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トト子の魚ごはん♯2〜骨まで愛して鰤のあら炊き〜

一食入魂! ライターの海野トト子です。
寒さで手がかじかむ時期になりました。
雪冷えの手先しんしん鰤を截つ/鈴木真砂女
冬の季語にもなっている鰤(ぶり)。
魚へんに〝師〟と書きますね。

師走は丸々と太った寒ぶりが旬をむかえます。
この時期は越冬と産卵のために脂を蓄えるので、しっとりとした身質でうま味も濃厚。手が届きやすい価格もうれしいです。
今回は、スーパーのお買い得コーナーで見つけた『ぶりのあら』を炊きます。

包装ラップが破けそうなボリューム!

京都産の天然ぶり。ごろごろとした立派なあらがどっさり入って431円(税込)。重さを測ると816gありました。食べごたえ十分!

煮魚は生臭くさならないように下処理をしっかりします。まず流水で洗いますが、骨の周りについた血のかたまりは爪先でこそげたり、つまんだりしてできるだけ取り除きます。

ところどころにレバー状の塊がついています

洗い終わったらたっぷりと塩をまぶして10分くらい置くと、余分な水分や臭みが抜けていきます。

骨やヒレが手に刺さらないようにそっとなじませます

大きめの鍋に湯を沸かしてぶりを投入。
軽くグラッと沸くくらいでシンクに移し、流水でアクを洗い流します。
皮の表面をなで洗いして鱗も流しました。

アクがどんどん浮いてきます
身を崩さないように洗います

圧力鍋に酒、しょうゆ、みりんを煮立て、ぶりを入れていきます。上に長ねぎの青い部分、薄切りのしょうがを乗せ、ふたをして強火に。圧力がかかったら弱火にして30分加圧。

圧が抜けたらふたを取ります。
魚は菜箸で持ち上げられないくらい柔らかくなっているので、大きなスプーンやお玉を使って鍋からそーっと取り出すといいです。
煮汁だけ鍋に残し、甘みが足りなければ黒砂糖や砂糖を足して少し煮詰めます。最初から砂糖を入れて炊いてもいいのですが、甘すぎるとくどくなるので甘みづけは2段階に分けました。

ふっくら炊けています

盛り付けたぶりに煮汁をかけ、千切りしょうがをのせたらでき上がり。甘辛いあら炊きです。

こんなに太い中骨も難なく食べられるほど柔らかく炊けました。

あら煮って骨についた身をつまむのが面倒だったり、きれいに食べきれなかったりするのが残念でモヤッとしていました。でも、圧力鍋で炊けば身はホロッと取れますし、骨ごと食べると髄液?なのか、なんともいえないうま味がジュワッとしみ出してとても美味。

ごはんがすすむ味

うま味が染み出した煮汁でおからを炊くのもおすすめ。骨も皮も身もエキスも余すところなく食べきると気持ちがいいです。

はまち→めじ→ぶり、つばす→はまち→めじろ→ぶりなど、成長とともに呼び名が変わる『ぶり』。
出世魚にあやかって2024年がいい年になりますように。



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