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「私の美容師さん」が学生の卒業研究に関わることになった話。

昨日はヘアカットに行った。「行きつけの美容院のいつもお世話になってる美容師さん」は、もう「私の推し」みたいに、「私の美容師さん」でいいんじゃないか、と思うので、タイトルはそうさせてもらった。

カットがほぼほぼ終わり、カラーリングへ、という終盤になり、「昨日さ」と話してくる私の美容師さん。

うん、昨日。

ウチのスタッフの後輩でWEBデザイン専攻とやらの学生がいて、スタッフから卒業研究に協力してやってほしいって言われたんよ。

うんうん。

課題は、「実際の事業者のオーナーに依頼して、ホームページを作らせてもらい、成果物てして提出しろ」というやつで。いやな予感しかしないし俺忙しいから断ったんやけど。

うん。

スタッフが、「後輩のためにお願いします」って言うから、「費やす時間の上限は3時間まで」って条件付きで、まあ、引き受けたんよ。

うん、でも3時間て。

せやねん無理やねん、それで諦めてくれるかな、と思ったら昨日「ヒアリングシート」が届いてさ。

おぉ、へこたれなかったんや。

へこたれなかったというか…その「ヒアリングシート」の1行目に「好きな色はなんですか」とか書いてあるわけよ。

あちゃー、やばいね。

やろ?
で2行目には「課題はなんですか」と書いてあるから、こりゃアカンわと思ってんけど、一応聞いてみたんよ。

「これって学校から配布されたもの?」
「違います」
「自分で考えたの?」
「いえ、ネットで」

大変だ。

こんな感じで話をして、結末を聞いて、あぁ、だから私はこの人にもう20年超えでカットを全面的にお願いし続けてるんだなぁと納得してしたので、書いてみます。

泣かしてしまうかもしれん。

このヒアリングシートのやりとりをして、私の美容師さんは、このやりかたでは3時間なんてすぐだし、なんならダメ出しし過ぎて泣かしてしまうかもしれないから、やっぱり引き受けない方がいいと思う、と話したそう。

その理由として、自分の美容師という仕事を例に、「前髪を切りたい」というお客さんに対して、自分は、そのお客さんは「前髪が切りたい」わけではなくて、「前髪を切ってこうなりたい」という希望があるので、まずはそれを聞く。例えば、顔を小さく見せたいとか、顔を明るい感じにしたいとか。それを聞いて、「ならこういう方法もあるよ」と、前髪は切らずにパーマを提案することもある。

美容師としてスタイルを提案してカットすることもそうやけど、デザインは目的をかなえるための手段でしかないと僕は思うから、あなたのその感じだと、僕とは無理やと思う、と。

それでも食い下がってきたらしく。

それで諦めてくれるかな、と思ったら、たぶん、その言葉のどこかが、学生さんの心に引っかかったんだろう。やっぱりお願いしたい、と。

えらいことになりそうね笑

せやねん。
で、俺から提案したんよ。

ほぉ、提案?

ウチのホームページを作るのはやめて、あなたの先輩、つまりウチのスタッフのスタイリストとしてのホームページを作ってやってほしい。だからヒアリングする相手はあなたの先輩で、僕はあなたの上司役としてアドバイスをする。

いやーそれって笑笑

そやねん、よけいに時間かかる関わり方になってもてん笑

なんでも卒業研究は、実際のホームページも作るし、その内容について担当教授にプレゼンもするらしく、「だったらその教授がアッと驚くような内容にしようぜ」と盛り上げてしまったらしい。

やるならちゃんとやる。ちゃんとできないならやらない。関わると決めたら手は抜けないねん俺。

私の美容師さん、サイコー笑

過去2回だけ別の美容師さんに切ってもらったことがあった。

思い返してみると、彼にお世話になってから、2回だけ別の人に切ってもらったことがあった。

1回はコロナ禍にマドリードに行った時。帰国すると隔離されてしまうので、それなら、と現地の美容院に行ってみた。「空気中に浮遊する水の動きを感じ、それをダンスとして表現しながらカットする」という独特すぎる人で、それはそれで面白かったけど、私のことより私のまとう空気中の水の流れに熱心な人だった(タイトル写真は、そのマドリードのお店の入り口)。

もう1回は実家に帰っている時、休暇明けにすぐ出張があり、「今切らないとしばらく行けないな」と、実家周辺で良さそうなとこを探して行った。「初めまして」の人に自分の「なりたい姿」を話すのは難しい。どうしても、「前髪はこのぐらい、全体的にはこんな感じ」と、切る長さなど、ヒアリングシートでいうところの「好きな色はなんですか」的な話しかできなかった。

私の美容師さんとは、だいたい「最近の気分」から始まって、だんだん髪型の話になる感じ。何センチ、という話はしたことがない。

長い付き合いだからというのもあるけれど、彼は「初めての人」にも、きっとそうしてるんだろうなあと思う。

卒業研究の完成はいつだろう。

次に行った時は、ぜひ完成系を見せてもらおうと思う。私の美容師さんが「担当」するのだ。きっと、素敵なデザイナーの「卵」が、生まれてる予感がする。とっても楽しみだ。

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