見出し画像

【アニポケ雑談】HZの味付けはドットにかかっているかもしれない話

秋なのに全然涼しくない夜の雑談。

先日、HZ27話「仲間といっしょなら」が放送されて界隈が俄かに盛り上がっていた。具体的な再生回数などの話ではなく、あくまでXにおけるこめこめくらぶの観測範囲での話だけれど。

一番キャッチーだったのは、やはり「まごころリコ」。絵力というか、訴求力の高いカットなのはそういうのに疎い自分でも感じられた。

ポケットモンスター(2023)「仲間といっしょなら」

しかし、27話のストーリーとしてはドットの掘り下げ…特にリコとの関係性の進展が本筋だった。カップリング的に言えば「リコドト」的展開。

ポケットモンスター(2023)「仲間といっしょなら」

ストーリー序盤にてスピネルとの情報戦に敗北したことでリコを危険な目に遭わせたことに対するドットの悔恨の想いが語られる。そのことで焦り、意固地になっているドットをリコとロイがカレー作りで氷解させていく…という流れ。

27話ではドットのリコに対する重めの感情とそれを放っておけないリコが「無理」をしたことが掘り下げポイントになっている。リコとドットが共に「重い」感情で思いあっているというのは分かりやすく「尊い」関係性だ。

個人的には百合っぽい関係性に特別萌えるというわけではないけれど、ドットの掘り下げが今後のHZの「」を決める要素になるのでは?と改めて思わされる話でもあった。


HZで現在示されているメインのストーリーラインは冒険者ルシアスの足跡を追うこと。具体的には六英雄と呼ばれるポケモンと出会うことを指標にして旅を続けていくことになるだろう。

ただ、このストーリーを追いかけることでどんな「」がするのかが正直はっきりとしていない。ロイはレックウザを手に入れるためにシンプルに強さを追い求めるのかな?という淡い展望は持てるものの、リコの場合はどうだろうか。

リコのトレーナー道と照らし合わせると、「六英雄と心を通わせる」のが当面の目標になると思われる…が、それを達成するためにリコは何をすべきか?を考えると中々に難しい。

これまでのアニポケではジムやコンテストなどの指標があったが、「心を通わせる」指標は存在しない。現実世界なら心理カウンセラーの資格を取得するのがそれに相当するだろうか?

過去のアニポケの事例を参照すると、例えばタケシはリコと似たようなケースにみえる。タケシは世界一のブリーダーを目指していたが、DPの終盤にてポケモンドクターになることを決心した。

ポケットモンスターダイヤモンド・パール「ポケモンドクター・タケシ!」

ポケモンドクターを目指す理由についてタケシは次のように語っている。

タケシ:サトシやヒカリ、そしていろんな仲間たちをみてきて思ったんだ。そろそろ俺も成長しなくちゃって。だから俺は今までの経験を生かしてポケモンドクターになる。

ポケットモンスターダイヤモンド・パール
「想い出はパール!友情はダイヤモンド!!」

これを深読みするとタケシは自身の目標をより具体化するためにブリーダーからドクターへと進路変更をしたのではないだろうか?

ブリーダーの進む道としては育て屋などが考えられるが、作中でそれらの道に進むためのロードマップは示されなかった。そのような状況では「成長」を実感するのも難しいということなんだろう。


閑話休題。リコもタケシと同じように成長を感じにくい状況に置かれているとしたら、今後の展開として想定される道は二つ。

①六英雄以外の具体的な指標(ポケモンカウンセラー的な資格)を設定する
②日常回でリコが無自覚的にでも成長できる機会を設ける

①は相当難易度が高い道だ。後付け感がすごいし、その指標をクリアしたからといって「心を通わせる」能力を得たかどうかは分からない。無印のポケモン検定試験でサトシがリーグに挑戦していたらと考えると…。

ポケットモンスター(1997)「ポケモンけんていしけん!?」

というわけで、②の道が一番ありえそうな展開になる。見た目で成長が分かりにくいという課題は一旦飲み込んで掘り下げの積み重ねによって成長を描いていく道。

ここで重要なのがドットの立ち位置だ。現状ドットは六英雄ともルシアスとも直接関係がない人物として描かれている。リコにとってロイは目的を同じくする相棒だが、ドットはそれとは少し位置が異なる。

リコにとってドットは憧れていた「ぐるみん」の中の人であり、自分と同じく思い悩む同世代の女の子。テラパゴスや六英雄とは関係なくもっと仲良くなりたいと思う存在。リコのCVの鈴木みのり氏もリコとドットの関係は特別だと語っている。

――第2章を迎えて、リコとロイのようにドットの成長も見えてきました。

 リコとドットは、お互いがお互いにとって特別な存在になってきているなと思います。思いを言葉にできなかったリコが、ぐるみんとしてではなくドット自身のことを「知りたい」と思って距離を縮めようと頑張っているところも、彼女の成長につながっているなと思いますし、ドットもそんなリコに感化されて、ライジングボルテッカーズの仲間との向き合い方も少しずつ変わってきて。その過程で、ドットがリコのことを大切な友達として認めてくれた時は私も嬉しかったですし、ロイとはまた違った素敵な関係性を築けているなと思います。

鈴木みのり『ポケモン』主演で重圧も声優業に自信 半年経て「濃い冒険をしている最中」
ORICON NEWS

敢えていえば、「ポケモンを介さない」リコとドットの関係性。ここにHZとしての「味」が出てくるのではないだろうか。リコはドットとの関係性を深めていく中で、自分とは異なる他者とどうやって心を通わせるのかについて学んでいく。

ドットは未だに自分のことを多く語っていない。彼女が自己を開示する過程にリコが成長する機会があるのかもしれない。

こうして、人と人のコミュニケーションを描いた先に人とポケモンとのコミュニケーションを描く。広い意味で「他者」を理解する道を示す…というのはエウレカセブン的でもある。

リコロイからリコロイドットへ。彼らが作る物語の味は甘い?辛い?それとも酸っぱい?複雑に混ざり合って深い味わいになることに期待したい…あれ🍛の話だったっけ?
To Be Continued

ポケットモンスター(2023)「仲間といっしょなら」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?