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ほのぼの生きる  119_20230517

家の前に母が仁王立ち?

今日は、昨日書いたとおり自転車に乗った。
ボルダリングジムまで片道約20分。
ちょうどいい有酸素運動だ。
天気がいい日はこれからは自転車で通ってみることにする。

先日、パンク修理をし、持って帰る時にちょっと乗ってみたのだが、ものすごい久しぶりに乗ったため、少し安定感が悪かった。
そして太ももの筋肉が衰えていたからか、こぐのがちょっと辛かった。

今日はとってもいい天気だったので、風を受けながら、びゅんびゅんと自転車を走らせてみた。
だんだん昔の頃の感覚が戻ってきた。
そしてあまりにも勢いよくこいだので、たまに段差でボムっと跳ねる。
ママちゃりの前かごに入っている鞄が少し宙に浮く。

急に思い出した!!

あれは、20代前半のことだった。
私は毎日、職場に自転車で通勤していた。
通勤路に大きな踏切がある。すぐ近くに駅があるため、しょっちゅう踏切のバーが降りて、通行が遮断される。
一度遮断器が下りると長い間(通勤時にはとても長く感じる)足止めをくらう。

自転車と歩行者用に、地下道がつくられており、自転車の私はひょいひょいっと駆け下りてはトンネルを走り、駆け上がる。
カンカンカン・・・
バイビーと踏み切りの停滞感を背中に受けながら、得意気に走り去る。

ある日の帰り道、いつものように自転車をひきながら地下道を降りていた。
地下道は真ん中に自転車用の坂が作ってあり、その両脇に歩行者用の階段がある。
ハンドルの手元が悪くて、よろけそうになったため、自転車の後輪が坂から脱線して、階段に乗ってしまった。
後輪は勢いよく、ぽんっぽんっぽんと跳ねて下ろうとするため、私はハンドルをしっかり持って、自転車を支えた。
最後に後輪が水平になった時、トンっとなった拍子に、前かごのカバンが宙に浮いた。

あいにくこの日は、カバンの口を開けたままにしており、中身が丸見えの状態で前かごに入れていた。
最後の最後で、私はバランスを崩して、自転車がほとんど斜めに倒れてしまった。
それと同時に、前かごのカバンとカバンの中身が・・・大惨事!

他にも通行人がいたので、私は恥ずかしくて、慌てて、ぶちまけてしまったカバンの中身を確認もしないで、カバンの中に慌てて入れて、その場を立ち去った。

あー恥ずかしかった・・・
何とか気持ちを立て直し、また颯爽と自転車に乗り、家路を急いだ。
だんだん家に近づく頃、家の前に母が仁王立ちでこっちを向いているのが見えた。
遠くから見ても、それはメラメラと怒りの様子であることがうかがえた。

なんだ?なんだ?
ちょっとー勘弁してよー。今日はただでさえ自転車で転んで、ツイテないのに、家に帰って早々に怒られるのとか、嫌なんだけどー
何したの?一体、母に何があったんだ?
私、何かした?
そんなに私の帰りを待つほど、怒ることって何よ?

「ただいまー」
と元気よく笑顔で言い、母の前に自転車を止める。

「あんた、財布は?」
「はぁ?財布?なんのこと?財布ならここに・・・」
ないっ!
財布がないっ!

慌ててカバンの中を見ている私の目の前に、母が財布を差し出す。

うん?どゆこと?

「さっき、この財布を届けてくださった人がおる」
「うん?どゆこと?」
「あんた、踏切下の地下道で財布落としたでしょーが💢」

よくよく事情を聞けば、私が自転車を倒した時に、財布だけがなぜか地下道に忘れ去られていたらしい(なぜ財布だけ?)

「財布を開けたら運転免許証が入っていて、この辺の近くに住んでる人で住所が分かったから、そのまま車で届けに来てくれたんよ。」

まさかの、財布だけ本人よりも先に自宅へ到着!

その後、またすぐに車でお菓子を買いに行き、拾ってくれた善良な方にご挨拶(お礼)にいきましたとさ。

自転車はゆっくり走りましょう。
そして、前かごに入れるカバンは必ず口を閉めましょう。

おわり

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