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《ニュートラルポジション》を観て、機能とオシャレの融合を追求したココ・シャネル



ココ・シャネルといえばハイブランド、『CHANEL』の創設者・デザイナー
であるのは誰もが知っていますが、

ファッションデザイナーの前は
帽子のデザイナーであったことは
あまり知られていません。


大きなフェザーなどが
装飾された帽子と長いスカートで、

女性は両足を揃えて馬に乗るのが
当たり前の社交場で、

シャネルはボーイフレンドの
服と帽子を着用し、
馬に跨って颯爽と乗りました。
(シャネルの伝記的映画
『ココ アヴァン シャネル』より)

お腹周りをコルセットで
しめつけていた時代、

体の機能的快適さよりも
男性が喜ぶ好ましい
シルエットを当たり前のように
デザインとして採用していた時に、


シャネルは「何か変」とアンテナが
キャッチしたものをスルーせずに、

ではどうしたらその「何か変」が
「しっくりしたもの」になるのかを考えて、
表現した女性でした。

私は女の肉体に自由を取り戻させた


既存のものを当たり前だと思っていては、
クリエイティヴな力は生まれません。
(P.20・21)

【女を磨くココ・シャネルの言葉/高野てるみ】


シャネルが帽子をデザインした発端は、
首の動きが制限され、

しかもちゃんと頭に入っていない
実用性にかけたデザインに
思うところがあり、

《女性をもっと素敵に、ラクにしよう》と新しい帽子を作るところから、シャネルのデザイナーとしての始まりがあります。

さらにハンドバックは
手が疲れてよく無くすからと、

革ひもをつけて肩から下げる
ショルダーバッグをつくり
腕の可動域を広げて、
当時主流だった自転車移動が
より快適にできるようになりました。

(スポーティなファッションが好きな方や
まだ手が離れない子育てをされてる方には、
強い味方のアイテム)

ショルダーバッグもハットも、
今では当たり前の機能・デザインだけれど、
シャネルが《人間の体の機能》という
本質に沿ったデザインをもとめた結果、


常識の範囲からはみでた
画期的なデザインとなり、
当時多くの女性に支持されました。


また、洋服を身にまとう
人間の体に対するシャネルの観察眼は
とても鋭いものでした。

体の動きは背中にいちばんよく現れる。
すべての動作は背中からスタートするのよ。



見た目がよくても、
着ているうちに疲れてくる服は
本物とはいえないのです。


肩が凝る、イライラするなど
仕事をしている時の不調は、

体以前に身に着けている服からの
影響が大きいもの。
健康にさえ関わってきます。





シャネルはいうなれば「人間工学」を
洋服に自然に取り入れているのです。


子どものようなまなざしで探ったり、
仮縫いの時は何時間でもモデルを立たせ、

時には飛び跳ねさせたり、
車に乗るしぐさをさせたり。


女性の動きを現場感覚で観察し、
自分のものにするのがシャネルでした。

(ℙ.42~45)

【女を磨くココ・シャネルの言葉/高野てるみ】


哺乳類の中で唯一、
2足歩行をする人間。

シャネルは2足歩行の動作機能において、
どこが肝になるか、

そしていかにその機能を邪魔せず、
快適さとオシャレとが融合できるのか、
デザインを追求しました。

日常の何気ない体のコリや緊張が
つもりに積もると、
痛みや骨格の偏りなどの
症状としてあらわれます。

モードでオシャレなだけでなく、
洋服という布に包まれる
体の動きにまで着目したシャネルは、

デザイナーであることはもちろんですが、
人間・女性の暮らしを快適にする
《イノベーター》にも思えます。

わたしがやってきてことは、
みんな子供のような無邪気さで
やってきてことなの



シャネルの中には「少女」が死ぬまで
生きていたと思います。


世の中の大勢がどういおうと、
純粋な子供の目と心で正しいことを
見抜いてしまいます。


素敵さとは何なのか、
シャネルはいつも自分の純粋な気持ちで
選別を重ねて生きてきました。

(ℙ.112・113)

【女を磨くココ・シャネルの言葉】


社会的に観れば、
常識にとらわれずに《良いものは良い》を
堂々と表現したシャネル。

けれどそこには無垢な瞳を失わない
内在的なものが核にあったことを、

高野てるみさんの書籍を読んで
初めて知りました。


ハイブランドの創業者・デザイナーで、
潜在的にはイノベーター。


それは見えないものを見ようとする思い、

ひらめいたものに対して
ロジックを装着させる思考が、

きっと彼女の頭の中に
巡り巡っていたのだと思いました。


足で立ち、
腕を振って歩き
手で物をとる


あらゆる動きの中での
体のニュートラルポジションを確保し、
そのうえでオシャレを楽しむ。



そして体の締め付けと、
凝り固まった価値観や
概念からの解放を促し、
服と共に女性の心身がより快適になった。


体と服とを融合させ、整えていくセオリー。

それは女性の体を
より快適にしたいという想いからの湧現。

結果もたらされる機能的イノベーション。




生活をささえてくれるあらゆるモノたち。


それらにはイノベーションされた
機能やそのルーツがある。


そこには人知れずたくさんの想いや思考と、
人の手で織りなされた賜物なのだと
思えた分だけ、感謝が湧いてくる。【完】


*****


【参考資料】

女を磨くココ・シャネルの言葉/高野てるみ ⦅マガジンハウス⦆

*****


《note的 つぶやき》

数年に及ぶマスク生活と

デジタルデバイスの利用時間と

2つが相まって

背中が丸くなりやすい

體にとって快適な

ニュートラルポジションはどこなのか

デバイスとボディとで

会話しながら

落としどころを見つける


*****



女性の笑顔は地球の笑顔。

女性の悦びは地球の悦び。

女性の安らぎは地球の安らぎ。

女性の調和は地球の調和。

そして
女性の幸せは地球の幸せ。

さらに
地球の幸せは宇宙の幸せ。



めす子


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