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「反共」の意味

統一教会と自民党がべったりであることが次々と明らかにされている今日このごろですが、ネトウヨの皆様は統一教会がCIAの工作であることを前から知っていたようですね。

「日本に共産主義の脅威が迫っていた」から「反共」である統一教会をCIAが利用した。だから統一教会は自民党と仲が良いと。
そうやってネトウヨの皆様は統一教会を正当化なさるわけですが、CIAの支援をうけているということで統一教会は「宗教の皮をかぶった外国の工作組織」であることは明らかなわけで、そのような団体が、ソ連が崩壊した今もなお自民党に工作をかけているのは内政干渉&外患誘致でしょう。

冷戦時代ならいざしらず、現代の日本に共産主義の脅威があると主張しているのはなぜなのか。それは、勝共連合=統一教会のサイトに詳しく書かれています。

行き過ぎた個人主義が日本を滅ぼそうとしています。若い人たちの間で、結婚や家庭に関心を持たない人が急激に増えているのです。この状況を変えられなければ、日本は少子高齢化によって滅ぶ世界で初めての国になるだろうと指摘されています。
「行き過ぎた個人主義」が広がっているのは、決して民主主義が成熟したためではありません。ある特定の思想によるものです。それは伝統的な家庭を敵視し、個人だけを絶対視する思想です。
 実はこの思想は、共産主義から派生して生まれました。私たちはこれを文化共産主義と呼んでいます。具体的にはフェミニズムやジェンダーフリー、過激な性教育などとして現れます。この思想の源流が、怨みと復讐の思想である共産主義にあったのです。

https://www.ifvoc.org/threat/c-communism/

なんとまあ、統一教会はフェミニズムやジェンダーフリー、性教育といったものを共産主義だとしているわけです。

みなさんは中国や北朝鮮やソ連のような共産主義国についてどのようなイメージを持っているでしょうか。普通の人は「みんな同じ服を着ている」とか「全体主義」とか「独裁主義」とかいったものをイメージしているのではないでしょうか。

ところが、統一教会が書いた怪文書の中で統一教会は「個人主義」が「共産主義から派生して生まれた」としていますよね。

「個人主義」から中国や北朝鮮やソ連などをイメージするひとはほぼゼロだと思います。

中国、ソ連、北朝鮮、いずれをみてもジェンダーフリーとかフェミニズムとか言ったものが浸透しているとはとても言えないでしょう。逆に、「個人主義」が流行っている国とは欧米の先進国ばかりではないでしょうか。

そう、統一教会は「反共」といいつつも、実際には真逆であり、思想的には中国やソ連や北朝鮮に極めて近いのです。

統一教会は「選択的夫婦別姓」や「同性婚」を「文化共産主義だ」といって攻撃してきましたが、「選択的夫婦別姓」は資本主義の殆どの国で導入されています。「同性婚」についても、社会主義国であるキューバを除けば全て資本主義国で導入されていることです。むしろ、中国はいまだに同性愛描写のある映画を上映禁止にしています。同性婚は資本主義国の制度だと言ってよいでしょう。

「選択的夫婦別姓」や「同性婚」を共産主義の政策だといって攻撃するのは統一教会に近い人物である八木秀次やナザレンコなどでよくみられます。

彼らのいずれにも共通している理屈は

①ソ連は家庭を崩壊させようとした
②家庭を崩壊させようとするのは共産主義
③選択的夫婦別姓/同性婚は家庭を崩壊させる共産主義の陰謀

という三段論法なわけですが、はっきり言って詭弁もいいところでしょう

ソ連が家庭を崩壊させようとしたという事実が仮にあったとして、家庭を崩壊させるのは共産主義だというのは無茶苦茶な理屈です。

たとえば、信者に献金を強要して信者の家庭を貧困に追い込んで崩壊させている宗教は共産主義なんですかね。

低賃金で社員を長時間働かせて家庭を崩壊させている会社は共産主義なんですかね。

そもそもの論理的思考として、仮に命題「共産主義は家庭を崩壊させる」が真だとしても、その逆「家庭を崩壊させるのは共産主義」が真であるとは限らないですよね。これに騙されるのは相当頭がユルイ人だと思います。高いツボをかわされないか心配しといてください。

そして、仮に「家庭を崩壊させようとする共産主義の陰謀」なるものが実在したとしても、「選択的夫婦別姓」や「同性婚」を望む人がみんな「家庭を崩壊させようとする共産主義者」なわけがないですよね。
それらの制度を切実に望んでいる人がいる状態で「選択的夫婦別姓/同性婚は家庭を崩壊させようとする共産主義の陰謀だ」と主張することの馬鹿らしさが本当にわからないのでしょうか。切実に望んでいる当事者からしたら「は???だからなに???」としかならないのは明らかでしょう。

実際には「選択的夫婦別姓/同性婚が嫌いだから、それらの制度は共産主義の陰謀なんだという設定にしたい」という願望ではないでしょうか。

共産主義と全然関係ないものでも、むりやり「共産主義の陰謀だ」ということにしてしまえば難しい議論など必要がない。現実逃避ができる。その願望こそが「反共」のほんとうの意味です。

つまり「自分が嫌いなものを共産主義だということにしてしまいたい」という感情なわけです。まさに「理屈じゃない」のですよね。願望が先にあるので、「その理屈はおかしい、成り立っていない」といくらいったところで無意味なのです。

実際には反共どころか共産主義の思想に近い統一教会が右翼にここまで食い込んでいる背景、そこには偽りの「反共」という歪んだイデオロギーがあるわけです。

杉田水脈もやはり、このような偽りの「反共」を使って

子供を家庭から引き離し、保育所などの施設で洗脳教育をする。旧ソ連が共産主義体制の中で取り組み、失敗したモデルを21世紀の日本で実践しようとしているわけです。

https://www.sankei.com/article/20160704-AUPXN5DNANMZDLOZE3GYWHX5IU/5/

などとし、保育政策を批判していますが、家庭の収入が激減して子育てができないという切実な願いを共産主義だと言って批判することは、よりひどい少子化を招くだけであり国益にすらなっていないでしょう。

右翼の皆さまが自分の気に入らないことを「共産主義だ」と主張して逃げても何もいいことがないどころか日本社会にとって大きなマイナスになることは明らかです。このような偽りの反共は断固拒否すべきです。


追記(2022/10/04)


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