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想うは、あなたひとり

もうじき私の大好きな花が咲く時期だなあと思っていたら、なんとも残念なニュースが飛び込んできた。


新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、曼殊沙華を開花前に刈り込むこととしたため、花の鑑賞はできませんのでご了承ください


oh……


彼岸花の名所・巾着田では、昨年に引き続き今年も花の刈り込みが決定したという。

昨年は春の時点で刈り込みが決まっていたけれど、今年は8月半ばを過ぎてもなんの告知も出ていなかった。ということは、今年の刈り込みはつい最近決まったことなのだろう。

大好きな花の盛りを楽しめないのも残念だけれど(いや、行くかどうかは正直迷っていたけれども)、現地でずっと花たちのお世話をなさってきた方々の胸中を思うと、私なんぞが残念だなどとほざくのもおこがましい気持ちになる。大切に大切に丹精なさってきたお花を、咲く直前に自らの手で刈り取らなければならないなんて…………(落涙)

つくづくコロナの野郎が憎い。


そういうことで、今年もあの美事な景色を楽しむことはできなくなったしまった。いや、何しろこんな情勢だしワクチンもまだ未接種なので、仮に刈り取りがなかったとしても、行こうかどうかずっと迷っていたのだけれど。でもインスタとか公式HPから、Webでお花見ならイケるよなー、なんてずっと楽しみにしていたので、なんとも哀しい。


というわけで(?)、哀しみに打ちひしがれてヤケ酒まっしぐら!な己を慰めるべく、一昨年初めて訪れた巾着田の彼岸花畑を振り返ってみようと思います。完全なる自己満企画ですが、よろしければお付き合いくださいまし。


※以下の写真は全て、2019年秋に撮影したものです


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2019年10月初旬に、初めてこの「曼殊沙華まつり」を訪れたのだけれど、とにかく入口から圧倒された。


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全方位どこを向いても、ひたすら朱、朱、朱。

さすがは500万本が一堂に会する彼岸花の名所である。

入場してしばらくは、シャッターを切るのも忘れて呆けたように立ち尽くすばかりだった。


ちなみに私はコロナのクソ野郎がやって来る前から、観光地に出かける時は人混みを避けてゆくのが常だったので(人混みはライヴ会場以外全力回避したい勢)、この日もド平日の水曜日、朝4時に起床→装備を車に積み込んで出発し、駐車場が開く午前7時に現地入りしている。恋心が発動すると根性を見せる女。


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その甲斐あってひとけもあまりなく、のんびりと散策することができた。朝露を宝石のように纏った彼岸花が、大層うつくしかったことを覚えている。


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到着した頃は曇り空だったのだけれど、うろうろ(&ハアハア)している間に晴れ間が広がり、木立ちの中で咲く花たちにスポットライトを当ててくれた。

暗がりでも陽射しの中でもうつくしい。最強だな?


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白い彼岸花を見たのは、生まれて初めての体験だった。写真がへっぽこなので伝わりにくいでしょうが、一面の紅の中にぽつんと一輪だけ白い花が咲くさまといったら、もう……ねえ……?(何)


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縁起の悪い花だ、なんて説もある彼岸花だけれど、私は幼い頃からこの花がとにかく大好き。ぞくりとするような色香があるのに、どこか端整で凛とした空気を纏っていて、簡単に手折れそうに華奢でありながら、一筋縄ではいかないような力強さを秘めていて……

そういえば、私はそういう女性にもとことん弱い。


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墓地でよく見かける花だからなのか、「哀しい思い出」なんて花言葉がついているらしいけれど


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「想うはあなたひとり」なんてすてきな花言葉も持っているんですよね。私としてはこちらを推したい。


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来年こそは、どうかこのうつくしい秋の麗人たちが、つつがなく艶を競えますように……と願うばかりだ。


今年はご近所の彼岸花を探しに行ってみようかな。

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