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【体験談】IgA腎症(疑い)と言われたら読んで欲しい! 発症して38年後に振り返ってみた



38年後の振り返り

16歳のときにIgA腎症を発症して38年たった。
IgA腎症には、進学、就職、仕事、結婚など、人生の節目で振り回されてきた。体のことを考えて、あきらめたことがいくつもあった。

では、どうすればよかったのか?
腎臓の状態を知り、
病気のことを学び、
腎臓の状態に合わせた生活と治療をする、

あたりまえのことが大切だった。

透析もはじまって一区切りとなり、これまでを振り返ってみた。
今、IgA腎症(疑い)といわれている方がいたら参考にしてみて欲しい。

IgA腎症に振り回された高校時代

高校2年になってすぐ、そろそろ進路を決めていく時期にIgA腎症を発症した。
当時は治療法はなく完治しない病気で、いずれ透析になると医師に言われた。

透析という言葉に両親ともどもパニックに。
数年後には腎機能が低下して透析になるかのように思い込んで、運動部をやめ、体育の授業は見学、進学も早々にあきらめた。

ところが、尿検査で血尿はあったが、1年たっても2年たっても自覚症状はなく腎機能は正常で体は元気だった。たぶん、運動部も体育の授業も問題なくできたんだと思う。

卒業直前になって考え直し進学することにしたが、受験勉強をしていなかったので、大学はあきらめ専門学校へ。
IgA腎症と透析を強く意識して、慎重すぎる判断になり消極的な高校生活になってしまった。

IgA腎症はなめたらアカン

進学後、IgA腎症のことは頭の中にあったが、何も症状がなく体もよく動くので、深夜までのアルバイトや友人たちと遊んで体にムリをするようになっていた。
慎重すぎた高校時代とは反対に「ぜんぜん大丈夫じゃん」とたかをくくっていた。

22歳のとき、とうとう過労でダウン。
高熱と赤い血尿がでて腎機能が急激に低下、IgA腎症急性増悪で緊急入院となった。
腎臓を守るためステロイドパルス療法を2回受け2ヶ月入院。退院後も約1年ステロイドを飲み続けた。
さらに悪いことに左足に痛みがでて歩行困難に。ステロイドの副作用による大腿骨頭壊死だった。

結局、腎機能は完全には元に戻らず、左足も不自由になってしまい、一生ものの代償をはらうことになった。大きな後悔をした。
IgA腎症は「なめたらアカン病気だ」と思い知らされた。

入院中に医師から1冊の本を渡された。IgA腎症や腎臓のことが書いてあり、自分で学んで病気を理解しなさいという医師からのメッセージだった。入院中も退院してからも何度も何度も読み返した。

それからは、ダメージを受けた腎臓に負担をかけないように細く長くの考えで生きてきた。
退院する前に40歳くらいで透析になるかもしれないといわれたが、52歳まで透析を延ばすことができた。

腎臓の状態を知ることの大切さ

IgA腎症の確定診断を受けたのは、IgA腎症急性増悪で入院した22歳のとき。腎生検を受けてわかった。
発症してまもなく16歳のときに腎生検を勧められたが、入院と背中に針を刺すことに抵抗があって断ってしまった。
腎臓の状態がわからないまま服薬と経過観察をしていた。

IgA腎症の確定診断は、今でも背中から針を刺して腎臓の組織をとり検査する腎生検しかない。入院が必要で苦痛をともなう。
しかし、そこから得られるものは多く、その時の腎臓の状態を知り将来どうなるかを予測できる。

腎生検については下のサイトを参考に!
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https://jinentai.com/doctor_qas/post_6.html


IgA腎症とのつきあい方

IgA腎症は今でも完治が難しく一生のつきあいになる。
IgA腎症とつきあっていくには、まずは腎生検で腎臓の状態を知ることが大切だ。そこから、どのような生活を送ればよいか、できることとできないことをはっきりさせるほうが後々絶対によい。人生の節目で適切な判断ができると思う。

もし、IgA腎症の疑いで医師から腎生検を勧められている方がいたら、勇気をだして受けてほしい。

早期診断、早期治療がベスト

IgA腎症は放っておくと透析になるこわい病気だが、早期診断、早期治療ができれば透析をさけることもできるようになってきた。

早期のIgA腎症であれば「扁桃パルス」という、成績の良い治療法がでてきている。完治は難しいが、病状が落ち着いて進行しない「寛解」を目指せる。

私もこの治療を受けたかったが、知った時には発症から25年たち、腎機能も低下していて受けられなかった。

扁桃パルスついては下のサイトを参考に!
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早期診断で腎臓の状態を知り、人生の節目や日々の生活で適切な判断と選択をできるようにして、治療の必要があれば早期治療で「寛解」を目指せればベストではないか。

私のように進行してしまった場合は、透析にならないように、透析の時期を遅らせるように、腎臓に負担をかけない生活と治療することになる。

IgA腎症(疑い)と言われたら、まずは腎臓の状態を知ること、病気や腎臓のことを学んで、腎臓の状態に合わせた生活と治療をすることが大切だ。
IgA腎症になっても病気に振り回されない人生を歩んで欲しい。


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