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⑮その日の夜
私は家を出て行った。
私が出て行くなんて不思議ですよね。
まあ、2人が出て行く当てはなかっただろうし、私ももちろんなかったのだが…
もう辛くて家を出て行きたかったのだ。
モンペリエの街へはまだトラムが走っていたので、それに乗って街へ向かった気がする。
やっぱりあまり覚えてない。
でもどうしようもなくて、普段はそんなことやったことないのにトラムの駅の壁を思い切り蹴ったのは覚えている。(踵から)
「ふざけんな!」
「何のためにフランスに来たんだ!」
「俺は男として負けた!」
「もう彼女を幸せにすることは出来ない!」
そんな気持ちを込めてだった。
モンペリエは治安はそれほど悪くなかったが、夜の異国の街はそれなりに恐かった。
ホテルを予約したかったが、日本みたいにいつでも予約出来ますという感じではなく、ホテルの予約は取れなかった。
どこへ行こうかと思った時に、たこ焼き屋さんで働いているSさんを思い出した。
彼はなんと、そのたこ焼き屋さんの上に住んでいたのだった。
彼に電話したが出ない。
もう何時だったか忘れたけど出ない…。
困った。
それでもたこ焼き屋さんの前まで行き、窓に石をぶつけたか、大声で呼んだか、電話し続けたかやはり覚えてないが、Sさんは奇跡的に気が付いてくれた。
そして今晩泊めてほしい旨を伝え、彼はそれを受け入れてくれた。
理由は言えなかった…。
しかし彼はそれを無理に聞こうともせず、私を泊めてくれたのだった。
「人には言えないこともありますよね」というようなことを言ってくれた気がする。
次の日、私は彼にお礼を言ってホテルを予約してそこに移動した。
移動した日か次の日かは忘れたが確か海に行った記憶が蘇ってきた。
モンペリエからトラムに乗って海まで行った。
海に一番近いトラムの駅で降りてそこからすぐに海ではなく普段はバスに乗って海水浴場まで行くのだがその時は駅から歩いて砂浜まで行き砂浜をひたすら歩いた記憶がある。
何を考えていたかも分からないが裸足になってひたすら歩いたと思う。
ホテルで何をやっていたかも覚えていない。
ただ夜は無性に寂しかったことを覚えている。
そして子供たちに会いたかった。
Kさんからか元妻からだったか、毎日連絡がLINEで来ていた。
私は普通に返信していた気がするが、家には戻れなかった…。
しかしホテルに2泊くらいして、やっぱり子供たちに会いたい気持ちが強くなって、家に戻っていった。
元妻もKさんも変な話だが温かく迎えてくれた。
その時の彼らの安心した表情は今でもなぜか覚えている…。
最後までお読みいただきありがとうございました!
「この人壮絶だな」と思った方は「スキ」「コメント」「フォロー」などお願いいたします。
壮絶がいがあります!笑
※このあたりの記事は重めなので心が軽くなるのが難しいかもしれませんが、私は今生きていますし、幸せですから大丈夫ですからね!笑
※記事の写真変えましたが、ちょうど私が家出した直後の頃に撮った、家の近くの朝の空の写真です。朝焼けで綺麗なんですが、なんか炎上してるっぽいので使いました!笑
でも当時の気持ちはこんな感じだったと思います…。
今後も頑張って投稿してまいります!
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