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【プロ向け】画期的な大容量パッケージ、UNIKEG(ユニケグ)について

一般の方はあまりご興味無いかもしれないのですが・・・CRAFT DRINKSって何しているのか分かりにくいと言われることも多いので、少しずつ仕事のこともご紹介していこうかと思います。

今回はUNIKEG(ユニケグ)についてです。ユニケグはCRAFT DRINKSが国内ディストリビューターを務める画期的なワンウェイケグです。非常に能力の高いもので、ブルワリーをはじめとする各種酒類メーカーでは即戦力になってくれると思います。

そもそもケグというのは飲食店で使う「樽」のことで、一般的にはステンレス製のものが使われます。ステンレス製は丈夫で何度も使えるのがメリットなのですが、配送コストかかなりかかります。また、洗浄・管理に結構な手間がかかることが業界では問題になっていました。そこでリサイクルを前提にワンウェイ(片道配送)で済むものがだんだんと主流になってきています。その1つがオランダ生まれのUNIKEG(ユニケグ)です。

最近少しずつ国内のブルワリーでも使われているので、見かけたことのある方もいらっしゃるかもしれません。

特徴その1 洗浄不要

元々完全に滅菌されて納品されるので、ホコリ防止のキャップを外したらすぐにそのまま充填できます。予備的な洗浄作業は一切ありません。

特徴その2 ガス充填不要

ビールは二酸化炭素ガスが溶け込んでいる液体なので、平衡圧環境下でないと充填時にガス抜けしてしまいます。そのまま詰めてしまったらケグ内部で泡立ってしまうということですね。ユニケグには予め窒素ガスによって17psi(約1.2bar)の圧力がかかった状態で届きます。

公式HPでは下記のように説明されています。

Manual filling: should I vent a UniKeg and/or flush it before filling?
In order to minimize oxygen uptake, we strongly recommend that you flush the UniKeg with CO2 or N2 prior to filling. Flushing needs to be done for 30 – 45 seconds.

念の為メーカーは残存する酸素を完全に除くために30〜45秒ガスでリンスすることを推奨する動画を公開していますが、改良が進んでおり、17psi(約1.2bar)の圧力で平衡がとれるのでればそのまま充填して頂けます。充填カプラーを取り付け、内部のガスを抜きながら充填する液体の平衡圧力まで下げてお使いください。

特徴その3 サンキーSカプラー対応

元々ユニケグはアメリカ向けに作られていてサンキーDのみ対応でしたが、現在日本に輸入されているものはサンキーSに対応した新しいものです。サンキーSと言えば、NBのキリン以外が採用している規格で日本では一番普及しています。おそらくどの飲食店でもご利用頂けると思います。また、手動充填であれば充填機材も従来のもので対応出来ますので、ステンレスケグに詰めるのと何も変わりません。

スペックにも触れておきましょう。

サイズは基本的にキーケグと同じで、縦240mm ☓ 横240mm ☓ 高さ572mm。重さも1.2kgで軽量。中身が入っていても25kg以上にはなりませんので佐川急便やゆうパックでクール配送可能です。保存可能期間についてですが、メーカー側の公式発表では「Depending on filled product and storage conditions.(充填した液体と保管環境に依る)」とされており、具体的な保存可能期間は明示されておりません。UnikegのQ&Aでは下記のように説明されており、通常9ヶ月はフレッシュさを維持するとしています。

How long do beverages stay fresh in a UniKeg?
This depends on what type of product is being filled into the keg and the filling and storage conditions. On average, beverages in UniKeg should stay fresh for 9 months

同じワンウェイケグですが、ユニケグがキーケグと違う点は以下。

①内部にパイプが通っており、立てた状態でなければ使用できない
②内袋が無く、ガスが液体に直接触れる
③二次発酵には基本的に使用不可

廃棄方法以外はいつものステンレスケグと同じ扱いだと思って頂ければ結構です。取扱いに関する動画が公開されておりますのでご覧ください。

ユニケグの充填方法

ユニケグへカプラーを取り付ける方法

ユニケグのガス抜きおよび廃棄の方法

ハンドル部分もキーケグと同じように回して外し、別々にして捨ててください。動画ではガス抜きに赤いデフレーター(ガス抜き器)を使用しています。飲食店の方はデフレーター(ガス抜き器)についてはCRAFT DRINKS SHOPで購入可能です。ガスが充満したまま廃棄すると爆発する危険があり、大きな事故の原因となりますので絶対に行わないでください。必ず完璧にガスを抜いてから処分しましょう。

ユニケグにご興味のあるブルワリーをはじめとする酒類メーカーの皆様、価格等の情報はこちらからご連絡くださいませ。私どもから折り返しご連絡差し上げます。ご検討のほどよろしくお願い致します。

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