見出し画像

西のゴールデンルート構想

ゴールデンルートって聞いたことありますか?
漠然と聞かれても色々な場面で使われてそうな言葉、と思われるかもしれませんね。

私がここでいう『ゴールデンルート』というのは、訪日外国人による日本国内の王道となっている観光ルートのことです。

具体的な例で言うと、東京から富士山エリア→中部エリア(岐阜や金沢など)→近畿エリア(奈良・京都・大阪など)を思い浮かべるとわかりやすいと思います。
ネットなどの発展によってこれらのゴールデンルートが広く拡散されることが多く、海外からのインバウンド旅行客にとってよく知られていない日本という国を効率よく旅するには、これらゴールデンルートを中心に巡るのが最も効率が良かったという事情があります。

事実、多くのインバウンド客の移動状況を観光庁のデータで見てみると、ほとんどが東京から大阪までの地域に集中していることが分かります。
もう少しエリアを広げてみても、なんとか広島がランクインしてくるくらいです。

そこでインバウンドの来訪者数を増やしたいということで福岡市の高島市長が提唱して立ち上げたのが「西のゴールデンルートアライアンス(連携)」です。

これは福岡市長、広島県知事、岡山県知事、北九州市長、武雄市長、別府市長、宮崎市長、鹿児島市長、神戸市長、下関市長、武雄市長、熊本市長、長崎市長、別府市長等が賛同し、現在では40の首長が参加表明しているんだそうです。

この「西のゴールデンルート」に関連して読売新聞の記事を以下に引用します。(読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20231108-OYTNT50090/2/より引用)

取り込みを図るのは、主に欧米からの観光客だ。
国土交通省などによると、コロナ禍前の19年に九州を訪れた外国人は約422万人。韓国(約171万人)や中国(約133万人)などのアジア勢が約96%を占め、米国や豪州はそれぞれ約5万、約2万人と少ない。日本政策投資銀行などの調査でも、アジアで38%に上った九州の認知度は欧米豪では6%にとどまった。一方で、平均滞在日数はアジアの7日に対し、欧米や豪州は10・8日で消費額も多いのが特徴だ。

読売新聞オンライン

なぜこのような西のゴールデンルート構想が持ち上がったかというと、それは2025年に開催予定の大阪・関西万博です。
これにより予想されている訪日外国人旅行客の数は350万人。これが海外旅行者を呼び込むための一大イベントとなりうることから福岡市の高島市長は西のゴールデンルート構想を立ち上げたのです。

西のゴールデンルートでは、これまでの訪日インバウンド観光客に加えて、欧米・オーストラリアからのインバウンド客には僅かしか知名度のなかった西日本・九州地域への誘客に取り組むとしているのです。

これまで(東の)ゴールデンルートを巡ってきたインバウンド旅行者もなかなか西日本や九州へ足を伸ばすことが少なく、この万博を機会にインバウンド旅行者を西のゴールデンルートへ誘引するという構想は西日本、特に九州地方にとっては大きな意義があるものと思われます。

九州は火山が多く、大分や熊本・佐賀・鹿児島を中心に有名な温泉地に事欠かきません。思いつくだけでも、別府温泉、由布院温泉、黒川温泉、嬉野温泉、雲仙温泉、鉄輪温泉、武雄温泉、杖立温泉、小浜温泉、霧島温泉、指宿温泉、鹿児島温泉、桜島マグマ温泉、屋久島温泉など。

お茶も全国的には静岡県が有名ですが、鹿児島の知覧茶・宮崎の宮崎茶・福岡の八女茶・佐賀の嬉野茶・熊本の肥後茶などが生産高でベスト10にランクインされているほどです。

その他九州各地の観光スポットとして、門司港レトロ地区、小倉城、関門海峡、ハウステンボス、別府温泉地獄めぐり、キャナルシティ博多、大濠公園、櫛田神社、太宰府天満宮、宗像大社、糸島二見ヶ浦、出島、グラバー園、稲佐山、長崎バイオパーク、軍艦島、高千穂峡、鵜戸神宮、日南海岸、宮崎シーガイアリゾート、金鱗湖、熊本城、阿蘇山、九十九島パールシーリゾート、霧島神宮、祐徳稲荷神社、桜島、鹿児島市平川動物公園、城山公園、仙厳園、いおワールドかごしま水族館、屋久島などなど数えきれないほどの観光地がたくさんあります。

このような観光地が数多くあるのに、九州各地の自治体を含め広報PRが不足しているせいか、特に海外からの訪日旅行者の認知度が著しく低いことが問題として挙げられます。

九州地区については、上の読売新聞の記事にある通り、欧米・オーストラリアで九州を知っている人の割合はたったの6%です。一番来訪者が多いアジア諸国でも、九州の認知度は38%に過ぎません。

複数回以上日本に旅をしているインバウンド旅行者はゴールデンルートを何度も経験している事もあり、新しい体験を求め、今までに行ったことのない地方部に足を伸ばし始めてきているという現状もあります。

これらの人たちを、知名度の低い九州をはじめとした西日本に呼び込もうとするなら、九州の魅力を発信し続けること、いい所や(東の)ゴールデンルートでは体験できない事を数多く知ってもらうことが必要。

私の場合、両親共に九州南部出身であり、私自身は4半世紀にわたり九州北部でお世話になっていますから、特に九州に対する思い入れが深い人間です。

そのため、九州を中心とした西のゴールデンルートの計画に非常に興味を持っています。そして、このタイミングで私が株式会社地球の歩き方のパートナーとなり、日本国内の観光地(特に九州地方)を海外の方々に紹介する役割を果たせることに、運命的なものを感じています。

九州地区で観光施設や飲食店などを経営している方や、何かしらの特産品を販売されている方は、株式会社地球の歩き方の知名度を生かして、海外在住で日本に行ってみたいと思っている人たちへあなたのお店や会社をアピールしてみませんか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?