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初詣を考えているあなたへ

私も以前は神社が大好きで、美しい風景や和の心を感じられてとても良いなあとか思ってて、とくに信仰とかないしなんなら神様の名前すらろくに知らないまま毎年初詣にいったりしてたわけです。

ところがあるひ、同性婚の話題を検索してたらなんか「神道政治連盟」とかいう組織が検索にひっかかって、その神道政治連盟とかいう組織がジェンダーフリーは共産主義だとかなんだとか訳の分からない主張をして同性婚に反対しているのを見ちゃったんですね。

神社庁(庁とか名乗ってますけど国の機関ではないようです)によると神道政治連盟京都府本部は

「神道精神を国政の基礎に」を合言葉にして結成された神社界を母体とした団体

http://www.kyoto-jinjacho.or.jp/info.html

だそうで。政治と宗教は分離すべきとかいう民主主義国家の原則はどこいったんでしょうか。神道を信じていない人は国民ではないとでもいいたいのでしょうか。神道じゃなくて「神道精神」ならオッケーってか?ならわたしも「そらとぶスパゲッティ・モンスターの神の精神を国家の基礎に」とか主張してもオッケーですかね。馬鹿げているとしか言いようがないですね。

また、2015年には東京都神社関係者大会とかいうものでこのような宣言が採択されています。

神社界では積年の課題である、現憲法の制定時に失われた日本国としての普遍的な意志と、建国以来守り受け継いで来た伝統精神を憲法に取り戻し「誇りある日本をめざして」との信念のもと、憲法改正の運動に取り組むこととなった。

http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/kenpou/

各地の神社では改憲署名運動が展開されています。

改憲自体は通常の民主主義国家に認められた正当なものなわけですが、問題は改憲の中身です。
「憲法のこの部分が具体的にこのようにだめであるので、こう書き直そう」というのならまだわかりますが、神道が求めているのはそのような部分的な改良ではなく、憲法の全面的な書き直しであり、「失われた日本国としての普遍的な意志と、建国以来守り受け継いで来た伝統精神を憲法に取り戻」すことが重要なようです。

これは流石にぶっ飛んでいるとしか言いようがないでしょう。

憲法というのはあらゆる法律の基礎、ベースになっているものです。これを全面的に書き直すというのはすなわち、山のように連なった既存の法律をすべて無効化して一から制定し直すという馬鹿げた作業が必要になります。国家予算がいくらあっても足りません。というか、国家予算をどのように決めるかとといった仕組みまで一から作り直す必要が出てきます。改憲で文字通り国が潰れます。

そして、そのような馬鹿げた作業をする理由が「失われた日本国としての普遍的な意志と、建国以来守り受け継いで来た伝統精神を憲法に取り戻」すってなんですかね。抽象過ぎます。たとえば、どぎつい男尊女卑だったり、一族が長のもとに団結して長が絶対的な権力を行使する家父長制だとかも、日本の「伝統精神」なわけですが、それらを「憲法に取り戻」すのが彼らのいう改憲なわけですよ。ちょっと現代となっては信じられないくらいの時代錯誤です。

なんとなく「神道と統一教会の意見ってそっくりだよなあ」とか思ってたら、案の定これです。

青津和代というのは統一教会の関係者であることが知られている人物です。

神社にガッツリと統一教会が入ってきてんじゃん。

このあたりでもう、私の中の「神道」というイメージが最悪になったわけですが、今年に入ってさらにこんな事がありました。

キリスト教の宗教者が書いたでたらめな反LGBTの文章を神道の機関紙に乗せているというのだけでも笑いものですけど(笑えない)、それをまさに神道が「政治」に対して圧力として利用しているわけです。宗教と政治は分離すべきであるという民主主義の原則はどこに行ったんですかね(2回目)

『冊子の論考の内容は神政連の見解ではない』とかいういいわけも馬鹿げています。考えを紹介しただけなどと言いますが、一方では「神道は同性婚を禁止していない」といったようなLGBTに親和的な意見は神道政治連盟の機関紙には決して載せません。それは神道政治連盟自身の意志であるのは明白です。

なぜ神道の名前を使って堂々と、神道と全然関係のない主張をやっているのでしょうか。そして全国の名だたる神社がそれを許しているのは一体どういうことなのか。「神道の精神」を「基礎」とした国家に、はたしてLGBTの居場所はあるんですか?神道以外の宗教の人たちの居場所は?神道が、神道以外の考えを弾圧するためのツールになってないですか?

私は「二度と神社には関わりたくないし初詣なんてごめんだ」と強く思いました。

これを読んでもまだ「なんの問題もないのでは?」と思う人はご自由にすれば良いと思います。それは止めません。しかし、そうではない人も多いと思います。

「みんな行ってるし」とかでなんとなく初詣に行く人も多いと思いますが、神社とはそもそもれっきとした「宗教施設」であり、まじで「日本は神の国なんだ」とか「神道の精神を国家の基礎に」とかいう、あやしげな新興宗教となんらかわらない人たちが運営しているというのは忘れてはならないと思います。そこには「美しい風景」とか「和の心」とかでは決して美化されない、どす黒いものが渦巻いている。


追記(2023/12/26)

おかしいのは神道の一部だけだとかいたがる人がいるようなので、神道政治連盟京都本部(京都だけですよ)の役員リストを転載しておきますね。
一般の神道ってなんですか?これらの神社はみんな一般の神社ではないとでも言うのですか?
これらのリスト以外にも紀元祭(建国祭)をやっている神社ならたくさんあるわけですが、それら全てが国家神道であり一般の神社ではないと言い張るつもりでしょうか。

神道政治連盟がやっているようなLGBT差別に反対している神社があるなら、具体的に教えていただきたいです。

http://shinseiren-kyoto.jp/%e7%a5%9e%e9%81%93%e6%94%bf%e6%b2%bb%e9%80%a3%e7%9b%9f%e3%81%a8%e3%81%af/

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