モテるって何?
私はモテない。
かつてはそう思っていました。
でも今はちょっと考えが変わってきているのです。
捉え方が変わってきていると言うべきか。
世の同志よ聞いてくれぃ!
俺はモテないやつだったんだ
私は中学生の頃一人、高校生の頃一人...の方とお付き合いをさせて頂きました。
高校生の頃までは、まずまず順調に思えた恋愛事情でした。
しかしそこから現在に至るまで15年程、彼女はいない。
このあまりに意中の人と結ばれない片思いの期間に気付いてしまったことがあります。
"俺はモテないやつだったんだ"
思い返してみれば、幼稚園と小学生の頃は内気で引っ込み思案なタイプ。
クラスでも地味で居るのか居ないのか分からないような子供だった。
なのに、私が仲良くなる親友に限ってクラスの人気者であったり、物珍しい転校生であることが多く、いつも親友との間にはモテ格差があった。
私が恋した相手が私の友人を好きだなんて事も多く経験した。
そんな私が何で中学生や高校生になって恋人ができたのだろうか。
いわゆる〇〇デビューってやつ? そうでもないのだ。色々あった。
2人目の彼女〜時代の後押しのおかげ〜
まずはいきなり中学生時代をすっ飛ばしてしまおう。(こちらは後述する)
高校生。人生2人目の恋人との出会いは同じクラス。
席が近かったので自然とグループワークなども一緒になり、そのグループ全員で自然と携帯番号を交換した。
出会いはありきたりだが、気があって運命めいたモノを感じたのも確か。
ここからメールでやり取りしてお付き合いするまでになった。
これは完全に携帯電話のおかげである。文明のおかげである。
学校じゃ、人前じゃ、ああだこうだ人と明るく会話などロクに出来ない私が一人の女性の心を掴めたのは、メールでじっくりお話しできたからだ。
考えや思いを時間をかけてでも伝えられたからだ。
それでも、お別れは来た。相手をずっと夢中にさせるのは難しい。女心と秋の空。
1人目の彼女〜自分らしくいられた場所〜
すっ飛ばした中学生時代について。
この頃は相変わらず内気でコミュ障であることに変わりはなかったのだが、
入部したソフトテニス部がそんな自分を受け入れてくれる心地よい場所であったことに加え、自分を解放して明るくなれる場所でもあった。そんな場所に出会えたのは初めてだった。
そんな男子ソフトテニス部の隣にあった女子ソフトテニス部。そこによく遊びにきていたバスケ部の女性がいた。
自然と男女テニス部混同でよくお喋りするようになり、その場にいたバスケ部の女性が私を意識してくれるようになって、お付き合いが始まった。初の彼女である。
このコミュニティの時の私は自分でも信じられないほど、饒舌でダジャレ言いまくりのおちゃらけたやつだった。
本来の自分はこんな明るいのか、と思ったものだ。
でも、そんな自分になれるのは、奇跡的にマッチした人たちとの場においてのみ発揮されるものである事が、のちのちの人生で暴かれていくのだが。
恋といじめのサンドウィッチ
最初の彼女とは一度だけ遊園地に行ったことがあるのだが、それ以外はまともに会話したことすらないような関係のまま消滅に向かった。
大きな要因は私のせいであろう。
彼女にとっての私は明るいおちゃらけた人だった。
当時の私は、彼女がいる一方で、いじめを受けていた。
彼女は私がいじめを受けていることを知らなかった。
相変わらず部活以外の私は極度のコミュ障で自分を閉ざしてしまう人間だった。そのくせ、正義感だけは強くていじめっこたちが学校を牛耳っている感じが納得いかなくて、睨みつけられても睨み返したりしていた。
そんな感じだから目をつけられたのかもしれない。学年中の不良と言われるような人たちがこぞって私に目をつけていたのだと思う。
こんなこと言ったらその人に申し訳ないが、いじめられそうなタイプの人をいじめている風にカモフラージュにして実は私をいじめてきていた。上履きには画鋲が入っていたりどこかに隠されたりもした。シャーペンも盗まれた。雨の日は沢山のビニール傘が傘立てにある中で、ちゃんと私のビニール傘が壊されていた。ハニートラップも仕掛けられた。「殺してやる」とメールも送られてきた。
とにかく陰湿ないじめだった。
私は人前で彼女と話すことがどんどん出来なくなっていった。いじめられている人間が彼女と話しているだけでも、彼女に迷惑がかかってしまうと思ったからだ。
結局、彼女にはいじめられていることなど言えないまま、月日が流れ、ある日彼女から「他に好きな人がいるから」と別れを告げられた。
とても付き合っていたとは言えない半年間だった。手を繋ぐこともなかった。
これが最初の恋愛である。
そして、確信したことがある。
私は大勢の中では、会話が出来なくなってしまう人間なんだ。ある一定のクローズドなコミュニティにおいてのみ自分を隠さず明るくなれる人間なんだと。
いじめについては中学時代の人たちから22歳まで嫌がらせを受けていたから、つまり高校生で2人目の彼女とお付き合いをしている頃も、いじめを隠してお付き合いしていた。
いじめっ子たちとは学校が違ったから、何とか彼女とは健全なお付き合いができたのだと思っている。
そんな彼女とも1年半ほどのお付き合いの後、フラれて関係は終わった。
そして、現在も続く恋愛暗黒時代が幕を開ける。
裸になった対人偏差値
高校を卒業してからの私は圧倒的に人付き合いがなくなった。
高校までは否応なく固定のクラスというものがあったから、無理にでも誰かと話す機会があった。
それが大学生になると、ゼミにでも入れば別だが、基本的には固定のクラスはそうそう存在しなかった。
ゆえに、人付き合いを作っていくには自分自身の行動にかかっていた。
よく捉えれば、圧倒的な自由。しかし、今まで受け身で義務教育に流されてきた私はその自由を操縦しきれなくなっていった。
入学初日に話しかけた相手とウマが合わず(相手から離れていった)対人関係への自信をあらためて喪失し、キャンパスも歩きづらくなった。勢いで入ったギターサークルも半年で辞めてしまい、手に入れた自由を引きこもり体質の自我を満たすことに使っていくことになる。
ボロボロの大学生活、それから
最低限はバイトをやっていたがシフトが入っていない日は、授業が終われば、数少ない友人の誘いも嘘ついて断り、家に帰りTVゲームに没頭する日々。高校時代は一年中休みが無いくらいテニス部に没頭していた。その反動からか急に手にした自由をTVゲームに費やしてしまっていた。
完全に依存症だった。
何かを始めたくても、対人恐怖症が脳を侵食し、新しいコミュニティに飛び込む勇気も出なかった。
将来も真剣に考えられず、でも親には申し訳なくて「卒業だけはしよう」と、単位を取るためだけにキャンパスに通っていた思い出がある。
そんな感じだから、バイト先で出会った人に告白しても軽くフラれ、就職活動も上手くいかず、卒業はしたが就職浪人を2年ほどすることになる。その間もバイト先や単発仕事の現場でいじめやハブりを受けることになる。
その後も、何度も片思いしてアタックをしたことも何度もあるが、何者にもなれていない自分は良縁に恵まれていない。趣味も偏っていて、交友関係も少ない人間に恋愛は難しいように感じる。
『モテない』は存在する?
あなたはモテる人とはどういう人のことを言うと思いますか?
イケメンや美少女?男らしい・女らしい人?はたまた金持ち?面白い人?気が利く人?
きっと人によって何かしらモテる部分は持っていると思いますし、人によって好みのタイプやツボも様々ですよね。
でもこういう見える"部分"ってその人の全てではないですよね。一要素でしかない。
月も太陽の光の当たる角度によって形が変わって見えるように、人も光と影、陰と陽・・・いくつもの顔を持っていて状況によって見せる表情は変わったりしますよね。
顔のコンディションが良い日には優しくしてくれるのに、調子悪い日には冷たかったり。忙しい時や疲れているときにはキツく怒鳴られたり無視されたり。
つまりモテる人っていう表現は、誤解を恐れずにいえば、根本的にはないと思うんですよね。
モテる人ではなく、『(その時のあなたに)合う人』って言いたい。
その時のあなたの要素に合った人、呼応した人が求め、求められているのだと思います。
昔は好きだった芸能人に興味が無くなったり、長年連れ添った夫婦が熟年離婚したりすることを思えば、モテるモテないという議論は、今のあなたの状態(もしくは相手の状態)に、今の相手の要素(もしくはあなたの要素)が合うかどうか次第なのではないか。
そういった中でも、親の愛情は限りなく無償の愛だと思いますが、悲しいことに血を分け合った家族ですら、利害関係です。
例えば、暴れ回る子供がいたとして、命の危険を感じたら仕方ないですが、とても一緒に暮らしてはいけないかも知れませんよね。突き詰めれば、家族も家族として関係を保っていくためには、一線を超えてはいけないのですから。
モテる人って、その人にとって都合が良い人。自分を満たしてくれる人。
でも、私はそんな自分の定義を否定したいと思います。
本気で人を愛している時って自分が損をしてだって愛したいって思うから。
まだ出会っていないだけ。
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