること。好奇心旺盛さを強みに、常に向上心を持ってチャレンジするようにしています。

私も10代や20代前半は人と比べてしまうことも多かったけれど、「人や物事は、多面体」という話を聞き、長所も短所も含めて色々な要素があっての自分だから、比べすぎずに個性や自分らしさを生かそうと31歳になって、思考が変わりました。

WI大山:当たり前のことに感謝するのは、大きな経験がないとなかなか得られない視点だと思うんです。根底にあるのは、大きな経験があってなのか、ご両親や周囲の環境に影響された結果ですか?

祐子さん:私が当たり前に感謝するようになったきっかけは、母親の影響が大きいですね。幼少期から「当たり前のことはないから、今こうやって普通の生活ができていることに感謝するんだよ」「すぐに結果が出なかったとしても、誰かがどこかで見てくれていて、絶対に報われるから頑張って」と言われて育ってきたので、自然と身につきました。

WI大山:選択自体がご家族からの言葉や、育ってきた環境で学んだことベースなんですね。

祐子さん:うん、それは大きいと思います。結婚しようと思った理由も、家族という存在の温かみが好きだから。接客が好きなのも、誰にでも優しくて愛される母のようになりたい気持ちが強くあるからだと思っています。

WI芦刈:常に前向きな印象を受けたのですが、挫折や自分に自信がなくなってしまう時に、自分にどう向き合われていますか?

祐子さん:自分でも、人より前向きで楽観的だと思います(笑)。中学まで優等生タイプで成績も良かったので、高校受験で志望校に落ちてしまったのは挫折の1つです。
もう1つは、CAから秘書に転職してから半年で受付に異動させられてしまったこと。デスクワークが初めてだったので、パソコンや事務仕事ができなくて…。突然「明日から受付ね」と言われて異動になったので、会社辞めようかなと思うぐらい落ち込みました。

でも悔しさや挫折した時に感じた想いを無駄にせず、その経験をバネにしてもっと成長しようと、あまり1つのことに捉われすぎないように切り替えています。

WI大山:画面越しからでも細やかさと丁寧な振る舞いに、前向きなオーラに惹かれ、あっという間に時間が過ぎてしまいました。Beauty Japan日本大会への出場も応援しております!今日はありがとうございました。

(取材:芦刈深紗大山友理・川上涼帆・中林彩乃・丸岡愛子、文:川上涼帆・中林彩乃、構成・編集:大山友理)


いつも沢山の方々の応援ありきで活動できています、ありがとうございます^^サポートは活動費(イベント開催)に使わせて頂きます🥺サポートという形でも応援頂けたら嬉しいです!