パスポート持たずに海外へ「海上自衛官は密出国?」
自衛官が艦船
に乗って海外へ行く場合
「パスポートを持っていかない」
これはウソのような本当の話です。
自慢じゃありませんが・・・※
小生
赤とか青の・・・
旅券を持ったことがありません。
「外国へ行った!は全部ホラ話か!」
と断定するのも早計ですよ!
海上自衛官が公務で海外へ赴任する場合
公用旅券(緑色のパスポート)
艦艇に乗組んで海外へ出かける場合
IDカード
普通のパスポートは不用です。
密出国ではありません。
艦艇が出国する場合は乗員名簿を
税関等官署へ提出します。
帰国の場合も
検疫錨地へ停泊して税関等の検査を受けます。
以前は免税品ひとつずつに
税関の方がスタンプを押してくれましたが・・・
いつのまにか携帯品申告書へスタンプを
押すだけになりました。
IDカードだけで海外へ行くのは不安!
そういう若年隊員をときたま見かけます。
世間に周知されていないので
Yahoo知恵袋へ
公用旅行の方法は
「知られているようで知られていない」
ということです。
この質問をYahoo知恵袋に投稿した隊員に
悪気はないでしょう。
ただし彼の周りにいた先輩や班長・分隊長等の
説明が不足していたのです。
海外派遣は場合によっては秘匿される行動です。
「匿名なら大丈夫?」
と誰かに知恵を借りる前に・・・
自衛隊の側にも投稿者本人も
反省すべき点があります。
正式に派遣の命令が下る
以前から・・・
お金や人事の絡む配置の人間は
計画の段階で業務調整を始めます。
「○○頃▽□方面へ自衛官★★が派遣される予定」
情報が発表される段階から準備を始めたら
当然準備不足です。
地震や津波被害対処など
突発事象による派遣のため
準備するまでに時間がほとんどなかった
場合は大変です。
スマトラ沖地震津波の国際緊急援助隊
は発災直後の派遣命令から出国まで1週間
ジャストでした。
準備が本当に
不眠不休だったと同僚に聞きました。
自衛隊もお役所的な公的機関であり
乗員の給与や福利厚生・食料や予備品の調達など
普通に準備すると相当の時間を要します。
担当者としては・・・
言える範囲の情報だけを選択し・・・
カウンターパートと折衝しますが・・・
小生が初めて海外へ出国した頃と比べれば
相手先の対応は
「驚くほどスマート」
になっていました。
海上自衛隊にとって海外派遣は日常
になっていたのです。
事情により海外赴任出来ない一部の隊員以外・・・
派遣に参加可能な隊員は
ほとんど海外勤務を経験した・・・
というのが現在の海自だと思います。
広報室の発表でも
年間2千人を超える海上自衛官が
海外へ赴任・派遣されています。
4万3千人社員がいる会社で
海外出張や赴任する職員が毎年2千人以上いる
と想像してください。
その2千人の任期はだいたい半年程度・・・
2年で全社員の一割です。
そんな状態を10年続けたら・・・
海外が特別な場所ではなくなります
対処も柔軟になる・・・
それが現在の海上自衛隊です。
海外への物資輸送や人員選抜
準備方法などのマニュアルが整備され
もしもの時に・・・
どこかで大災害が起きても・・・
国際緊急援助隊を派出に対応できる
もしもの時に機動的に対応できるスキルが
整った機関は・・・
平成の時代 様々な紆余曲折を経て
整備されたのです。
海賊もおらず
地震や津波
風水害などの天変地異もない・・・
理想的には望ましい事ですが・・・
そうはならない。
自衛隊の海外派遣を反対する方々が
おられるのも事実です。
「自衛隊には海外を侵略する能力はありません」
国民が望んでいない事を
勝手に企図する集団ではないのです。
日本を守る事を目的とする集団です
海外へ派遣されるのは災害や海賊対処など
日本国民が世界中の人々と助け合って
安全や安心を確保する場合です。
海賊対処活動が長期化し
人員の派出が継続する昨今の情勢下では・・・
派出される隊員も当然多数です
時折・・・家族の御不幸や
本人の不調によって・・・
途中帰国する隊員もいます。
その時だけ在外公館で臨時のパスポートが発給されます。
大きな大使館には防衛駐在官や
連絡官がいます。
そういう時は十分なサポートが受けられる点が
メリットとしてあげられます。
艦艇の海外派遣にはマスコミなどの
便乗者が乗艦する場合もあります。
その場合は当然パスポートを持参されます。
あくまでも公務で出張する公務員がIDカードで
出国しているのです。
親善訓練や初任幹部自衛官の遠洋航海などを除けば
国際緊急援助隊や
海賊対処行動は
「無い方が望ましい」
派遣です。
ただし・・・その活動により
自衛官自身が鍛えられ・・・
突発事象に対処できるスキルが高まった
その点は評価に値するのではないでしょうか。
自衛官の派遣は当然本人の問題です。
ただし家族や友人知人など・・・
心配される方のご負担もしっかりと
受け止める必要があります。
家族との連絡手段や慰問品の移送など
長年にわたる派遣の継続によって
家族へご心配をかけないための
ご支援や相談の窓口は充実しています。
もう知恵袋に相談する必要はありません。
どの機関や集団と遜色がないほど
家族支援体制が充実している
それが現在の海上自衛隊です。
ゴールデンウイーク期間を過ぎて
間もなく母の日ですが・・・
正月やGW・お盆・・・
子供の運動会も行けないけれど・・・
いまこの瞬間も
海外派遣に従事する自衛官の皆さんに感謝します。
安全に帰国される事を心からお祈りいたします。
※小生の「母の日」はいつもビールセットです
定番というより・・・習い性・・・
もらう方が一番喜ぶので・・・ついつい
ビール大手5社の・・・
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