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夢をつかむ! 003_20240903

理念を考える②

 国際貢献・・・

 たとえば、先日、キャンプで立てたテントの中で、皆で寝っ転がりながら、雑談をした。なにかの拍子に、トイレの話になった。

 「今ってさ、床も自動で水を流して掃除してくれるらしいよ」
 「トイレ本体だけじゃなくて床まで自動で掃除してくれるなんて便利だね。ものすっごく高いらしいけど」

 子どもたちが楽しそうな話をしているところに私が割り込んだ。
 「ねえねえ、『ボットン便所』って聞いたことある?『汲み取り式』とか」
 私が生まれた頃、家はすでに水洗便所(和式)になっていたが、ボットン便所は普通にあった。その話をしたのだ。
 「昔の人はさ、地面に穴を掘ってそこで用を足していたりしたんだよ」と私が話すのを子どもたちはじーっと聞いている。日本が50年でトイレの様子が随分と変わった話をし、25年以上前に聞いた中国のトイレの様子も一緒に話をした。
 
 「私が中国を旅行した人から聞いた話によるとね、一本川のようなものが流れていて、みんなそれをまたいで用を足していたんだって」と言うと、子どもたちはさらに身を乗り出して興味津々に聞いてきた。
 「ねえねえ、皆はさ、自分がもし皆と並んで一斉にトイレするとなったらどうする?」と聞いたところ「私は一番前がいい」という子もいれば「僕は一番後ろがいい」という子もいた。
 私と一番前がいいと言った子が「えー一番後ろだとさ、全員の尿や便が自分のところに流れてくるんだよ~」と言うと「だって、僕は自分の便を人には見られたくないから~」と言うので、二人で「なるほど~」と言って、話が終わった。
 
 さらに私は「それはものすごい昔の話だから今の中国のトイレはもっときれいになっているとは思うけれど、世界中のどこかにまだ穴を掘ってトイレをしている人たちがいるとは思うよ」と言うと、また真剣に私の話を聞いてくれている。
 「そもそもさ、ボットン便所ってどういう問題があると思う?」と聞いたところ「衛生環境が悪いじゃん」という返事が返ってきた。
 「そうだよね~いろんな病気をもった人たちが排泄したものにハエがとまり、そのハエが私たちの食べ物や体にとまったりして、病気を運んだりすることもあるんだよ。そのせいで幼い子どもたちが病気になって死んでしまうことだってあるんだよ」
 子どもたちはまだ集中して聞いてくれている。私は肝心な部分を話した。
 「ところで、私たちのような日本は本当に恵まれていると思うんだけど、たくさんのお金をかけて床を自動で綺麗にするトイレを増やすぐらいだったら、私(うぉんのすけ)は、衛生環境が悪い国のトイレを整備してあげた方がいいんじゃないかなと思ってる。世界中の皆が一定水準の生活ができた方がいいと思うんだ」というと、「僕もそう思う」「私もそう思う」と同意をしてくれた。

 私は何も彼らに床を自動で掃除するトイレがダメだという話をしたかったわけではない。
 自分たちが住んでいる日本っていう国(もっと狭く自分の住んでいる地域)の価値観だけにとらわれず物事を広い視野でとらえてほしいと思ったからだ。「地理」はそのためにあるのだと思う。
 もっと言えば「歴史」にも興味を持ってもらいたいと思った。ここ100年ぐらいで日本の生活環境は大きく変わった。たったの100年だ。自分たちが今見ている世界は長い歴史のほんの一部。歴史を知ることも自分の今の幸せにつながることも知ってもらいたかった。

 それがちょっとでも彼らに伝わっているといいなと思う。

 私は勉強そのものを教えたいわけではない。子どもたちがどうして勉強しなければならないのか、について一緒に悩みたいし、勉強する楽しさを知ってもらいたい。

つづく


<1年前の”種まき日記”> 
おーーつい先日みた「キングダム」の話。
先日の記事には書き損ねたが、やっぱり橋本環奈ちゃん演じる「河了貂かりょうてん」が可愛くて好きだ。

<2年前の”つれづれ日記”> 
転職する前に描いている記事は面白いな。あの頃の私が今の私を知ったら、転職するのを辞めただろうか?(笑)

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