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ほのぼの生きる  038_20230214

バレンタインの思い出

今日は久しぶりに昔の話を書こうと思う。
あれは遠い昔。私が13歳の頃だから、今から35年も前の話(こわっ)。

中学校1年生の2月。

当時、私には好きな人がいたが、それは誰にも公言することなく、自分のココロの中にだけしまっていた(たぶん好きという気持ちを自分の中でまだちゃんと確認できていなかったと思われる)。なので、バレンタインなるものとは無縁であった。

私は小学校からの幼馴染4人グループでつるんでいた。ほかにも仲のいい友だちはたくさんいたが、この4人組はなんか特別な感じで、その時に「有閑倶楽部」と名付けて、今でも続いている。そろそろ会いたいな(地元集合!)

このメンバーのうち、2人はバスケ部所属。もう1人は脳外科医になるほどの優等生で、誰だったかなー誰か好きな人に告白するとかっていって、別行動をとっていた。バスケ部2人のうちの1人が泣いていた。

たまたま廊下を通りかかった私が2人に声をかけた。私の教室は別棟にあり、なぜ彼女たちの棟の廊下をうろうろしていたのか覚えていない(おそらく私の好きだった子がこの棟にいたのではないかと思われる)。

「何?どうしたん?なんで泣いとるん?」
「(ひっく)先輩がぁ、帰ってしまってぇ~(ひっく)」
「あれ?今日、部活は?」
「ないっ!それで早々に帰ってしまってぇ~。ほらあそこ(と学校の窓から見える通学路を歩いている男子生徒2人を発見)」

その子の手には、先輩に渡したかったバレンタインチョコが。
彼女は部活の帰りに先輩を呼び出して渡そうと思っていたが、部活がなくて計画が狂ってしまい渡せず、先輩はすでに通学路を歩いている状況。

私はそのチョコを手にとり、3階の廊下から階段をかけおり、玄関を出て、その通学路を全速力で走った。
彼女に渡してほしいと頼まれたのか、自分の意志で請け負ったのか、もはや記憶があいまいだ。

「せんぱーいっ!!〇〇せんぱーいっ!!」

私はその先輩の顔を知らなかった。名前だけは聞いていたが、実際見たことがなかったため、通学路を歩いている男子生徒のうち、誰がお目当ての先輩なのか、分かっていなかった・・・通学路には先輩発見時より人が増えていた。

歩いている二人組の二人が後ろを振り返った。
どっち???

全速力で走って追いついたものの、息切れして上手く話せない。

「えーっと、私は〇〇ちゃんの友だちのうぉんのすけと言います。〇〇ちゃんが&#$=!*?」
どう説明したかも覚えていない。
先輩がどんな顔をしていたかも覚えていない。
ドラマとかでよくある黒のぐじゃぐじゃのモザイクかかってるあんな感じ。最初から顔をほとんど見ようとしてないもんね。

とりあえずチョコは渡した。
よかった。

そして、通学路を振り返り、学校の方へ歩いて帰ろうと思った。

驚いた。

なんと校舎の窓には大勢の観客がいたのだ。
私が先輩にチョコを渡したところで、大歓声があがった。

まぁ、私の本命じゃないからね。まっいっか。

このバレンタイン事件は、4人で会うたび必ず話題に出る。

「うぉんのすけ、走ったもんねーーー」

この時、当の本人はどんな気持ちだっただろうか。チョコが渡せて満足?それとも大歓声があがって恥ずかしかった?まっいっか。

またいつか機会があれば聞いてみよーっと。

❤ハッピーバレンタインデー❤️

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