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道行き 後編 7~

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#八雲

【道行き8−1】

【道行き8−1】

「ちょっと走ろうか」

「いいけど、どこに?」

「星を見に行こう」

 そう言って八雲は車を走らせた。茉由は黙って助手席に乗っている。車は北に向かって走っていた。郊外の住宅地を抜け、県立図書館の横を通り、尚も八雲は北に向かって走り続ける。

「どこまで行くの?」

「南川ダム」

 問いかける茉由に、八雲は目的地だけ言う。その「南川ダム」には一時間もかからずに到着した。八雲は資料館の駐車場に車を

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【道行き8−2】

【道行き8−2】

【第八章『八雲』-2】

 東京から帰った八雲は、茉由と待ち合わせて南川ダムに行った。そこで八雲は自身の過去を振り返っていた。

 八雲と小百合、二人は似たような空気を纏っていたのだろう。一緒に暮らすまで多くの時間は必要なかった。やがて二人は入籍し、昭夫を出産して小百合は母に、八雲は父になった。

 家族ができて、孤独から抜け出したように見えた二人だった。事実二人は昭夫を中心に幸福な日々を過ごして

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【道行き8−3】

【道行き8−3】

【第八章『八雲』-3】

 南川ダムで八雲と茉由は話をしていた。自分の気持ちを八雲に伝えた茉由だったが、八雲のイスラエル行きの決心は変わらない。

「さぁ、もう帰ろう」

 助手席に茉由を乗せ、八雲は南川ダムを後にした。

 自宅まで茉由を送る。駐車場に車を停め八雲が外に出ると、店から女性が現れ、ゆっくり八雲の方に近づいてきた。

「送ってくれたのね、ありがとう」

 そう言って女性は助手席のドア

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