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(日記)母が選んだ傘は、さくらんぼ柄

2023年2月24日。雨。

電車を乗り継ぎ1時間ほどのところにある手技療法院へ。
母は月2回、私は月1回のペースで通い、もう3年近くになる。
今日は、母のみ受診。
先生は、普通のお医者さんとかなり違っている。
ブラックジャックかゴルゴ13か、一匹狼的。

89歳の母にとって良いのは、普通のお医者さんが言わないことをズバズバと言ってくれること。
「お母さん、100歳までいけますわ。体の反応が抜群やから」と褒めてくれることもあれば、
「めまいとか怖がったらあかん。体が緩めようとしてるんやから」
「ため息が、ええのよ。防御反応で、緊張を解こうとしてるんやから」と、安心させてくれることもある。
先生の名言のおかげで、母の生活パターンが180度変わった。
「かかりつけの先生に、『たくさんありすぎて忘れるから、どうしても飲まなあかん薬だけ教えてください、ゆうてごらん』」で、飲む薬を減らすこともでき、「薬を止めたら、体が何が起こったんやとびっくりして、元に戻そうとするから逆の反応が起こるのよ。体にはそういう力があるのよ」と、薬が全てではないことも理解した。
「脱水症状起こしてるし、汗かいて体が冷えてしまうのよ。」と、電気毛布を止めることができた。
「若杉ばあちゃんの料理したら、それが一番ええのよ」と食事のことも教わり、
「体が冷えるのは、運動が足らんのよ。コタツやらで温めるんちごうて、体の中から動いて温めんと」で、運動の大切さを理解した。
時々、ガツンと言われながらも、本人の中では納得していることもある。
「人間必ず一度は死ぬのよ。怖がってどうするの。そんな心配するくらいなら、楽しまな」と優しく言われ、うんうんと、うなずく。

母を待つ間、近所の商店街で古本を5冊買い、腕時計の電池を交換した。

ワンタッチで開く傘が、「突然、パッと開く」と言う。
危なすぎるので、帰りに百貨店で傘を買った。
色々開いて鏡で見てみた結果、一番かわいく、似合ったのは、桜色にさくらんぼの柄の傘だった。
正直、まさか、と思って、最後まで見なかったが、母は最初に一瞬手にとっていた。
直感で生きている人だ。

帰り、主人と待ち合わせて、“松のや“でご飯を食べることにした。
カキフライ卵とじ丼を注文した母は、「こういうところ初めて入った」と喜んでいた。
主人は、ロースカツ定食、私はカツ丼。
母は我が家でコーヒーを飲んで帰って行った。


昨日作った、クレープ風どら焼き



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