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本を寝かすとより面白くなるのかも?三浦しをんさんの本

ジャガイモのキャッチコピーで
「よく寝たいもは美味しい」というのがあったような気がしますが

本の残り数ページを残して寝かせておくとより面白くなるかしら?

実は一冊実験中なのです

この三浦しをんさんの本の装丁がとても好きでして

     

      きらきらきらなんてお美しいのでありましょう

「愛なき世界」三浦しをん 中央公論新社
写真力が足りなくてキラキラ感が写せないのです‥

        きらきらきらきらお美しいので後ろも‥

こちらの三浦しおんさんの作品を読んで
主人公の事も
登場人物の事も大好きになってしまって

 「この物語りの主人公になりたい」

   主人公になれなくっても

  「作品の中の誰かになりたい」


本を読んでいて
こんな風にその物語りの主人公になりたいと思う作品は
北村薫さんという作家さんが書かれるものにおおいのですが

今回はこちらの
三浦しおんさん


「愛なき世界」


でも、そろそろ読みましょうか
読み止めていた自分に話しかけます

「単行本」で持っているこちらの作品

もう「文庫本」になって本屋さんに並んでいるのを見かけて思います

3年寝かせている?

この物語りが好きと言いながら
ほぼ詳細を忘れてしまっているではありませんか

そもそも寝かせているのではなくて

ただ忘れているだけなのではないのですか

たまには自分の中の
もさもさした自分にピシャリと言っておきましょう

447ページ中382ページで止めておりました

もさもさした自分
とりあえず
そのまま382ページから読み進みました

するとどうでしょう?
案外に記憶が蘇ってくるようです‥

とりあえず最後まで読んでみました

そして初版年月日を見て寝かせていたのが
6年間だった事を知り

月日の流れの早さをしみじみ思います

もさもさな私


万歳?


やっぱり最初から読み直します

この先ネタバレになるかも知れません

「愛なき世界」と言いましても
決してドロンドロンの愛憎劇ではなく
本の帯にも書いてある通り「恋のライバルは草」なのです

T大学の近くの洋食屋で料理人として働きはじめた主人公
その大学に出前を届けているうちに植物の研究をする本村さんに恋をするのでが
本村さんは植物への研究愛でいっぱいで、主人公に心惹かれながらも中々恋の成就にはなりません

本村さんの研究室のメンバーが、ひとりひとりそれぞれの植物たちの研究に向ける情熱が個性的で、例えばTVドラマでならこの方なら、あの俳優さんかな?なんて考えたりするのが楽しかったりしました

そして、随所に散りばめられている心地よいユーモア

例えば、大切な研究発表の時にでも「気孔」の柄を
プリントしたTシャツを着てしまうお茶目な本村さんが
可愛いのです

私は6年前、家族が体調を崩し目標に向かって「頑張る」が出来なくなり
真っ暗なトンネルの入り口におりました


だからきっと「愛なき世界」の
主人公の自分の仕事への純粋な情熱
主人公が思いを寄せる本村さんの植物の研究へのひたむきさ
そういうシンプルな「好きな事に向かって情熱をもって動けている世界」の
中にずーっといたかったのかも知れません


ようやく最初から最後まで読み終わる事が出来ました

三浦しおんさん

万歳!

ふと、その物語りの中にいたいのならば
ともかく繰り返し読んでみれば良かったのでは?と思いました
でもきっと「一旦おしまい」になって置いて行かれるような気分になるのが
嫌だったのかなぁ

結局6年寝かした本はより美味しく?なったのか

きっとより面白くなったのだと私は思います

最後に主人公が本村さんに
「愛のない世界を生きる植物の研究にすべてを捧げると決めているから
 だれともつきあうことできないし、しない」と振られてしまっても
 本村さんをちゃんと理解している場面がいいなぁと思いました

植物という銀河の渦に巻き込まれたひとなんだ
だってほら本村さんの目。青い光に照らされた葉っぱの細胞そのものだ。
宇宙みたいに漆黒で、だけどよく見るとその奥に、輝く光が宿っている。
分裂し増殖するエネルギー恋でも愛でもないものにつき動かされ、
死ぬまでの永遠を駆け抜ける

「愛なき世界」三浦しをん


付箋で一杯になりました。本を読むのは本当に楽しいです😊

最後まで読んでくださりありがとうございました。
こうして好きなこと出来ている今に感謝です。😊





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