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米サブスク市場に異変

この10年であらゆる業種の企業がサブスクリプション(定額課金)型の販売に乗り出し、歯ブラシから企業向けのソフトウエアにいたるまで様々な商品やサービスの定期購入を進めてきた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で数百万人が失業したり、多くの人が自宅にとどまらざるを得なくなったりした結果、業者の間では明暗が別れる。

自宅にいながらでも楽しめるような気晴らしが求められた結果、テレビ配信サービスは特に好調で、多くの企業は現段階での契約数を明らかにしていないが、一部の企業によると、配信サービス「HBOナウ」の3月14日以降の視聴時間は同サービスの4週間平均より、40%増えた。

サブスクリプション型の販売を行う企業に請求などのサービスを提供するリカーリーによると、3月16日の週にテレビ・動画配信サービスの有料視聴契約件数は前週の32%増えている。

また、多くの学校も閉鎖されているため、オンライン教育サービスも盛況で、リカーリーによると、有料サービスの契約件数は24.1%増えている。

リカーリーのダン・バークハート最高経営責任者(CEO)は、

「人々は仕事、学校、食糧などの必需品の購入、人付き合い、運動、運動、娯楽に関して今のやり方に適応するしかない」

また、

「事態が進むにつれて多くの消費者、家族、小規模企業が金銭的に苦しくなることも忘れるべきではない」

と話す。

しかし、大人のおもちゃの定期宅配サービスを行う創業3年のハート+ハニーの3月前半の業績は大きく伸びたが、米国経済に新型コロナウイルスの影響が出始め、3月16日には1日としては最多のキャンセルに見舞われた。

創業者のネバタ・ウルフ氏によると、その後、販売促進用のサンプル配布により多少の新規顧客を獲得したが、3月時点の契約総数は前月比12%減となった。

「これまでになく好調だったから、余計につらい」とウルフ氏は話している。

また、宗教関連の商品を毎月配達するゴッズ・グローリー・ボックスのジェイク・テトローCEOは、

「多くの人にとって、まだ家計は最悪の状態ではないが、失業者が増えればすぐ、多くの定期配達サービスのような必要不可欠とはいえないサービスは削減の検討対照になるのは当然のことだ」

と話す。

そこで、契約をつなぎ止める事が今後の鍵となる。

サブスクリプション型の事業を行う企業に対して顧客維持などを支援するサービスを提供するブライトバックの共同創業者でCEOのガイ・マリオン氏は、

「企業が今できる賢明な対策の一つはキャンセルに代わる選択肢を提供する事だろう」

と話す。

閉鎖中の娯楽施設などの一部の企業は契約の繋ぎ止めに動いており、劇場を運営するサブスクリプションサービスを全会員対象に停止したり、米プロバスケット協会(NBA)も今月の22日までテレビ中継サービスの「リーグパス」を無料にした。

今後も現状に合わせた柔軟な動きが必要となる。




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