【#毎週ショートショートnote参加作品】穴の中の君に贈る
雪ちゃんの家では
12月になると、サンタさんへプレゼントの
リクエスト手紙を書きます。
まだ字が、書けない雪ちゃん、ママに書いてもらいます。
「ウサギのバック」と書いてもらった雪ちゃんが
「あのねママ
今日、保育園で、冬眠する動物の絵本読んでもらった。カエルさんもヘビさんも冬は、穴の中で、ずーっと眠ってるんだって
カエルさんやヘビさんは、穴の中にいるから
クリスマスプレゼントもらえないの?」
ママが
「雪ちゃんがサンタさんだったら、どうする?」と聞きました。
雪ちゃんは、少し考えてから言いました。
「プレゼント無かったら悲しい。小さくなって穴に届けてあげる。」
「そうね
小さくなったら届けられるね。」
穴の中の君に贈るプレゼントです。
ママは
自分のプレゼントの事だけじゃなくて
穴の中のカエルさんや
ヘビさんの事を気にかけている雪ちゃんの優しさに嬉しくなりました。
「プレゼントも小さくなるかしら?」
と言いかけた自分の口を、急いで両手で押さえました。
この記事が参加している募集
アレルギーっ子が主人公の絵本を出版し、それを全国の園児や低学年のお友達に読み聞かせをしたいという夢があります。頂いたサポートは、それに使わせて頂きたいと思います。よろしくお願いします。