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バズワード、それって良い意味?悪い意味?

「バズワード」という言葉があります。あまり良い意味で使われる言葉ではないという認識でしたが、そうでも無さそうな使われ方を見かけたので、今はどうなんだろうという疑問が湧き上がりました。

バズワードとは(おっさんの認識)

一般的な認識というものをまずは確認してみます。
IT用語辞典では以下のように記載されています。

バズワードとは、主にIT関連業界に見られる流行語で、何か新しい重要な概念を表しているようだが、その実、明確な定義や範囲が定まっておらず、人によって思い浮かべる内容がバラバラであったり、あるいは宣伝文句的に都合よく引用されるような新語や造語、フレーズのこと。

IT用語辞典e-Words

この説明だけだと、それほど悪いイメージもないかもしれません。ただ、この下の説明にはさらに以下のように書かれています。

“buzz”は(蜂などが)ブンブンうなる、(群衆などが)ガヤガヤいう、ざわめき、騒音、などの意味で、はっきり聞き取れない、耳障りだ、といった含意がある。単なる流行語というだけでなく、使っている当人たちはかっこいい、あるいは、先進的な(またはそれに類する肯定的な)イメージを込めて使っているが、意味が曖昧で、何がそれに含まれるのか、含まれないのかが人によって大きく異なり、結局それが何なのか誰に聞いてもよくわからない、という状態を表している。

IT用語辞典e-Words

具体的なバズワードの例として、こんなものを挙げています(抜粋)。

  • マルチメディア

  • ビジネスモデル

  • ユビキタス

  • 仮想現実

  • ブロックチェーン

これだけ見ると、今でも使われているものもあるので、それ程悪い意味でも無さそうです。

ただ、「〇〇ってバズワードだよね」とか「〇〇のバズワード化が捗る」みたいな表現をされると、それって言葉ばかりが先行して実態がない、みたいな悪い意味が自分の考えるバズワードのイメージだったりします。上述の記事の後半の引用部分なんかはこういうニュアンスの前提かと思います。

バズワードでWeb検索したところ、以下のような記事を見かけました。そうすると「バズワード」自体が悪いというか、バズワードを単に流行っているというだけで本質を理解しないで使って、理解した気になっているのが悪い、という解釈が近いのかなとも感じます。

「ダイナミックプライシング」「サブスクリプション」「AI」……企業の企画会議やプレゼンテーションに参加すると、ここ数年で急に聞く機会が増えた用語が資料の中にあふれかえっていることがよくあります。これらを見ると、製品やサービスの企画・開発が“バズワード(特定の業界で使われる定義が曖昧な専門用語)先行”で進んでいるように感じて、とても心配しています。
言葉の意味を本当に分かっているのか
 これの何がまずいのかというと、意味の理解度や解釈が人によってまちまちであることです。古くからあって世の中に定着している言葉と違って、新しい用語はそれが持つ辞書的な意味さえ知らない人が一定数います。また、辞書的な意味は把握していても、それが自分たちのビジネスにおいて具体的に何を意味するのか、どんな影響を持ち得るのか、という深いところまでは理解していない人がいます。

“バズワード”が飛び交う会社にイノベーションは生まれない

バズる

バズワードという表現はIT業界特有らしいですが、一般にも(主に若者が)使われる言葉として「バズる」があります。

これについても以下のような解説がありました。

バズるとは、インターネットやSNSなどを介し、急激に、消費者の口コミで話題が拡散し注目が集まることを意味する言葉です。英語のbuzzが語源となっており、簡単に言い換えるならば「バズる」=「SNSで話題になる」とも言えます。

バズるとは?意味やTikTok・Twitter・インスタでバズる方法を解説

バズワードのバズと語源は同じで、蜂がブンブン飛び回るように注目を集めているという意味になります。良くも悪くも注目を集めればバズっていると言えるとは思いますが、「〇〇がバズってる」と言えば、普通は良い意味で使われることが多いかと思います。

悪い意味のバズワード使用例

自分や周囲だけが悪く捉えてるのではないかという心配もあったので、少し調べてみました。いくつかバズワードと思われる単語と一緒にバズワードをつけてWeb検索してみました。

例えば、以下の記事ですが、タイトルからしても悪く捉えてますよね?

バズワードと化したRPAの本質をリーディング企業に訊いた | Think IT(シンクイット)

ソフトウェアによって構築されたロボットによる自動化を推進するソリューションはRPA(Robotic Process Automation)と呼ばれ、IT業界における2018年のバズワードとなった。しかしIT部門からは「単なるExcelマクロの高級版」「例外処理に弱く実用的ではない」などの声を聞くことも多い。
RPAは新しいバズワードで終わるのか、それともITの新しい潮流として定着するのか。RPAを推進するRPAテクノロジーズ株式会社の代表取締役社長で、日本RPA協会の代表理事でもある大角暢之氏に話を訊いた。

バズワードと化したRPAの本質をリーディング企業に訊いた | Think IT(シンクイット)

一方、こちらの記事はどうやら良い意味で使っているようです。他にも「メタバース バズワード」で調べた結果はおおむね好意的というか、単に注目ワード、トレンドワードといった意味でバズワードを使っているようです。

2021年、一気にバズワードとなった「メタバース」。『あつまれ どうぶつの森』『フォートナイト』などのゲームや、「竜とそばかすの姫」などのアニメにおける仮想空間の登場によって、「メタバース」は私たちにとってより身近なものになっています。

2021年のバズワードをおさらい!知っておきたいメタバースとアバター記事5選

全体的に改めて調べてみると、必ずしも悪い意味とは捉えてない記事も多いように感じたので、もしかすると自分の感覚がおかしいのかもしれません。
個人的には、自分のような技術者界隈では比較的悪い捉え方をされて、そうではない一般に近い方面では単によく使われているくらいの意味合いで使われているのかな?とも感じましたが、実際どうなのでしょう?

バズワードとバズる

同じ語源の同じような言葉ですが、IT業界の「バズワード」は「注目されているが定義が曖昧」となんとなくマイナスイメージで、若者の「バズる」は「注目されている」をプラスイメージで捉えているというのは、なかなか面白い気もします。

この話題のきっかけになったのは某質問サイトでバズワードをどうやら良い意味で使ってると解釈できる質問があったので、もしかして今時はバズワードを良い意味に使っているのだろうか?というのが気になった次第です。
もし良い意味でも使われるようになったのであれば、若者言葉のバズるのイメージから良い意味で捉えられているのかと想像しています。

別に良い意味で使うようになったのならばそれで構わないのですが、自分みたいな悪いイメージを持っている人間と話が噛み合わなそうという気はするので、過渡期は混乱しそうです。

ちなみに、別の辞書(デジタル大辞泉)では割と辛辣な言われようでした。

バズワード【buzzword】
いかにも専門的聞こえるが、実は意味が不明確なまま世間通用している言葉。→プラスチックワード

デジタル大辞泉

プラスチック‐ワード【plastic word】
意味のあいまいなままに、いかにも新し内容伝えているかのように思わせる言葉プラスチックのように自由に組み合わせさまざまな分野手軽使える語をさす。ドイツの言語学者ベルクゼンが提唱。「国際化」「グローバル化」「コミュニケーション」など。→バズワード

デジタル大辞泉

この定義によれば、一時期流行ったカタカナ用語なんかもバズワードと言えるかもしれません。ソリューションとかインセンティブとか。「ソリューションをプロバイドする」とか訳のわからん言葉遣いが昔はよく出てきました。最近は廃れましたね(別のものが出てきただけとも)。

まとめ:「バズワード」の使い方は気をつけよう

バズワードという言葉の捉え方には少なくとも以下の2通りあるように思うので、使う場合には自分の意図を明確にした方が誤解が少なそう。

  1. 単によく使われる、トレンドになっているという「バズワード」(比較的良い意味)

  2. 言葉ばかりが先行して中身がない、実態をがわからないで使われているという「バズワード」(比較的悪い意味)

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