マヌルネコと子パンダ。
「何だ、また来たのか」
「うんっ」
獣舎の向こうとあちら側。
マヌルネコは、めんどくさそうに子パンダを見た。
「だって、ぼく、マヌルネコさんの事、好きだもん」
「たべちゃうぞ」
「そんなことないもーん」
黒い丸い目が、ぴかぴか光る。
かわってんな、コイツ。
会う度に同じ事を思ってしまう。
それでも、ウザいとか思わなかった。
「で、今日は何が聞きたいんだ?」
ポーンと岩場から降り、遠巻きにウロウロする。
「マヌルさんのふるさと?のお話とか」
「わかった」
マヌルネコは話を始め出