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泣ける本 2021

「壁の男」 貫井徳郎 文藝春秋

凄い物語だった。
2021年初頭にこんな本に出会えた事に感動している。(といっても買ったのは随分前なんだけど)

泣いた。めちゃくちゃ泣いた。
人目も憚らず、あらゆる場面でぽたぽた涙が溢れた。
そして、最後の一文で射抜かれた。

最近は何冊もの本を同時期に読んで、言い換えると、あんまり没頭出来ずの読書だったが、この本は今日一日で夢中で読了した。

どう展開するのか全く読めなくて、でもどんどん予想を裏切っていく。
ストーリーの作り方、魅せ方、本当に素晴らしかった。

ある田舎町のニュースが物語の発端だ。
その町では多くの民家の壁に絵が描かれているという。
そして、その絵がとても稚拙で原色ばかりの下手くそな絵なのだ。
そのニュースに心を奪われたフリーライターの「私」が全ての絵を描いたという「伊苅」という寡黙な男にインタビューを試みる。
その取材によって、全く語ろうとしない「伊苅」のこれまでの人生が次々と明らかになっていく。
そして、何故彼が下手くそだと言われるような絵を描き続けたのか?

壁の男



最後に「ああ…そうだったのか」と涙の洪水になった。
貫井さんの本はいつも面白いのだけど、これはその中でも本当に好きだと感じる。

凄いなぁ。
こんな物語を描ける人は。

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