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縁起

量子物理学と仏教の経典に共通点が多いことは良く知られていますが、キーワードは「粒」と「波」だと思います。

波や煙のような実体の無いものにひとが意識を向けたり見つめたりするとそれは初めて形を持ち、粒となる。
意識が現実を変えた?量子二重スリット実験と意識の関係を調べた研究 (youtube.com)

お釈迦様に言わせれば、「この世界は波が粒になり、粒がくっついたり離れたりして、また波になる」だそうな。
モノやコトが生まれたり変化していくのは、このイメージで考えると興味深いですね。

先ほど大学へ提出するレポート文献を借りに図書館へ行きました。
書庫から探していただいている間に、この本の「粒」にくっつきました。

茂木健一郎『美の仕事』株式会社目の眼、2015年。

30ページ以上立ち読みしていたら、骨董品の動きで面白い記述がありました。名品は、社会が混乱の流動期にマーケットに表れて、安定期には収まるところに収まって世に出てこないそうです。
蒐集家は名品を一時お預かりし、後世へ残していくことで何千年も前の状態を保ちます。それぞれの作品との出逢いも、縁によるところが大きいでしょう。そこには、きっと蒐集家たちの意識や視線が、作品の「粒」との縁を繋ぐのでしょうね。もしかしたら、作品の方が持ち主を選んでいるかもしれない。

もちろんこちらの本と本来の文献群を持ち帰りましたが、果たして文献はいつ読むのでしょう。レポートは、どうなる。


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