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カレー塩で食べるチキンカツ

先日伊豆で(魚)肉欲に溺れる旅をしてきた際、色々とおいしいものをたくさんいただいたのだけれど、その中のひとつに「カレー塩」があった。

これはお世話になった宿の晩ごはんで、湯葉の天ぷらに添えられて出されたのだけれど、天ぷらをカレー風味で食べるという物珍しさも手伝って……え、別に珍しくないんですか?私は思い出せる限り初体験だったんだよ!(半ギレ)まあそういうわけで、大層印象に残ったんである。

旅路を共にした恋人もいたく気に入っていた。天ぷらがなくなった皿を仲居さんが引き上げてくだすった際、二人そろって「あ、この塩は要るんで!」と着物の袖に取りすがって死守したほどである。その後塩を舐めながら酒を呑んだのは言うまでもない。

この塩って売ってるのかな、それとも独自ブレンドなのかな、カレー粉と塩を混ぜたら家でもできるかな?生野菜につけても絶対おいしいよね……等と二人で話しているうちに、この塩をなんとか再現できないもんかという欲がムラムラと沸いてきた。


そんなわけでこの週末、カレー塩の魔力に魅入られた私は、大帝国ロピアまで早馬を飛ばした。それっぽい塩とそれっぽいカレー粉を仕入れてきて、それっぽいカレー塩を再現し、酒の肴にしてやろうという魂胆である。

恋人と共に妖怪塩ナメリーニョと化しつつ色々話し合った結果、「①さらさら系の塩」と「②カレー粉」、「③あとなんかもうひと味」というゆるふわなイメージは浮かんでいたので、それっぽいものを探してうろついていたところ、

精肉売り場で、100g29円という、もはや狂気の沙汰としか思えない国産鶏むね肉に遭遇した。(ただし1kg以上のメガパック限定)



よろしい、ならばチキンカツだ。



というわけで今夜の晩ごはん、チキンカツ。チキンカツについては、暮れにお弁当のおかずに作った時と同じ手順を踏んだ。

鶏むね肉を大きめの一口サイズにカットして、料理酒・マヨネーズ・おろしにんにく(チューブのもの)・ほりにしをよく揉み込んでからしばらく漬け込み、衣をつけてジュワーするだけ。ただ前回の手順に追加して、今回はパン粉をつける前にコーンスターチを肉に揉み込んでみた。


そして肝心カナメのカレー塩はというと……わざわざ書くのもちょっとお恥ずかしいのだけれど、記録として一応残しておこう。


①サラサラ系塩に


②カレー粉を入れて(過去の惨劇を繰り返さぬよう、きちんとスプーンを使いました。こう見えても闘いの中で成長できる女です)


③あとなんかもうひと味……ということで、村いちばんの働き者・味の素を追加。これを味見しながら適当にまぜまぜしておく。


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揚がったチキンカツに、千切りキャベツとプチトマト、カレー塩を添えてできあがり。


誰がなんと言おうとこのキャベツは千切りです。


我が社の規格ではこれが千切りなのです。



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揚げ物にはやはり炭酸ですわな。


さっそくカレー塩をチキンカツにパラリしていただいてみると……おおっ!我ながらなかなかそれっぽく仕上がってるではないの!サラサラした塩のしょっぱさに、ほんのり香るカレー風味、そして味の素の旨みがかなりいい感じにマッチしている。チキンカツも、前回より衣がサクサクだ!おじ上殿がむね肉に使っておられるのを見て真似っこしてみたのだけれど、とってもおいしい!やはりコーンスターチは魔法の白い粉だな。


サクサクと軽やかな衣に、しっとりやわらかで淡白なむね肉。このさっぱりした味わいに、スパイシーさと塩っけがかなり相性いいです!とんかつソースで食べるのももちろん大好きなのだけれど、こちらはより軽快なおいしさが楽しめる感じだ。ソースと塩と両方並べて味変したら、なんかいくらでもイケそうな気がするな。いくらでもイケちゃうと積載量的にアレなので、今回は自重いたしましたが……。

そして、思った通りキャベツとの相性は抜群だった。とんかつソースの時よりも、キャベツの甘みがより引き立てられていてめちゃくちゃおいしい!これ、ドレッシング代わりに使ってみるのもいいかも。あまりのおいしさにメインのチキンカツよりもキャベツが進んでしまい、途中で追いキャベツをしてしまったほどだ。千切りはめんどうくさいので剥がした葉っぱにそのままぶっかけて食べました。おいしかったー。ごちそうさまでした。


ゆるふわな思い付きでやってみたけれど、カレー塩、すっかり気に入ってしまった。今後は台所に常備しておこうと思う。何もない時の酒の肴にもなるしな。

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