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何かが閉じて失くなっていくような気がした

先日のことです。とあるパブでビールを注文したらやたらにダイアセチルが強いものに出くわしました。ダイアセチルというのはビールにおいて好ましくない風味の一つで、私はこれに結構敏感だと思います。過剰反応なのかもしれないけれど、まぁ、簡単に言うとめちゃくちゃマズかったわけです。

個人的には相当しんどいレベルで一発アウト判定なのですが、確認の意味もあってふたくち飲み、それきりやめて下げてもらいました。お店の方に正直な感想を伝えると、その方もそのビールを飲んで「あぁ、確かにダイアセチルがありますね」と言う。

でも、それきりだった。

別に喧嘩がしたいのでもないし、お金返せと言ったわけでもない。ダイアセチルが感知されるかどうかやそのビールのトータルとしての品質について意見を交わしたかっただけなのだ。

しかし、特に意味のある返答はなかった。

だから、私は、

レストが短すぎるのか、コンタミか。
何にせよブルワリーにこのことは伝えたほうが良いと思う。
なんならケグを突き返してもいいかもしれない

とだけ伝えて帰ることにしました。

クラフトビール関係の人々はよくコミュニティのことを話すけれども、パブもその一環であり、当然含まれると考えて良いと思う。だから、そういう場でそもそもビールに関する対話が成立しないとなるとどうしたら良いのだろうか。この場合の「コミュニティ」というものがビールを中心に据えて形成されたコミュニティであるとすると、そのトピックにビールの品質などが挙がるのは極めて自然なことだと思うのだけれど。実際にはそうでもないのだろうか。

何にせよ、無反応というのは辛いことだ。何かが閉じて失くなっていくような気がした。こういう自分勝手な敗北感を何と呼んだら良いのだろう。

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