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いろんな考え方がある、ということを認識することから始まる朝。

うちの会社は8:45始業で、15分間の朝会をしてから仕事に取り掛かることにしている。

司会は持ち回りで、ミッションビジョンバリューをみんなで読み合わせしてから、スケジュールとその日の仕事(主に納品と商談の状況シェア)を確認する、ごく簡単なものだ(ちなみに長くならないように立ったままやってます)。

そして、そのあと、最近入社した社員が「考えたこと、感じたこと」を話すコーナーができた。とってもいいな、と感じているので、書いてみます。

始まったきっかけ。

このコーナーが始まる前は、持ち回りの司会役がニュースや商談状況で感じたことなど、仕事に関するトピックを話して終わり、というものだった。

もちろん、仕事に直結する有益な情報で、これはこれでよかったと思う。

彼女が入社して2ヶ月ぐらいが経った頃、このコーナーを毎日担当してみてはどうですか? とお願いしてみた。仕事に関わらないことでも、気になったニュースでも、なんなら芸能ネタでもいいから、何か引っかかったものがあれば話してみて!と。

最初は、「何を話したらいいかわからない」とか、「こんな話したら変に思われるかも」とか、「こんなこと話していいのかな」と悩んだらしい。でも毎日やってると慣れてくるのか、テレビや街で見かけた気になることなど、話題はどんどん広がっていった。

半年後、私たちも話すように。

半年ぐらいが経って、自分のトピックを話した後、みんなに何かお題を投げかけて話をしてもらってはどうかな、とお願いしてみた。

仕事の現場で、お客さんやブレーンさんに、何かしら情報を提供し、それについての意見を頂いたり、議論を深めたり広げたりしながらゴールを一緒に目指していく、という場面は多いので、ちょうどいいトレーニングになるかも、と思ったからだ。

以来、彼女が何かトピックを話したあと、私たちはお題目を与えられ、短い時間で話をする、という流れになっている。

例えば、こんな感じ。

「先日入ったレストランで、隣に座っていたお客さんが急に具合が悪くなり、倒れてきたんです。救急車を呼んだりソファ席に寝かせたり、その時お店にいたお客さんや店員さん、みんなで助けました」

「テキパキと動いて声を上げるお客さんが1人いたことでスムーズに救出できたんですが、自分は大したことはできませんでした。こういう時、率先して動けるようにならなくては、と思いました。特に、真っ先に動いてくれるような人がいると自分は他人に委ねてしまう傾向があり、ここが自分の課題だと感じています」

「そこでみなさんにお聞きしたいんですが、みなさんが課題に感じていることはなんですか?」

課題かー、なんだろう??
普段考えてないことを即興で考えて話すのは難しいけど、なかなか楽しい。

話題によってはサッと話すことが決まることもあるけれど、考えたこともないお題が出されることもあるし、何より1分程度で話し切らないとなので順番がくるまで頭をめぐらすことになる。

最初に話す方が楽っちゃ楽だけど、二番手、三番手と進むうちに、いろんな人の話、考え方、価値観が掛け合わさって、聞きながら、話したいことがどんどん変化していく感じも好き。いつも、自分の順番が来た瞬間の気持ち優先、ほぼ即興で話している感じだ。

そうして、全員が話し終わる頃には、「よく知っている」と思っていた人の意外な考えに触れて驚いたり感心したり、新しい価値観に触れて視野が広がった感覚を得られたりする。これが何よりいい。そんな感じで朝がスタートする。とても気に入っている。

たぶん私たちは、日々、別人になってる。

この「朝のコーナー」をお願いしたのが去年の2月頃。だから、もうすぐ1年になる。毎日やってるから、週5日としてだいたい200日ぐらいか。

200個の話題に対して、200個ずつ、話をしたり聞いたりしていることになる。

年齢を重ねていくと、自分自身の揺るがないものができる良さもありながら、自ら自分を変えるのは難しくなる。でも、こうしてみんなの話を聞き、自分の中にある、自分でも自覚してない考えを手繰り寄せ、それを外に出してみることで、私は、私たち全員は変化を続けてきていて、1年前とは全然ちがうのものに、もうなっているんじゃないかと思う。

※タイトル写真は私のお昼寝用まくらにしている、まるもちすぺしゃるの伊豆くん。





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