愛と伝統の旅路：私のインド結婚式体験

はじめに

こんにちは。株式会社GA technologiesのAdvanced Innovation Strategy Center（AISC）の宋です。今回の記事は、AISCのサフさんがインドに1ヶ月帰国し、伝統的なインドの結婚式を挙げた体験談です。

サフさんの体験を通じて、私たちもインドの伝統的な結婚式の魅力を垣間見ることができると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

サフさん：

インドの結婚式は単なるイベントではなく、愛、伝統、そして家族の壮大な祝祭です。私の結婚式も例外ではありませんでした。一か月以上にわたるこの結婚式は、古くからの風習、深く根付いた価値観、そして現代的な要素が一つに融合したものでした。海外で暮らし、働いている私にとって、この体験は単なる個人的なマイルストーンではなく、文化との再接続でもありました。この記事では、結婚式のさまざまな部分と、貴重な瞬間を捉えた写真を紹介していきます。

序章：結婚式前の準備 
一か月にわたる祝祭は、大量の準備から始まりました。完璧なウエディングドレス選びから全国各地にいる親戚との調整まで、どれも細かい計画が必要でした。新郎の役割は、一般的には花嫁より軽く見られがちですが、実際には同じくらい多くのことに関わる必要があります。

最初の大きな儀式「ロカ」を今でもはっきりと覚えています。これは基本的に婚約式であり、結婚が正式に発表される儀式です。私の両親は伝統的な服を身にまとい、花嫁の家を訪れ、お互いに贈り物やお菓子を交換しました。本来は私も参加すべきでしたが、休日が少なく、私はオンラインで参加しました。この儀式は、これから始まる儀式の数々の幕開けを告げ、私たちを根源に繋げてくれました。

ハルディとメヘンディ：喜びの色 
時間が経つにつれて、次第に興奮が高まっていきました。ハルディの儀式は、笑いと愛に満ちたイベントでした。親戚たちは順番に私にターメリックペーストを塗り、この伝統的な儀式は新郎を祝福し、悪霊を追い払うとされています。家に響く歌と笑いの中で、私は家族の温かさと文化的伝統の力強さを感じました。

その後、メヘンディの儀式が行われ、私の手には複雑なヘナのデザインが施されました。新婦に比べて、新郎のデザインはシンプルですが、私は妻のイニシャルなど、個人的に意味のあるデザインを選びました。この儀式は楽しく、また芸術的な表現の場でもあり、結婚の文化的側面により深く繋がることができました。

サンギート：踊りで祝う 
サンギートは、音楽とダンスに捧げられた夜でした。家族が振り付けたダンスを披露し、会場は期待と興奮に包まれました。このイベントは、結婚式が家族に与える絆と喜びをまさに体現した瞬間でした。

指輪の儀式：個人的な約束 
結婚式の前日、私たちは親しい友人と家族だけで、指輪の儀式を行いました。指輪を交換した瞬間、お互いに対する本当の約束がここから始まるんだと感じました。笑いと愛、そして親しい人たちからの心温まる祝福に満ちた夜でした。それは静かな中でお互いに深い絆を誓う、美しい個人的な瞬間でした。

バラートとジャイマラ：ビッグデイ 
結婚式当日は、感情が高まり、様々な儀式が目まぐるしく行われました。新郎の行列であるバラートは壮大なもので、私は飾り付けられた馬に乗り、太鼓のリズムに合わせて踊る家族や友人たちと一緒に会場へ向かいました。皆の熱意が伝わり、会場が近づくにつれて「これから新しい人生が始まるんだ」と実感しました。

会場に到着すると、ジャイマラの儀式が行われました。これは新郎と花嫁がお互いに花輪を交換する儀式で、互いを生涯のパートナーとして受け入れることを象徴しています。家族や友人に囲まれた装飾された天蓋の下で、すべての儀式が私たちの共同生活の布を織り成す糸のように感じられました。

誓い：永遠に向かう七つのステップ 
結婚式の中心はサプタパディ（七つの誓い）です。私たちは聖なる火を囲んで七ステップを歩んで、それぞれのステップで互いに誓いを交わしました。これらの誓いは、ただの言葉ではなく、これからの結婚生活を共に歩むための約束です。喜びの時も悲しみの時も、互いに支え合うことを誓ったこの厳かな瞬間には、深い意味と精神性が込められていました。

最後の儀式：ビダイ 
結婚式の最も感動的な部分はビダイでした。これは花嫁が家族に別れを告げ、夫と共に新しい人生を始める儀式です。伝統的には花嫁中心の儀式ですが、新郎としても同様に心に響く瞬間でした。それは息子から夫へと役割が変わる、責任と喜びに満ちた新たなスタートを象徴していました。

結婚後の伝統：グリハプラヴェーシュとレセプション 
結婚式の後、花嫁はグリハプラヴェーシュの儀式で新しい家に迎え入れられました。その後、友人や家族、同僚たちが集まり、結婚を祝う盛大なレセプションが行われました。レセプションは伝統と現代が融合したもので、スピーチや乾杯、そしてダンスが多く繰り広げられました。

親戚訪問：物語、喜び、そして寛大さのタペストリー 
結婚後の祝祭で最も心温まる場面の一つは、互いの親戚を訪問することでした。これらの訪問は単なる形式的なものではなく、親しい人々と再び繋がり、物語を共有し、新しい思い出を作るためのものでした。訪問の際には、まず温かい歓迎を受け、その後は伝統的な家庭料理と共に、みんなで楽しくおしゃべりをしながら食事を進めます。過去の思い出を語り合い、未来へのアドバイスや祝福が飛び交う中、笑い声が絶えず、和やかな雰囲気が広がっていきました。また、贈り物を交換する時間でもあり、この美しい伝統は愛と幸運の象徴です。シンプルなものから豪華なものまで、それぞれの贈り物には深い意味が込められており、結婚式が絆を強める手助けをしていることを思い出させてくれました。

振り返り：続く旅路 
この壮大な結婚式の旅路から日本に戻ってきた今、私は単なる結婚式の思い出だけでなく、私自身を形作る価値観や伝統をも持ち帰りました。この体験を通して、私たちの文化がどれだけ豊かであるか、そして家族や儀式が現代の生活の中でいかに私たちの心を支え、根を張らせてくれるのかを改めて感じました。

私の長い休暇について、同僚や友人たちは興味を持っていたと思いますが、これを通して、インドの結婚式の美しくも賑やかな一面を少しでも感じてもらえたら嬉しいです。結婚式は単なる儀式ではなく、人生、愛、そして私たちを支える絆を祝うものです。今回の結婚式は、二人が結ばれるだけでなく、二つの家族、異なる価値観、そして数えきれない思い出がひとつに繋がる旅だったのです。