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【アニポケ雑談】科学と神話の力ってすげー!
梅雨が来る前に夏の気配を感じる雑談ι(´Д`υ)アツィー
先日放送されたアニポケHZ54話にて久しぶりに縦軸のストーリーの動きがあった。「ラクリウム-永遠(とわ)のめぐみ」の存在とギベオンの実顔とアメジオの関係性が開示されたのが特に重要な情報だ。
「ラクリウム」に関しては45話でギベオンが漏らしていたがそれがどんなものかについて掘り下げられた。54話で明らかになったのは次の三点。
テラパゴスが六英雄と共鳴して発生するピンク色の「もや」に関連するとある物質
かつてフリードが所属していたエクシード社が研究している
エクスプローラーズ(EXP)のボス:ギベオンが「我らの繁栄」の為に必要な物質だと言及している
掘り下げられたといってもまだまだ表層の情報だけで具体的なことは分からないことが多い。ラクリウムの真相がわかった時、ギベオン及びEXPの目的も明らかになるだろう。壮大なサイエンスフィクション(SF)を予感させる展開が期待される。
さて、あまりにも日常に溶け込みすぎて忘れがちだがポケモン世界は「科学の力ってすげー!」の価値観を下敷きにしたSF的世界観で構成されている。
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SFとは何か…ということを詰めだすと素人にはとても手に余るので、ここでは簡単なイメージとして「<科学>に基づいたファンタジー」を指していると捉えてほしい。所謂「<剣と魔法>のファンタジー」に対置される概念となる。
ポケモン世界ではポケモンの生態を始めとして「ふしぎ」なことが当たり前のように転がっているが、それらはその世界の「科学」に則って説明される。「ポケモン博士」と呼ばれるキャラクター達はその科学の探究者である。
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「科学」とは何か…とこれまた突き詰めがたい概念だが一般的な語義として『デジタル大辞泉』のものを参照しよう。
か‐がく〔クワ‐〕【科学】
一定の目的・方法のもとに種々の事象を研究する認識活動。また、その成果としての体系的知識。
一般に「科学」と称される認識・知識はある道筋を通って合理的な結論を導き出すことを目指している。フィクションの世界においてもその世界の中では何等かの合理的な原理があって空を飛んだり、火を吹いたり、時間を止めたりしている。
そして、ポケモンも他のSFの例に漏れずその世界の科学を表現するための様々な専門用語が生み出されてきた。特に第六世代に登場した「メガシンカ」のようなポケモンの強化システムが登場して以降は専門用語が頻出するようになる。メガストーン、Zパワー、ガラル粒子、テラスタルオーブ…恐らくラクリウムもこのリストに追記されるだろう。
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一方で専門用語の羅列だけでは世界を物語ることは出来ない。SFも一つの物語であるならば、その世界の現象に意味を持たせなくてはならない。どうしてそれが生まれたのか、その理由を物語ることが求められる。
世界を物語る上でよく参照されるのは「神話」である。こちらも『デジタル大辞泉』の語義を引用する。
しん‐わ【神話】
宇宙・人間・動植物・文化などの起源・創造などを始めとする自然・社会現象を超自然的存在(神)や英雄などと関連させて説く説話。
人はなぜ生まれ、死ぬのか。我々はどこから来てどこに行くのか。これらの理由を物語るのが神話の役割だ。直近の作品では『Pokémon LEGENDS アルセウス』に登場するウォロが神話について熱心に語っている。
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科学は現象を明らかにしてくれるが、その理由を教えてくれない。そして人々が往々にして関心があるのは理由の方だ。納得できる理由を求める気持ちが神話という形になって遺っているともいえる。
科学と神話はどちらも人間が世界を知る為のものだ。どちらが欠けても不十分…特にポケモンのようなコンテンツでは猶更。
個人的にアニポケSMの「かがやき様編(87-90話)」における「ウルトラオーラ」の描写は科学と神話の両側面が過不足なく物語に活かされた好例だと思っている。
ポケモン世界の専門用語って割と勢いで使ってくるから結局それがなんなのかって分からないことが多い
— こめこめくらぶ (@komekomeclub_g7) June 14, 2024
アニポケで唯一ちゃんと理解できたのは「ウルトラオーラ」くらい。神話と科学の合わせ技で丁寧に説明してくれたから大分納得感があった#アニポケ pic.twitter.com/qj29Ed2Q9D
「ウルトラオーラ」とはネクロズマ(かがやき様)が放っていた光のことであり、アローラ地方では「Zパワー」に通じるエネルギーとして知られている。ネクロズマが力を失うと光も同時に喪われてしまうが、ソルガレオとルナアーラ、そして人々とポケモンが「祈り」を捧げることでネクロズマは再び光を取り戻すことができる…。
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「ウルトラオーラ」が「Zパワー」に通じるというエネルギー上の性質は科学で解明できたが、それがどこからやってきたのかについては神話を頼る必要があった。両者の知見を合わせることでサトシ達は「アローラでマナーロ(分かち合い共に生きていく)」の境地に辿り着く。
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ネクロズマについてはエーテル財団によって科学的に研究され、サトシ達の活躍はいずれ神話となる。そうして新たな物語が紡がれていくのだ。
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HZシリーズも科学と神話の両面からポケモン世界の「ふしぎ」に迫っていく…という物語になる可能性は十分にある。それらがどんなメッセージを発信するのか今から心待ちにしておきたい…To Be Continued.
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