【アニポケ雑談】トレーナーは手持ちに似る…?
三連休の間に挟まる雑談🥪
先日、HZ39話にてドットがカヌチャンをゲットした。これで御三家ポケモンを持つ主人公格のリコ・ロイ・ドットがそれぞれ二体ずつ手持ちを持つことになった。見方によってはドットが第三主人公として存在感を持つ契機ともいえる。
個人的にリコロイのW主人公体制より、リコロイドットのT主人公体制になる方が面白くなりそうだと思っていたのでこの展開は素直に嬉しい。以前にドットの活躍を期待する旨の記事を書いたこともある。
さて、話は変わるがポケモン世界におけるトレーナーのパーソナリティはどのように表現されるだろうか。一般的なキャラクターを想定するならば容姿・服装などの外面的な要素や言動・振る舞いなどの内面的な要素によって構成されていると考えるのがセオリーだ。
もちろん、ポケモン世界においてもその原則は当てはまる。ただし、他のコンテンツにはないポケモン独自の演出方法もある。それは「どんなポケモンを連れているか」というものだ。
分かりやすい例として「ポケットモンスター サン・ムーン」に登場したグズマを参照してみよう。グズマは「サン・ムーン」の悪の組織「スカル団」のボスであり、相棒はそうこう(装甲)ポケモンのグソクムシャだ。
グソクムシャは一見厳つい印象を受けるが、それとは相反する生態を持っている。それは特性「ききかいひ」の存在。その効果は「HPが 半分に なると 危険を 回避するため 手持ちに 引っ込んで しまう」(「ポケモンずかん」より)というもの。
つまりはピンチになると敵前逃亡してしまうポケモンなのだ。ちなみに進化前のコソクムシの特性は「にげごし」であり、名前こそ違うが同じ効果となっている。名前だけ立派になって結局逃げているだけ…というのもグソクムシャのキャラクター性の一つだ。
そして、グズマのパーソナリティはこのグソクムシャのキャラクター性に引き寄せて描かれる。グズマは外見上血の気が多く「破壊」を信条にしているトレーナー。しかし、実際は勝てる勝負しかせず勝てない相手には逃げるばかり…そんな姿が「ききかいひ」をするグソクムシャと重ねられる。
トレーナーとポケモンは別のキャラクターだが、それらを一つの単位としてパーソナリティを描くという手法もポケモンコンテンツ的にはアリなのだ。この手法を最も活かしているのはバディーズという単位を産み出した「ポケモンマスターズEX」だろう…これは本筋から外れるのでまたの機会に。
ここからが本題。HZのリコロイドットは手持ちポケモンによってどのようなパーソナリティが描かれているだろうか。描写が薄いところもあるが(特にドット)、多少妄想気味に考察してみよう。
リコ
・ニャオハ
HZのメイン主人公リコの最初のポケモンであるニャオハ。くさねこポケモンという分類に違わず現実世界のネコらしい造形・生態をしている。
リコにとっての相棒枠となるが、ニャオハがリコのパーソナリティをそのまま映し出しているかと言われると微妙なところだ。
1話にてリコとニャオハが出会ってすぐの頃、リコはニャオハが何を考えているか分からないことで悩んでいた。アンに自分のことを知ってもらう必要があると諭してもらった後にリコはニャオハに自分の心情を吐露する。
しかし、ニャオハは特に頓着しない様子をみせる。「何を考えているのかわからない」ことに困っているのはリコだけで、一方通行なコミュニケーションだ。
1話から時が進んでも基本的にニャオハのスタンスは変わらない。自分のやりたいことをやりたいようにやる。リコのように相手を慮って身動きが取れなくなるようなこともないし、それで思い悩むこともない。20話のエンジンジム戦などではそれが顕在化していた。
リコとニャオハはいわば凸凹(デコボコ)コンビ。リコがナーバスになるところでニャオハが引っ張り、ニャオハが暴走するところをリコが手綱を握る。相互を補完する形でパーソナリティを演出していると言えるだろう。
・ミブリム
21話にてリコがゲットしたおだやかポケモンのミブリム。嵐に巻き込まれ心身ともに傷ついたところをリコに保護された。リコのパーカーのフードがお気に入りの場所のようだ。
ミブリムはリコがトレーナーとしての方向性を定めるきっかけになったポケモンだ。リコが自分にも得意なことがあると気づき、「ポケモンの気持ちがわかるトレーナー」になる決心をする重要な契機を作った。
ミブリムはニャオハと比較すると戦闘能力は低いが、その分ヒーラーの適性があるようだ。自ら積極的にバトルするのではなく、誰かを助けるという役回りはリコに重なる部分がある。
ニャオハがリコの苦手な部分を補完する役割だとすれば、ミブリムはリコの得意な部分を強化する役割を担っているといえる。リコらしい活躍が描かれるのは実はミブリム回の方なのかもしれない。
ロイ
・ホゲータ
第二の主人公ロイの相棒のほのおワニポケモンのホゲータ。ロイに出会う前からフリードのリザードンに憧れてブレイブアサギ号に乗船していた。歌が大好きだが人に聞かせるのは恥ずかしいらしい。
ロイとホゲータもリコとニャオハと同じく、トレーナーのパーソナリティがそのままポケモンとシンクロしているわけではなさそうだ。ホゲータはおおらかなように見えて結構繊細な一方、ロイはグイグイ迫っていくタイプだ。
ロイ自身自分とホゲータが目指すものが異なっていると認めた上で、ホゲータの夢(リザードンのように強くかっこよくなること)を叶えると宣言して冒険に出た。リコと比較するとトレーナーがポケモンを引っ張っていく関係性と言える。
ただ、リコとニャオハに比べると共に歌を歌ったり、サングラスをかけたり一緒の行動をしていることも多い。お互いに違うことを認めた先の一体感を表現しているのかもしれない。
・カイデン
14話にてロイがゲットしたうみつばめポケモンのカイデン。負けん気は強いものの飛ぶのが苦手だったところ、ロイが考えた特訓によって克服した。
カイデンについてはまだ描写が少ないこともあり、ロイのパーソナリティにどのように紐づいているかを考察するのは難しい。ただ、今のところカイデン回は「特訓」が絡むことが多いようだ。
ロイは感覚派のように見えながら実は理論的に物事を組み立てて思考することが得意だ。カイデンと共に「特訓」することでロイの理論派の一面を演出しているのかもしれない。
歌などの感覚的な要素はホゲータ、特訓などの理論的な要素はカイデンと共に伸ばしていく方針…というのがロイのパーソナリティ演出構成と言えるだろうか。
ドット
・クワッス
実は1話からドット(ぐるみん)と共に出演しているこがもポケモンのクワッス。ドットとどれくらいの付き合いになるのかは分からないが、正式にゲットされたのは16話になってからのこと。
一般にクワッスは不遇という世間の声を聴くことが多いが、アニポケにおいてはキャラクター性がかなり掘り下げられているポケモンである。綺麗好きで目立ちたがりなしっかりもの…に加えて、最近はダンスが得意で義侠心に熱い一面が描かれた。
ドットとクワッスの関係はリコとニャオハの関係に似ている。引きこもっているドットに対してクワッスは社交的に外界と接点を持っている。先の36話ではドットの指示なしでダンスバトルを仕掛けるなど、独立して動く様子が見られる。
リコとロイとは異なり、ドットとクワッスは付き合いが長いようなので未だ明かされていないドットの過去に絡むポケモンなのかもしれない。ドットに寄り添い続けていたクワッス視点の話も見てみたいところ。
・カヌチャン
直近の39話でドットが友情ゲットしたかなうちポケモンのカヌチャン。自分のお手製のハンマーを作ることに並々ならぬ職人気質な情熱を持っている一方、すぐに泣き出してしまう赤ちゃんのような一面も持つ。
カヌチャンはまだ捕まえたばかりでキャラクター性の掘り下げはこれからだが、ゲット回の39話だけでもドットと強く心を通わせる様子が描かれていた。「ぐるみん」としての動画制作に従事していることもあって、カヌチャンの職人気質に共感するところがあったのかもしれない。
個人的に気になるのはカヌチャンの感情を制御しきれない赤ちゃん的な側面の深堀りだ。普段はクールに振舞っているドットだが、スピネルに情報戦で出し抜かれた後にはいら立ちを隠せずにいた。
カヌチャンがナカヌチャンに進化する頃…もしかするとドットのメンタル面での成長も見られるのかもしれない。
さて、ここまでの考察(ほとんど妄想)を纏めるとトレーナーとポケモンの関係性は様々だ…という月並みな感想が浮かんでくる。
例に挙げたグズマ&グソクムシャのようなキャラクター性とパーソナリティが分かりやすく重ねられているものは稀なのかもしれない。実際はトレーナーとポケモンがお互いを補完したり、得意な部分を伸ばしたり、困難を共に乗り越えたりなどあり方は無限に広がっていると考えられる。
それでもポケモン世界において、ポケモンとトレーナーのキャラクター性とパーソナリティをセットで見ることにはそれなりの意味がありそうだ。そろそろ手持ちの進化も匂わされる頃合い。リコロイドットとポケモン達の更なる成長を見届けたい…To Be Continued
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