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【展示会レポ】いとしき きといし〜触れて知る、木と石のぬくもり〜

こんにちは。CHADAです。

Karimoku Commons Tokyoで開催されている、関ヶ原石材による企画展「いとしき きといし」に行ってきました。

本展示は関ヶ原石材とカリモク家具によるコラボレーション企画で、石と木、両方の魅力に触れることができる展示となっています。

会場に入ってすぐのイントロダクションボードの冒頭には次のような言葉がありました。

ふと、壁の石のもように、見とれてしまったり。
机の木目が、ふいに、うつくしいと気づいたり。
石や、木は、いつもしずかにそこにあるのに、
ときどき、ふしぎに、わたしたちを魅了します。

展示会「いとしき きといし」イントロダクションボードより

皆さんも、このような経験があるのではないでしょうか。

石も木も私たちの生活に欠かせない存在です。人類の長い歴史を振り返ってみても、住居や道具、自然景観として、この二つの存在は常に私たちのすぐ近くに在りました。

私たちの暮らしに密着している石と木、この二つを「見て」「触って」楽しむことができるのが今回の展示の魅力です。

まず目に飛び込んでくるのは巨大な魚梁瀬(やなせ)杉の断面。
樹齢は150年以上のものだそうです。

会場は二つのゾーンで構成されていました。
入り口から入ってすぐにあるのは〈いとしき、地球素材〉ゾーン
ここでは実際の石材や木材がオブジェとして並べられ、それらは全て触れることができます

最初はどのように見たらよいか迷っていた私ですが、関ヶ原石材の方が声をかけてくださったことにより、様々な視点で展示を楽しむことができました。

その内容を、写真と一緒に少しだけご紹介します。

様々な種類の石材と木材とが美しく組まれたオブジェ。
写真左上の黒っぽいのがこの中で一番重い石「ジンバブエ」。
その石が乗っていても、表情ひとつ変えない下の石と木。
凛とした美しさを感じました。
こちらは登ってもOKの展示会。
裸足で登れたら更に楽しそう…と密かに思う私でした。
【ジンバブエ】
切り出した時は、写真下部の状態。輝きもないし自然な凹凸に、素人目にはどこにでもある岩のようにしか見えませんが、
これがプロの技で磨かれると写真上部のような艶が!
切り出した時の石の表情と仕上がりを見比べるのはなかなかおもしろかったです。
【オンダートオニックス】
光を透過する珍しい天然石。高価なものなので大工事には向かないそうですが、特徴あるこの模様により、ポイントで
使用すれば十分効果的な空間演出ができるそう。
様々な種類の石と木が同じ大きさで計24個並んでいるこちらの展示。それぞれの石や木の特徴をじっくり観ることができるだけでなく、実際に手に取り、他の素材と比べることができます。
同じ大きさだからこそ、重さなども比べやすい。そして、これ以上の大きさだと、重過ぎて持ち上げられないなと思う石も
あったので、非常に計算されたサイズ感のオブジェでした。
こちらの展示、すべすべ触るだけでも気持ちが落ち着きます。
会場の受付。こちらも「石と木」。
石の名前はジュラシックブラウン。後から資料で知ったのですが、化石が含まれた大理石らしい。もっとじっくり見させて貰えばよかった…。下の木の左側はイントロダクションボード横の巨大断面と同じ魚梁瀬杉。おしゃれだなぁと思っていた受付ですが、実は歴史ある石と木に迎え入れてもらっていたんですね。
右の木はハゼ。この黄色、後からデザインしたものではなく、元々こういう色の特徴を持つ樹種だそうです。塗ったものだと思っていたので驚きました。自然がつくりだしたデザインとそれをバランスよく組み立てたデザイナーのセンス…美しいです。
こちらのパドゥークという木も元々こういった鮮やかな朱色。
この他にも会場にパープルハートという木もあって、そちらは紫色をしていました。時を経るごとに落ち着いた紫褐色へと
変化するそうです。…本当に知らないことばかり。

何も知らずに見た時は「美しい」とか「かっこいい」で止まってしまっていた感想が少し知るだけでこんなにおもしろいのか…!
衝撃を受けたと同時に、街や建物の新しい見方を教えていただいたようで、心がワクワクするのを感じました。
旅行先で、建造物の壁をじっと見てみるのも面白そうだぞ、友人が待ち合わせに遅れてきても、スマホの画面じゃなくて、近くにある石や木でできているものを見たり触ったりして時間を潰すのも面白いかもしれない、と、新しい時間の過ごし方を見つけて、日常生活の中でのちょっとしたお楽しみが増えました。

奥に進むと、もう一つの「いしとき、の、出会うところ」ゾーンがあります。

こちらは、石と木のふたつの素材が出会った先にあるもの、として、ふたつが融合したプロダクトが展示されていました。
その中でも、スペース中央にある、関ヶ原石材が選んだ新石種の大理石と、カリモク家具の木工技術を融合させてできたテーブルは、このゾーンの象徴のような印象を受けました。

こちらでは石と木のプロダクト販売までされていました。

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石と木、こんなにも私たちの暮らしに寄り添ってくれる身近なものでありながら、ひとつとして同じものは存在しないという貴重さ。

これらを私たちは資材として使わせていただいてもいますが、一本の木が資材として使えるようになるまで50年以上、石はもっともっと時間がかかります。

次々とモノが生まれる時代ですが、その資源には数と時間に限りがあるということに、私たちはどれだけ気づけているでしょうか

石や木は、単なる素材ではなく、自然や街といった私たちの環境全てをつくるものであり、私たちと共に地球で生きる「パートナー」です。

本展示を通して、テーマである「いとしき」を、正に肌で感じることができたと思います。
石や木のぬくもりに触れることのできる、素敵な企画展でした。

会期:〜6月29日(土) 日曜定休
時間:12:00-18:00
会場:Karimoku Commons Tokyo 1Fギャラリースペース
入場料:無料
主催:関ヶ原石材
石の製作:関ヶ原石材
木の製作:カリモク家具

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