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早稲田実業からの大学受験【文系】

私は、早稲田実業(早実)高等部から大学受験をして東京外国語大学に進学しました。

早実生の大半は早稲田大学に進学します。毎年、早稲田大学にはない医学部を目指すなど、理系からの他大受験者は数人います。しかし、私のように文系で大学受験をする人は非常にまれです。私の代の文系他大進学者は1人だけでした。

本記事では、私が早実から大学受験をして大変だったこと、よかったことをまとめました。

早実に通っている生徒の皆さんや早実を受験しようと考えている方、大学付属校や非進学校から大学受験を目指している方の参考になれば幸いです。



早実から大学受験をして大変だったこと


早実から大学受験をして大変だったことを4つご紹介します。

1. 受験で使わない科目の授業が多い


早実の高3文系のカリキュラムの特徴として、
・社会科目が多い
・数学Ⅲの授業が必修である
の2点が挙げられます。

・社会科目が多い

私が高3のとき授業のあった社会科目は、日本史・世界史・地理・政治経済の4つです。受験で使わない社会科目(私の場合は世界史と政治経済)であっても、高校の単位取得のために定期試験できちんと得点をとらなければなりません。そう考えると、社会科目の多さは受験生の負担になります。

・数学Ⅲの授業が必修である

文系受験生で数学Ⅲの授業を受けている人は非常にめずらしいと思います。受験で使うこともないですし、内容も高度なので負担も大きいです。


2. 受験で使う科目の授業がない


早実文系では、高3で数学ⅠAⅡBや理科基礎の授業を受けることができませんでした。これらの科目を受験で使うには、自習に頼るほかありません。


3. 受験直前12月中旬まで学校行事がある


私が高3のときは文化祭舞台発表と修学旅行代替行事が12月中旬に行われました。周りの生徒は卒業試験も終わり少しほっとしている中、私は共通テストまであと1ヶ月となり不安でいっぱいでした。

文化祭はもっと携わりたかったなと後悔しています。せめて例年のように10月に開催されていれば気持ちが楽だったと思います。

修学旅行代替行事では、八景島シーパラダイスを訪れました。とても楽しかったですし、高校生活の思い出になったのですが、勉強しなければという不安も強かったです。

行事と受験勉強で気持ちを切り替えられる人は大丈夫ですが、私は切り替えが下手だったので、かなりつらい状況でした。この時期が1番しんどかったかもしれません。


4. 周りが受験モードでない


大多数の早実生は受験をしないので、
・卒業試験終了後は勉強する雰囲気がない
・受験関連の情報が少ない
という大変さがあります。

・卒業試験終了後は勉強する雰囲気がない

早実では、11月末に高3にとって最後の試験となる卒業試験が行われます。その卒業試験が終わると、早実生は実質的に勉強から解放された状態となります。

中には資格試験の勉強を始めるなど意欲的な生徒もいますが、教室内で勉強する人や授業を熱心に受ける人が著しく減ってしまいます。その状況下で受験勉強をするには強い意志と精神力が必要です。

・受験関連の情報が少ない

早実では大学受験に特化した進路指導は行われないため、受験関連の情報は自分で積極的に集めなければいけません。共通テストの出願や入試の出願に必要な調査書の発行などは早めに先生に問い合わせることをおすすめします。


早実から大学受験をしてよかったこと


早実から大学受験をしてよかったことを2つご紹介します。

1. 応援してくれる先生や友達がいる


私は大学受験をすると決めたとき、周りの先生に否定的に受け止められるのではないかと心配していました。しかしその心配は不要でした。実際、私の周りの早実の先生方は、とてもあたたかく見守ってくださいました

私は共通テストで思うような得点がとれず落胆してしまったのですが、そんなときに前を向くきっかけを与えてくださったのも早実の先生です。

周りの生徒も受験するとなると、お互いにライバルとなってピリピリすることもあるかもしれません。一方、早実では周りはライバルではありません。

早実生は自分自身が受験するわけではないので、純粋に応援してくれます。「がんばってね!」と率直に応援してくれる友達もいれば「体調に気をつけてね!」と気遣ってくれる友達もいました。


2. 大学に入ってから役立つスキルを身につけられる


私は早実で受験生生活を送ったことで、
・レポート作成&プレゼンテーションのスキル
・時間管理能力

の2つのスキルを身につけることができました。

・レポート作成&プレゼンテーションのスキル

早実では受験ではなく高大接続を意識した授業が行われます。そのため、レポートを書く宿題やプレゼンテーションをする機会が多かったです。

レポート作成では、文献を探す、文章にまとめる、体裁が正しいか確認するなどと作業が多く、それを宿題として行うとなると受験勉強の時間が削られます。

プレゼンテーションの準備も、スライド作成、発表原稿の作成、口頭発表の練習、質問者との打ち合わせなどとかなりの時間を要します。当時の私は身を削る思いでレポート作成やプレゼンの準備を行っていました。

しかし、レポート作成やプレゼンテーションスキルは大学生活で大いに役立ちます。レポートの書き方やプレゼンテーションの仕方は、大学で一から教えてもらうことはありませんでした。

進学校出身の大学の同級生たちが「ちゃんとしたレポートを書いたことがない」「脚注ってどうやってつけるの?」と言っている中、私は「レポートなら高3でも書いてたから慣れてる!」と自信を持つことができました。

・時間管理能力

「受験勉強」と「レポート作成やプレゼン準備」の両立は時間管理能力の向上にもつながったと思います。

たとえば、私の場合、レポートを書くために朝3時に起きていました。「3時から5時まで」と時間を決めて集中してレポート作成にあたり、5時からは受験勉強にあてるなど、時間的制約を設けることで効率よく課題をこなすことができました。

時間管理能力は大学生活においても重要です。空きコマの時間で課題を終わらせるというように上手に時間を使うことができています。


最後に


早実から大学受験をするにあたって大変だったことはもちろん多かったですが、先生方や友達の優しさに支えられて受験を乗り切ることができたのも確かです。応援してくださった方々には感謝しかありません。

早実からでも大学受験をするという選択肢があること、早実から受験することのメリットも大きいことを多くの方に知っていただけるとうれしいです。

【追記】(2023年9月9日)
私の下の学年は私の代よりも外部受験している人が多くて驚きました。私の記事を読んで外部受験を検討してくれる後輩がいればうれしいなと思います。

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