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1泊2日箱根ひとり旅

そうだ、箱根に行こう。

学生の夏休みには早く、あじさいの見頃はそろそろ終わろうかという7月初旬の日曜日。朝8時26分。
箱根湯本駅のホームに降り立った。

改札を出てバスターミナル方面に歩道橋を降りると、すぐそこに渓谷と山並みがあらわれる。

箱根湯本の玄関口とも言うべき景色

旅情を掻き立てられる景観を横目に、まずはバスで箱根園の動物園「ふれあい どうぶつランド だっこして!ZOO!」へ向かう。

大人の一人旅で(しかも箱根)いきなり動物園も無いもんだと思うが、動物とたくさんふれあえるというから一度行ってみたかった。

わかっちゃいたが、ほぼ親子連れのなかいい大人がひとりで乗り込む高難易度ミッション発生。一人ディズニーより厳しいのではなかろうか。
しかし放し飼いの動物もいたのでうまく紛れられたと思う。

すごいツーショットだ

雨が振り始めたタイミングでもあったので、室内動物園のこちらは都合が良かった。
実際にふれあえた動物は犬、猫、ブタ、うさぎ、羊、亀、モルモット、ミーアキャット、ふくろう、インコ、ポニー、アルマジロ。
結構ふれあったな。

2時間ほど滞在して動物園を後にし、早雲山行きのバスに乗り込む。
本当はロープウェイに乗りたかったのだが、強風で運休となっていたためケーブルカーで下山することにした。

途中の公園上駅で下車して箱根美術館へ。

箱根美術館は昭和27年に開館した箱根で最も歴史ある美術館。建物の構造からもその年季がうかがえる。
行ったときには近現代の木版画の企画展をやっていた。縄文土器など日本の陶磁器も常設展示されている。

あまりにも可愛い兎のはにわを発見。
兎を象ったものは珍しいらしい。

そして何と言っても見どころは日本の名勝に指定されている庭園「神仙郷」。

箱根美術館の庭園「神仙郷」

庭そのものが素晴らしいことは言うまでもないが、その神々しさを格上げしているのが背景にそびえる山岳の風景だ。
そういえば結構標高が高いところに居るんだったと思い出す。

山の頂に雲がかかっている。少しだけ雨に降られた。

箱根美術館からはまたケーブルカーに乗り、強羅で登山電車に乗り換えてさらに山を下る。

自然災害やコロナの影響で数年ぶりの乗車となる登山鉄道。

線路にこぼれんばかりのあじさいが美しい

日本でも有数の本格的な山岳鉄道とあって車窓からの眺めは迫力満点。
どこ走ってんのと言いたくなるような山間の線路を猛然と進んでいく。かっこいい〜〜。

興奮のせいか小腹が空いてきたので、途中の宮ノ下駅で降りて足湯カフェ「NARAYA CAFE ならやあん」で休憩することに。
もうおやつどきだというのにお昼がまだだった。

足湯カフェ「NARAYA CAFE ならやあん」
この景色と足湯でHPが確実に回復するので箱根に来るといつも寄る。

その後は箱根湯本まで戻り、「吉池旅館」にて回遊式庭園「山月園」を散策。
なんと庭の中に国登録有形文化財に指定された建築物が保存されている。
旧岩崎別邸と徳川家に代々受け継がれし茶室「真光庵」だ。
歴史にも建築にも明るくないが、めっぽう古いということはわかる。

旧岩崎彌之助邸 別邸和館
三菱財閥の岩崎邸といえば上野の旧岩崎邸庭園が有名

庭を一通り見たあとは旅館の温泉に入浴。こちらもゆっくり堪能。
ゆっくりし過ぎて旅館を出た時には20時を回ってしまっていた。あたりも暗い。

夜の箱根湯本

吉池旅館にそのまま泊まれれば良かったのだけれど、予算の関係で断念。
今回のお宿は湯本駅近くのリーズナブルなホテル。十分快適。

ユモトステーションホテル MIRAHAKONE

結局1日目はずっと雨か曇天だったけれど、涼しくて大いに助かった。おかげで7月にもかかわらず足湯も温泉も満喫できた。

2日目は一転、快晴。
気温もかなり高い。熱中症注意だ。
もともとこの日は帰るだけのつもりだったが、やはり登山電車に乗り足りない。
帰りのロマンスカーが迎えに来るまで、登山電車に乗って箱根湯本から強羅を往復することにした。

平日の朝早くだったせいか車内は空いており、最前列の席を確保できた。
しかし途中からスイッチバックで進行方向が逆になるため、強羅方面に行く時は最後尾にいたほうが登っていく感じは楽しめそう。
などということは鉄道ファンの方々からすると常識の範疇であろうが、しかし素人が何も考えずに乗っても楽しいのが箱根登山鉄道。

スイッチバックのための停車駅。
急勾配を登るために進行方向を変えながら山の斜面をじぐざくに走行する。

終点の強羅で降りて朝8時からやってるカフェ「COFFEE CAMP」で朝ごはんを食べる。

「COFFEE CAMP」のチーズドッグ。箱根で朝早くからやっている食事処は珍しいので助かる。コーヒーもたっぷりでとても美味しかった。

おしゃれ空間で優雅に朝ごはんを終えたらば、再び登山電車に乗り込む。
帰りはそのまま箱根湯本までは行かず、塔ノ沢で途中下車して深澤銭洗弁天へ。

塔ノ沢駅直結の深沢銭洗弁財天。
駅のホームに口を開けて出迎えてくれている。改札を出ずに参拝が可能。

中は意外に奥行きのある空間が広がっていた。
こじんまりとしていながらも、社殿、中宮、奥宮と神社の入り組んだ構造になっている。
小さな池もあり大変風流だが、要するに水辺なので夏は蚊に注意。
蚊とやり合いながら(3箇所刺された)手持ちの小銭を洗い、お賽銭箱に投入しておいた。
神社やお寺で願い事はしない。ただ長く残って欲しいと思う。

参拝が終わり、いよいよこの旅も終わる。
次の電車で今度こそ箱根湯本へ戻り、そのままお土産には見向きもせずロマンスカーで帰路についた。

総じて、いい旅だった。

登山電車で撮った走行中の車窓の動画を、ときどき通勤時に満員電車の中で観ている。

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