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先行レビューとガイドライン

最近参考にさせていただいているブロガー/YouTuberさんが世に溢れる先行レビューというものに触れていました。もちろん、メリットデメリットありますが、なんらかの基準とかみたいなものは必要ですよね。
でも、結局は末端の消費者が賢くなるしかないのかな、と。

先行レビューってなに?

言葉は色々あるかもしれませんが、以下のようなものをここでは「先行レビュー」と呼びます。

・ブロガー、YouTuber等がメーカから発売前の製品を提供してもらい、そのレビューを投稿する行為
・その旨、レビュー内で告知している(所謂ステマではない)
・製品の貸出しなのか提供なのかは問わない

最近だと某社のイヤホンが今月末に発売されますが、その先行レビューなるものがあちこちに上がって話題になっています。

先行レビューの弊害

そもそも先行かどうかによらず、この手のブロガー、YouTuberさんは収入を得るためにアフィリエイトという手法を使っていることが多いです。
アフィリエイトについては、消費者庁で以下のように注意喚起しています。→アフィリエイト広告に対する注意

『アフィリエイト広告』には、以下のような特徴があるため、通常の
広告よりもさらに広告内容に注意する必要があります。
①商品等の販売者本人ではなく、アフィリエイターが広告を作成・掲載していることから、販売者による広告内容の審査が行き届きにくい。
②商品の購入等があった場合にのみ報酬が発生するという仕組みのため、アフィリエイターが報酬目当てに虚偽・誇大な広告を作成するおそれがある。
※販売者が信頼できる第三者になりすまして作った広告もあります。

もちろん、真摯にレビューされているブロガー、YouTuberさんもいらっしゃるので、アフィリエイトの有無に依らず、ブロガー、YouTuberさん等のレビューそのものを否定する気はありませんし、参考にさせてもらっています。というか、アフィはしてませんがいわゆるレビューっぽいものを自分も書いてますし。

ただ、悪意や下心の有無によらず、自分が買って多少失敗と思っても、いやいやこういう良い面だってあるって自分を説得することはままあります。
また、公の場所にレビューを出す以上、その製品のメーカーや利用者からクレームがあるケースもないとは言えないので、あまりストレートに「これはダメ」とは書きにくいこともあるでしょう。

発売前に情報をくれること自体はありがたい

とは言え、実際に使ってみた話を書いてもらうのはありがたいし、発売前に情報をもらえるのもありがたいです。
まあ、発売後に情報が出揃ってから落ち着いて買えば良いと言われればそれまでです。が、メーカーも在庫が怖いのでいきなりそんなに大量には出さないことも多く、そうすると入手できるのは先になってしまうこともままあります。
まあ、意図的な品薄商法というのもあるかもしれませんが。個人的には、それをやると機会損失になってしまうリスクもあるので、よほど自信のあるメーカーじゃないとやらないと思います。

私が参考にさせていただいているブロガー/YouTuberさんは、自腹を切って使って書いた製品レビューこそが本物のレビューとの考えがあり、それが先行レビューとか、サクラも含めて、利害関係に基づいたレビューに埋もれることをよしとしてないようです。

それはごもっともですが、一ユーザとしてはありがたい面があるのも事実です。その方はそういうレビューとか好きではないので、あまり先行レビューを見ないそうです。

レビューがビジネスになっている

元々、製品を関連する雑誌やWebサイトの会社に提供して事前にレビューを書いてもらうなんてのは大昔からありました。ブロガーが出てきてクチコミが持て囃されるようになると、メーカーはそこに目をつけて、体験イベントとか先行して製品を貸し出したりして、そのレビューを書いてもらうようになりました。

また、先行レビューから離れますが、レビュー評価をお金を出してよくしてもらったり、良い評価を書いてくれる業者に依頼したりなんて話も出てきました。それで、Amazonが製品の扱いを取りやめたりなんて話も出てきています。

メーカとしては、せっかくなら良いことを書いて欲しいでしょう。そもそも、所詮は個人なので見当違いの評価を出すこともあるでしょう。そういうのはメーカーとしても避けたいところでしょうから、色々言いたいことも出てきてしまうのかもしれません。
そういうところから始まって、色々とメーカー間の競争もあったりして、エスカレートしているような感じはあります。

で、最終的には高評価を買うような行為とかに行きついてしまうのかもしれません。

結論:信憑性を考えるのはユーザの責任

そんなわけで、先行レビュー(に限りませんが)はメリットもデメリットもあるし、そこはそういうものだと認識した上で、受け取る側が考えていくものだと思っています。

ですから、サクラレビュー、不正レビューは論外としても、先行レビューそのものが必ずしも悪とは思っていません。自分がいいレビューを書いても埋もれてしまう、という想いは理解できますけど。

でも、結局はいいものが広がるのではなくて、広がったからいいものって風潮は仕方ないのかなとも思ってます。世の中そんなものですよね。

結局、受け取る側が賢くなるしかありません。どこかの誰かが何らかの基準でそういうものを一掃したとして、どこかでそういうものが漏れ出てきたら、最終的に判断するのは末端の消費者ですから。
この手のものはいたちごっこなので、どんなに制限をかけても網の目から溢れたものが漏れ出てきます。

とは言え、野放しもよろしくないので、たまに間引いてやるようなことは必要です。というか、業界ガイドラインとか必要そうな気もしますが、特定の業界だけやってもそれはそれで意味ないので、消費者庁の仕事でしょうかね。
提供数を限定するとか、特定のブロガー、YouTuberに偏らせないような工夫が欲しいところですね。タバコのCMじゃないですが、その手の記事、動画の冒頭での注意喚起みたいなものも必要かもしれませんね。

YouTuberが「これからレビューするけど、俺が今から言うことは当てにならないぜ」と喋るのもなかなかシュールですが。
いや単に上にリンクした消費者庁のアフィに関する注意書きのようなものを、一定時間、テロップなりで画面に出してくれれば良いのですが。

余談

自分はその手の先行レビューを多少は見てます。
その立場で言えば、結構ぶっちゃける(体を見せる)YouTuberさんは多いです。流石に、あまりに良いことばかり言って褒めちぎってもそれはそれで嘘っぽくなりますし。
とは言え、そこは契約がある話なので、これについては触れないで欲しいとかいう条項がないとは言えないです。また「俺は忖度しないでズバッと言う」みたいなYouTuberさんも居ますが、そこはこちらも話半分で聞いています。そうは言っても言えないことはあるだろうし、忖度していないつもりでも無意識、潜在意識で控えてしまう心理はありそうです。

そもそも、所詮は素人の「個人の感想」です。色々買っている方は多いので、そういう意味での経験は豊富でしょうが、それだけです。その分野のエキスパートだというなら話は別ですが、普通、そんな人がブロガーやYouTuberを専業にはできませんから、レビュー主体のブロガーやYouTuberは単にその手の製品をよく買う一般人と思ってます。

話を戻すと、そんなに多くのYouTuberさんを見てきたわけではないですが、先行レビューしているチャンネル登録者も多いYouTuberさんは、その辺流石にバレバレなレビューはしてない感じはします。チャンネル購読者に見透かされるようじゃYouTuberとしてはやっていけないでしょうし。

もちろん、全部曝け出してなんかいないでしょうし、こちらもまゆに唾をつけて聞きます。まあ、後付けっぽいかなってこともありますが、大体、いいんだけどここは気になる程度のことを言うくらいの芸はあちらもしてますから。そこはまあある程度参考にします。
あ、いい話は流します。具体的な事実(スペック等)はもちろん参考にしますけど。その上で、複数のブログや動画を比べた上で判断します。
皆が同じようにニッチなところをやたら褒めてきたらおかしいな、とかw

ヘッドフォンとかイヤホンとかDAPのレビューであれこれ言葉で説明されても分からないし、結局は個人の感想なので実際に聞いてみないと分からないです。

あれこれ書きましたが、末端の消費者が賢くなるしかありません。
レビューについても不正や何かは対策してもらうに越したことはないのですが、そういうものがない「キレイなレビュー」しかない前提でいると、「キタナいレビュー」に対応できません。端から玉石混交だと思ってればそんなものです。
個人的には「俺の良いレビューが埋もれる」という不満はわかりますが、キレイなレビューばかりの桃源郷も現実味がないし、それはそれで怖いかな、と。死なない程度に痛い目に遭って経験を積まないと身にならないかな、と感じています。

本当はレビューも一方方向ではなく、それはおかしいじゃないかという議論ができれば良いのですが、議論にならないことが多いですからね。
雑多な人が色んな意見を交わして良いものにしていくというのがネットの良いところだったはずが、結局は一部の声の大きい人に流される社会の延長にしかならなかったのは、結局、ネットも実社会も同じという事か。

拙い記事でございますが、サポートしてもよいよという方はよろしくお願いします。著者のやる気アップにつながります。