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『ちはやふる』【2011年アニメ/実写映画/漫画】


【感想】2024年7月26日

部活シリーズ 第21弾 『カルタ部』

ネトフで第1期25話まで視聴済です。かるたを甘く見てました。というかこの作品を甘く見てました。作画も京アニに近づく美しさで、部活ものの中でも極上の作品です。

話はちょっと出来過ぎ、高校生になってA級昇格、部を立ち上げたばかりで、全国大会東京予選優勝など、ですがヒロイン綾瀬千早の清々しい爆走ぶりに目を離せず、天然恋愛音痴、猪突猛進型自己中熱血かるたバカ無駄美人また、スカウトしたメンバーも個性的、中でも古典オタクで呉服屋の娘、大江奏ちゃんがいい、太一君イケメンなのに、千早を追う立場で可哀そう。
百人一首の隠れた意味を教えてもらい好奇心をくすぐられ、どんなことでも好きなことならば、疲れない、と教えられました。

「響け!ユーフォニアム」のように人間関係に深く切り込んでいないが、個人的な心理戦「自分との闘い」を学びます。でも、「響け」「光る君へ」(両方宇治)を好きな方はカルタを知らなくても楽しめます。お勧めです。

現在、1期の25話まで一気に観ました。まだ2期、3期各25話まであるし、実写映画もあるのでまだまだ楽しみが止まりません。では、また。

【作品情報】

2011年10月4日から2012年3月27日まで、日本テレビほかにて第1期が『ちはやふる』のタイトルで放送。

監督は小泉徳宏。2部作として『ちはやふる -上の句-』が2016年3月19日、『ちはやふる -下の句-』が同年4月29日に公開され、その後完結編として『ちはやふる -結び-』が2018年3月17日公開された。

『ちはやふる』は、末次由紀氏の女性漫画。『BE・LOVE』(講談社)において2008年2号から2022年9月号まで連載された。
連載終了後、同誌同年12月号にて千早たちの卒業後の瑞沢かるた部を花野菫をメインとした展開で描いた番外編「はなのいろは ちはやふる番外編」が掲載。

競技かるたを題材とした少女漫画。本作の主人公は名人・クイーンを目指す少女・綾瀬千早であり、物語は千早がクイーンの座を賭けて争う場面から始まる。その後は千早が過去を回想する形で第6話までは小学校編が、第7話から高校生編が描かれている。アニメ化や実写映画化された他、現実社会の競技かるた浸透にも影響を及ぼした。

個性的な登場人物が織り成すドラマと躍動感のある競技かるたの描写で人気を集めており、2022年2月時点で累計発行部数は2700万部を突破。少年漫画に通ずる「熱さ」を有する作風から「熱血スポーツ漫画」と評されるが、同時に恋愛や友情、離別や再会といった青春ストーリーも描かれている。

2023年12月、続編の『ちはやふる plus きみがため』が『BE・LOVE』にて2024年1月号より連載されている。千早たちの卒業後の瑞沢高校かるた部が舞台となり、新1年生の長良凛月が主人公として描かれている作品。

在原業平朝臣の和歌

本作は、末次由紀が漫画家活動を再開してから初めて手がけた連載作品である。末次によると、連載案を考えている時に担当編集者から「かるた漫画」を提案され、自身もかるたを経験していて親近感があった事もあり、本作を描き始めたという。

タイトルの『ちはやふる』は小倉百人一首の17番撰歌「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」に由来しており、末次は本作についてインタビューで「“勢いの強いさま”という“ちはやふる”の本当の意味を、主人公が知り表現していく物語なのだと思う」と発言している。なお、競技かるたでは「ちはやふる」は「ちはやぶる」と「ふ」を濁音にして発音するが、本作のタイトルはそのまま清音で発音する。

【あらすじ】

小学校編

物語に出てくる滋賀県の近江神宮小学校編小学6年生の綾瀬千早の夢は、大好きな姉の千歳が日本一のモデルになる事であった。しかし、福井から来た転校生の綿谷新に「自分のやる事でないと夢にしてはいけない」と諭される。千早のかるた歴は新の住まいである狭いアパートの一室から始まった。千早の幼馴染みで好意を寄せ、訛りのある新をイジメる真島太一は校内のかるた大会に際して難題をふっかけ、さらには新の眼鏡を隠す。だが、ハンデにも負けない新に認識を改め、謝罪した太一は「千早にだけは絶対に言わないで」と頭を下げ、二人は友情を抱く。新の夢は祖父である綿谷始永世名人のように競技かるたで名人になり、日本一になる事であった。新の情熱に感化された千早と太一は原田秀雄が指導する府中白波会に入って本格的にかるたを始める。だが、福井に暮らす始が倒れ、小学校卒業を機に新たち一家は東京を離れる事が決まる。千早、新、太一の三人は団体戦にチーム「ちはやふる」を結成して挑み、そこでやがてはライバルや仲間となる面々との対戦を経てほろ苦い敗北を味わう。別れ際に泣く新に千早と太一は「競技かるたを続けてさえいればいつかまた逢える」と再会を約束する。(1巻 - 2巻前半)

3人の出会いから始まり、小学校卒業までが描かれている。小学校編で3人がいる都市は、東京都府中市がモデルとなっている。

高校一年編

モデルの姉にも劣らない美少女に成長した千早は瑞沢高校に進学。そこで中学進学を機に別れていた太一と再会。千早は競技かるた部の設立を目指し、当初は乗り気でなかった太一まで巻き込む。たとえ離れていても、かるたへの情熱は変わらないと信じていた千早だったが新とは1年以上連絡が取れなくなっていた。太一と共に福井に向かった千早は、新が大好きだった祖父の始の死とA級昇格を決めた大会優勝が重なった不運を契機にして競技かるたから離れていた事を知る。それでも、かるたを嫌いになったわけで無いと分かり、二人は新を競技かるた界に呼び戻すため、強くなって新と再会する事を誓う。その後の千早と太一は、古典オタクで呉服屋の娘大江奏を弓道部から引き抜き、小学生かるた全国2位(1位は新)でかつて団体戦で対戦した「肉まんくん」こと西田優征、学年2位(1位は太一)の秀才駒野勉の勧誘に成功し瑞沢高校かるた部を設立し、「全国高等学校選手権大会団体戦優勝」という大きな目標のもとに、日々の練習を重ねる。東京都予選でかつて府中白波会で一緒で団体戦で対戦した「ヒョロくん」こと木梨浩が進学した強豪校で実力者須藤暁人の率いる北央高校を破り、全国大会に出場。全国大会開催前の近江神宮で、千早は現クイーンであり同い年の若宮詩暢と出会う。初の全国大会では、瑞沢かるた部は千早の途中棄権が響いて決勝トーナメントで敗退。翌日の個人戦で、詩暢に大敗した千早はその戦いぶりで詩暢に記憶を残す。太一は勝ち進んだB級決勝戦で富士崎高校の3年生に善戦したものの3枚差で敗れる。その後秋に埼玉で行われた大会では、駒野とD級決勝戦で対戦した大江がD級優勝。A級昇格の賭かったB級決勝戦まで進んだ太一と西田も「運命戦」にもつれ込み、西田が優勝し、太一は準優勝に終わる。創部一年目にしては快挙と言える成績だったが、大きな目標に向けた課題が見えた大会となった。その後のかるた大会で部員たちは各々の課題を発見。完敗した詩暢以上の速さを追い求めようという千早は、むしろ原田から「速さへの追求を止める」指導されたことで、様々な年齢層の競技者たちとの対戦から学んでゆく。太一は現名人周防久志と偶然にも運命的な邂逅を果たすが、A級でないと知られるやそっぽを向かれる。千早や新のいるA級昇格を目指して地方大会を転戦する太一だったが、行く先々でヒョロに遭遇。その上「運の無さ」という壁に阻まれ苦闘が続く。一方、千早や太一の活躍に刺激を受けた新は福井南雲会に参加し競技かるた界への完全復帰を果たす。冬、恒例の名人戦・クイーン戦で周防と詩暢は危なげなく防衛する。(2巻後半 - 9巻前半)

高校二年編

春を迎え、千早たちかるた部一同は進級した。「瑞沢高校を将来的にかるた強豪校にする」という目標を抱いていた千早は、職員会議で「部員があと5名増えなければ部室を返上」という条件も重なり、新入部員獲得に躍起になる。だが入部者はイケメン部長である太一目当ての女子生徒がほとんどであり、競技かるたには全く興味を示さなかった。一方で千早を除く2年生部員達も団体戦優勝や、個人昇級を重視するあまり、後進育成に難色を示す有様で、それまでの結束に揺らぎが生じ始める。それでも諦めない千早だったが結局残ったのは、太一を彼氏にするという野望に燃える筋金入りの恋愛体質女子花野菫と、北海道特有の「下の句かるた」で腕を鳴らしたものの、根拠の無い自信でチームの和を乱す男子生徒筑波秋博という問題児2名のみだった。しかし、千早が「全国大会で倒れて棄権した時からもう一人部員がいたらと思っていた」と心中を明らかにすると、他の2年生部員も後輩の指導に協力的となった。結局、部室棟二階を吹奏楽部に割譲せざるを得なくなったかるた部であったが、吹奏楽部から全国大会優勝に向けてのエールが贈られ、想いを燃え上がらせる。東京予選で勝ち進み、運命戦の末に北央学園に敗れ準優勝となるが、出場枠増加により共に全国大会出場を決めた瑞沢かるた部は相手校のデータ収集という「裏方」に徹した駒野、花野の活躍もあって団体戦で初めて決勝トーナメントへと駒を進める。準決勝では、前年のクイーン戦西日本代表であった逢坂恵夢を擁する明石第一女子高校と対戦。恵夢と対戦した千早は劣勢からの追撃も及ばず惜敗するものの、チームは間一髪で勝利(駒野の運命戦により決着)。全国大会優勝常連の名門富士崎高校との決勝戦に臨む。そこで千早は山城選任読手の孫娘で新と同様に「競技かるた界のサラブレッド」と見られている山城理音との対戦中の接触から、右手人差し指を故障する。筑波秋博、駒野勉の敗退、千早の勝利によって一勝二敗で迎えた最後の1枚、2組の運命戦で西田と太一は、札合わせをし、太一は、運命戦で初めて自陣の札が詠まれ、待望の全国大会団体戦優勝を決めた。そしてその試合を広間の外で見守っていた新に千早は涙ながらに駆け寄り、チームで戦うことの意義を説いた。その熱戦ぶりは、同じく試合を見守った詩暢の心をも大きく揺さぶる。又、目標に向け二人三脚で頑張り、疲労困憊となって眠る太一に千早は「有難う」と礼を言う。個人戦で詩暢との再戦を望む千早は故障を押して利き手と反対の左手で強行出場し、再戦に漕ぎ着けるが大敗。だが、左手を利き手とする詩暢の強さを再確認する契機となる。一方、太一に「明日の個人戦で優勝したら東京の大学に進学する」と宣言した新は翌日の高校選手権A級個人戦で、高校かるた界では無敗を誇ってきたクイーン若宮詩暢との決勝戦を制し、宣言通り初出場・初優勝を決めた。新と太一は千早を巡る恋のライバルである事を強く意識する様になる。又千早が団体戦優勝と共に掲げていた各階級個人戦優勝は新が制したA級を除き、全て瑞沢かるた部が制する結果となり、B級準決勝戦でヒョロとの対決を制して駒を進めた決勝で山城理音を破った太一も優勝してA級昇格を決める。大会後、指の痛みは良性の内軟骨腫であった事が判明し、大事には至らないものの、千早は暫くの休養を余儀無くされる。そして新の有言実行に並々ならぬ覚悟と千早への想いを見せつけられた太一は、新への、そして千早への複雑な対抗意識をより露わにしてゆく。一方で新は太一と千早に感化され、遠く福井の地より団体戦出場を目指し、かるた部創設に向けて動き出す。退院した千早は決勝戦で対戦した富士崎高校の指導者桜沢翠の招きを受け、太一と二人で同校を訪問し、着々と実力を磨く理音と再戦する。秋。目前に迫った名人戦・クイーン戦に向けて照準を合わせてゆく面々。しかし奇しくも予選の日程が瑞沢高校の修学旅行とバッティングしてしまい、衝撃を受けるかるた部のメンバー。前後し、その前哨戦といえる吉野会大会に出場した千早は、かつてクイーン戦で四連覇を果たした猪熊遥と初対戦し、熱戦の末に破る。決勝戦はA級昇格により公式戦初対決となった太一との一戦。試合は千早が僅差で白星を掴み取って優勝を決め、とうとうかるた界からの注目を一度に集める事となった。しかし千早は悩んだ末に、クイーン戦の東日本予選出場を諦め、クラスの仲間たちと修学旅行へ行く事を決める。その想いの背景には、千早の、将来は高校の先生になりたいという夢があった。そして始まった名人戦・クイーン戦予選。抜け駆けして予選会に出場し、途中から修学旅行に合流した太一は、恩師である原田が名人戦の東日本代表となった事を千早に告げる。一方の西日本代表は、決勝戦で兄弟子である村尾慎一を破った新に決定。代表決定戦では、互いに巧みな策で相手を翻弄しつつも、今大会を「勝って引退する」と宣言していた周防への対抗心に燃えた原田が逆転で新を破り、挑戦権を獲得。自身の敗因を思い入れの強い「ふ」と「ちは」に執着した事だと後悔する新に、千早は「手に入れたいもの程手放し、必ず取りに行くと誓う」自身の想いを語る。その姿に、小学6年生のころから変わらない想いと絆を感じ取った新は、その場で千早に告白する。新の想いに戸惑い、返事が出来ないままの千早。一方で太一は未だ、自身の千早への想いを伝えられないままであった。冬、周防との練習試合を行う機会を得た千早と太一は、周防の横柄な態度に深く傷つけられる。しかしそこで周防の弱点を見つけた千早は、原田と共に名人戦の会場へと乗り込んでゆく。一方、クイーン戦では「最強の挑戦者」として挑む猪熊遙に詩暢が苦戦。永世名人位がかかる周防も原田の老獪な戦術に苦戦する。猪熊に敗戦し、動揺を隠せない詩暢に千早は襷を急造し、景気づけして送り出す。結果、周防は原田を強敵と認め、最終戦にもつれ込む接戦を制して防衛し、詩暢も千早の応援に自分を取り戻し、猪熊を下して防衛する。永世名人就任で引退を宣言していた周防だったが観戦していた新から後一年待って下さいと迫られ、あっさり引退を撤回する。(9巻後半 - 26巻前半)

高校三年編

周防・詩暢の連覇に因って幕を閉じた名人戦・クイーン戦。それを間近で見届けた瑞沢高校かるた部は、新たに春を迎える。ついに太一から告白された千早は、その想いに応える事が出来ない。しかも新入部員を迎える最中、学業への専念を理由に退部届を出す太一に動揺した千早は、かるたに集中出来なくなり、休部を宣言する。部の中心選手二人を欠いたかるた部は、戸惑いながらも練習を続けるが、新一年生の自己中心的なA級選手・田丸翠が馴染めず部をかき回す。千早は、新がかるたから離れていた時の様に、強くなって太一を待とうと決意する。一方の太一は、通い詰めている進学塾で、講師として教鞭をとっていた周防と再会する。太一のいないままの瑞沢高校かるた部は、北央学園に続く2位で全国大会出場を決める。全国大会でも勝ち進んでいくが、太一の抜けた穴は想像以上に大きく、前年の決勝で対戦した富士崎高校にリベンジされ準決勝で敗退。3位決定戦で、新のいる藤岡東高校と戦い千早が新に初めて勝利し、チームも5戦全勝で3位入賞する。翌日のA級個人戦でクイーン・詩暢と3年連続で当たり7枚差の善戦で敗れた千早は、試合後今度こそはクイーン戦でまた会おうと約束する。2年連続で新対詩暢となったA級個人戦の決勝は、運命戦までもつれこむが新の優勝で幕を閉じる。高校選手権での善戦後、西田と駒野は大江に告白し、大江と駒野は交際する事になる。一方、新から告白の答えを求められた千早は「世界一強くなりたい」と宣言し、事実上回答保留する。引退する瑞沢かるた部創設メンバーには先に退部した太一も加わり、大掃除や部室を巡っての吹奏楽部とのカラオケ対決等それぞれの想い出を深める。太一は周防や須藤らの所属する東大かるた部で周防を相手に実力を磨き、自らの長所を生かす新たなスタイルを確立しつつあった。一方、千早はクイーン戦予選と受験勉強とで揺れていたが、「やりたい事」と「やりたくない事」の両立を宣言。周防を倒すという野心を表明した須藤を相手に腕を磨く。クイーン戦東日本予選には同世代の選手に加え、出産により出場を断念した猪熊に代わり競技者復帰しエントリーしていた桜沢翠と二回戦で対戦した千早は競り勝ち、そして準決勝では山城理音と対戦する。一方、名人戦東日本予選では相手のミスを誘うスタイルを身につけた太一が快進撃を続けており、準決勝で須藤との対戦が決まる。同日の西日本予選では新が、村尾を下して決勝に勝ち上がった新鋭のかるた製造会社天狗堂社員の小石川秀作に思わぬ苦戦を強いられていた。自分の担当機械で作った規格外品かるたで対戦する奇遇を幸運に考えた小作は、ミスさえ好調にとらえるポジティブモンスターと化して新を圧倒する。一方、須藤は太一と千早の精神的繋がりに勝機を見出し、周防のように相手をコントロールする戦いをする太一と一進一退の攻防を繰り広げる。また、祖母が読手となるクイーン戦出場に燃え完全覚醒した理音に千早も苦戦。新は東日本予選で千早と太一が勝ち上がっている事を知って自分を取り戻し、激闘を制する。太一と千早は共に2-6という終盤戦に突入。そこで千早は痛恨の共お手つきで理音に札を送られ1-7に。だが場外の西田、駒野により新が西日本代表になった事を知らされた二人は、闘志に火がついたような反撃。3枚差で須藤に勝利した太一が最後に取った札は「ちは」だった。一気に6連取した千早は運命戦に持ち込んだ。そこで「春すぎて」がよまれると、もう一組の準決勝にまで勝ち残っていた田丸も運命戦に勝利。千早は理音のお手つきにて勝利する。その後行われた決勝戦では、太一と千早がそれぞれ勝利した事で東日本代表となった。11月に行われた挑戦者決定戦で、千早は西日本代表の結川桃と、太一は新とそれぞれ挑戦者の座を賭けて3本勝負を戦うことになった。第1試合、クイーン戦は結川が自陣右下段を薄くして左下段を厚くするという左利きならではのやり方で千早を翻弄させるも調子が良かった千早には叶わず、中盤でダブをした結果7枚差で千早が勝利した。一方の名人戦は際どい取りで太一がモメる事が多かったが、最後に読まれた札を巡って新が自分の取りだと主張したことで太一はあっさり引いて、3枚差で新が辛勝した。(26巻後半 - 38巻中盤)

【主要人物】

綾瀬 千早 声 - 瀬戸麻沙美 / 演 ‐ 広瀬すず、久家心(少女時代)

本作の主人公。府中白波会所属のA級選手。東大里小学校出身。6月1日生まれで、血液型はB型。身長は167cm。1年2組→2年9組→3年。国立文系。好きな教科は理科・社会・体育・音楽だが、学校の成績は学年順位を下から数えた方が早い程に悪い。
小学6年生の時に新と出会い、かるたで世界一になる事を夢見る様になる。後に瑞沢高校へ進学して競技かるた部を創設、キャプテンに就任する。「かるたバカ」と言われる程かるたへの情熱は人一倍強く、夢や目標は全てかるた中心となっている。
天性の聴力を持ち、「感じの良さ」を武器としている。その聴力は太一曰く練習中に集中していると「太一、まばたきがうるさい」と述べるほど。その反面モメごとは不向きで、取った取らないの争いやお手つき等では相手の言うなりになってしまう。自分の名前で始まる「ちはやふる」の札を得意札としており、一番好きな札である。部活での練習・試合を問わず、対戦中は周りの声が耳に入らない程勝負に集中するタイプで、終わるとその場で白目を剥いて目を開けたまま眠る事が多い。チョコレートが好物で、試合後に食べる事が多い。
高2の時の全国大会・団体戦の決勝戦で右手人差指を内軟骨腫という稀有な病気で痛め、翌日の個人戦は左手で挑むが左手が旨くコントロール出来ずに苦戦を強いられる。
容姿端麗だが、動いたり話したりすると台無しになるため、高校では「無駄美人」と評されている。美人ではあるが、高校に入るまで告白された事も無く、恋愛に関する話題への免疫は無い。太一以外の男子部員からは恋愛対象として見られておらず、「かるたの事しか頭に無い」「中身が小6男子」と思われている。マスコットキャラクターの「ダディベア」が好き。
17巻(高2の夏)で、「良く分かんない…。良く分かんない気持ち…。でも、私は、一生、新が好きなんだ」と、自分自身の新への恋心を自覚した。その後、23巻(高2の秋)にて、新から告白された。その後はかるたや勉強にも集中しない位動揺していた。さらに26巻(高3の春)にて、太一からも告白された。但し、新の時とは違い、直ぐに断りの返事をしている。33巻の173首にて、夏の全国大会の後、長らく新の告白の返事をしていない事に気づき、今の自分の思い(かるたで世界一になりたいという気持ち)を伝えた。
太一の告白を断った結果、太一の突然の退部に因る動揺から自身も調子を崩し、最後の高校選手権大会を前に休部。自身が失恋したかの様な深い喪失感の中、勉強に熱を入れていた。東京予選直前に部へ復帰する。キャプテンとして太一の分までチームを率いるという自覚のもと高校選手権に挑む。全国大会準決勝で敗退するも新率いるチームとの3位決定戦では新を自ら破って3位となる。
卒業後の進路として教職員を目指し、高校競技かるた部指導者になりたいという夢を自覚。周囲が呆れるほどの猛勉強で急激に成績を上げて行くが、高校生活最後のクイーン戦参加に散々迷った末に「やりたい事」と「やりたくない事」を両方頑張るという無謀ともとれる挑戦で臨む。順当に勝ち進み、高校かるた界ではライバルだった山城理音との対戦に挑み勝利。決勝で高校の後輩の田丸翠を破って東日本代表となった。挑戦者決定戦では西日本代表の結川桃と対戦し、2連勝でクイーン戦挑戦者となった。
実力の覚醒に伴い、対戦相手を気押す独特のオーラ(詩暢の「クイーンスマイル」と同種のもの)を放つ様になった。
クイーン戦挑戦者東日本代表となってからは元クイーンの猪熊遥が練習相手となり、猪熊の夫のテレビ局のプロデューサーの依頼でテレビ出演をするようになるが、本気で芸能活動するつもりはないため、本気で芸能活動をしている姉の千歳に煙たがられている。元クイーンの渡会からは「綾瀬さん、(競技かるた以外は孤独な)詩暢ちゃんに勝って。泣いて笑って同時代をずっと戦えるような本当の友達になって」とお願いされている。
クイーン戦が3試合制から5試合制に変わるのは本来2年後からであったが、詩暢が現役女子高生のうちのほうが話題になるだろうという提案をし、詩暢とのクイーン戦は5試合制になった。テレビの取材には「私が若宮さんの最高の強さを引き出して、その上で勝ちますから」と宣言する。3試合制のままなら2連敗で終わっていたところ、そこから2連勝して2勝2敗で迎えた休憩時、詩暢が足をつっていることに気づき前述の宣言どおり、詩暢の水分補給やマッサージなどのサポートをしている。

真島 太一 声 - 宮野真守、高垣彩陽(幼少期) / 演 ‐ 野村周平、山田瑛瑠(少年時代)

千早の幼馴染。府中白波会所属のB級→A級選手。4月2日生まれで、血液型はA型。身長は172cm[注 2]。1年1組→2年1組→3年。国立理系。医学部志望。苦手な教科がない。
負けず嫌いな性格で、かるたを通じて千早と親しくなった新への対抗意識からかるたを始める。小学校卒業後は開明成中学校に進学し、千早や新と離れ離れになるが、後に瑞沢高校に進学し、千早と再会を果たす。中学時代はサッカー部をメインとしており(かるたも同好会で細々と続けていた)、高校でも当初はかるた以外の事をするつもりでいたが、千早の熱意に動かされて競技かるた部を創設、部長に就任する。肩書きこそ「部長」だがそのキャプテンシーは非常に高く、エースである千早を目の前の勝負に集中させるため、チームメイトへの目配りや気配り、士気の鼓舞、戦術等で2年時にチームを高校選手権団体優勝に導いた。
その存在の大きさを部員たちに実感させたのが3年時での突然の退部。瑞沢かるた部を瓦解の窮地に陥れた程で、大江、西田、駒野ら三年生部員と花野の奮闘に因り立て直されたとはいえ、選手権団体戦で惜敗した瑞沢が連覇出来なかった最大の要因はチームの支柱だった太一の不在であるとライバル校も含め、関係者の誰もが認めている。
スポーツ万能、成績優秀で、定期テストでは常に学年1位を誇る。さらに容姿もいいため、女性にモテる。入学当初は他校に彼女がいたがかるたに集中するため別れている。かるたでも高い暗記力[注 6]を駆使して戦うが、大事な場面で運に恵まれない傾向があったため、長い間B級であった。規定上ではA級に昇段可能な準優勝2回を果たしていたが、白波会のルールでは優勝のみが昇段の条件だったため、師匠の原田から特別に昇段の許可を得るも、自ら、断った事もある。その後ようやく17巻にて遂にA級に昇段する。
かるたにおける運の悪さは周囲が知るだけでなく、当人も自覚するほど。北央の主将と戦った際、運命戦になった時自分の運の無さを逆手にとって、相手の札を迷いなく抜いた程である。A級昇格に時間かかった際も「運には見放されている」と自他共に認めているため、紛れも無く本人の実力で掴み取った。
所属する白波会関係者と新他ライバル以外で最初に太一の実力の高さに気付いた人物は高校選手権決勝で対戦した富士崎高校顧問の桜沢翠。実際、高校二年生で挑んだ全国大会において、団体戦(優勝)と個人戦(B級優勝)に両方参加して無敗だったのは太一ただ一人であった。「攻めがるた」を追及する白波会において、「守りがるた」こそが太一の本分だと後に発覚する。ちはやら本作の実力者達が持つ「感じの良さ」とも無縁。
睫毛が長いため、師匠の原田や同門の坪口から「まつげくん」と呼ばれる。祖父が総合病院の院長、父親も医者という裕福な家庭に育っており、7歳年下の梨華という妹がいる。 母・麗子は成績至上主義者で、かるた部の活動を快く思っていない。麗子から「学年1番の成績をキープできないと、かるた部を退部させる」という条件を課されている事を優征に語った。しかし、名人戦予選に臨む太一を止めようとして競技かるたに触れ、その後三年生に進級した太一が成績を落とし自ら退部を決めたことで、逆に息子にとって青春を捧げた競技かるたが何だったのかと関心を持つようになり、自分の知らなかった息子の姿を他の父兄に教えられる。
26巻(高3の春)で、「好きなんだ。千早が」と、告白した千早からの返事は、チャイムに掻き消される位小さな声の「ごめん」で、フラレてしまった。かるたへのモチベーションを失い、さらに学年1番の成績をキープ出来ず(1位は勉)、結果的に母との約束通りとなる形でかるた部を退部した。しかし、自身の通う進学塾で教鞭を執る名人・周防と再会したことで、周防の所属する東大かるた会に参加。かるた自体は続けることとなり、周防と師弟に近い関係を結んで、密かに実力を磨いていく。高校生時代最後の挑戦となる名人戦予選では相手の自滅を誘う周防スタイルの「嫌らしいかるた」で順当に勝ち進み、決勝では師匠であり前年の準名人の原田を破り東日本代表となった。挑戦者決定戦には髪を切って小学校時代の様な短髪にして臨み、新と対戦するが、1勝2敗で敗れる。

綿谷 新(わたや あらた)
声 - 細谷佳正、寺崎裕香(幼少期) / 演 ‐ 新田真剣佑、加部亜門(少年時代)

福井南雲会所属のA級選手。小学6年生の時に福井から東京へ転校し、千早と太一をかるたの世界へ引き込んだ少年。12月1日生まれで、血液型はO型。身長は173cm[注 2]。好きな教科は数学・書道・理科。
永世名人を祖父に持ち、自身も小学生時代は全国大会の学年別で毎年優勝してきた実力の持ち主。小学校卒業後は祖父の介護のために福井へ戻り、千早や太一と離れ離れとなる。その後、祖父の死に関する出来事がきっかけでかるたから約1年半の間離れていたが、千早や太一と再会して再びかるたと向き合い始める。
普段は冷静かつ寡黙だが、かるたでは負けず嫌いな面が出て密かに熱くなる。かるたにおける重要な能力である非凡な記憶力を持ち、アルバイト[注 7]でもその才能は遺憾なく発揮されている。周りに人が居ない時には、千歳の水着写真集を手に取り、千早の水着姿を想像し赤面する。といった一面も見せる。
遺伝的に視力が悪く、3歳から眼鏡を掛けており、東京在住時代の師匠である原田からは「メガネくん」と呼ばれている。現在は福井県あわら市在住で[注 8]、かるた部のない藤岡東高校に進学。千早や太一といる時も福井弁で話す。
亡き祖父を彷彿とさせる独特のかるたで「後の先」と「守りがるた」を得意とし、「感じの良さ」を武器とする選手たちも下す。学生かるたでは2年生から参戦。個人戦のみのエントリーだったが旧友の頼みで団体戦メンバーの数合わせに参加(新の存在に関係なく敗退)した事が問題視されたものの若宮詩暢の取り計らいもあり深刻なペナルティーは受けず、高校生個人戦では文字通り無敗だった若宮詩暢に勝ちA級優勝。個人戦で勝つ事が至上だと考えていたが、団体戦で戦う選手達や、彼らを支える周囲の人々、何よりも千早と太一から大きな影響を受け、自身もかるた部を創設する事を決意し、高校選手権団体戦出場を目指してチームを結成し、団体戦にも参加。初参加にして前年王者の瑞沢かるた部に次ぐ4位という好成績を収める。3位決定戦でキャプテン同士の対戦となった千早との一戦では相手が新だと意識しない程に集中した千早に完敗してショックを受けた。個人戦では2年連続となった若宮詩暢との決勝で運命戦に勝って連覇する。
23巻(高2の秋)で、千早に「気が向いたら一緒にかるたしよっさ」(=「一緒に生きていこっさ」)と、告白したが、半年以上経過した高3夏の時点でも、千早からの明確な返事は無く、保留中である。 その間に、30巻(高3の夏)に同じ学校のかるた部に所属する後輩から「綿谷先輩!全国大会で頑張れたら、私と付き合って下さい!」と、告白されたが、「ごめん。好きな子がいる」と、即答で断り、千早からの返事を、ひたすらずっと待ち続けている。33巻で千早からの返事を受け入れ、「(かるたの道で)もっと近づいたら俺の事どう思ってるか聞かせて」と名人戦・クイーン戦で会う事を約束した。
高2、高3と2年連続で名人戦予選西日本代表となる。高2の時は東京在住時に師匠だった原田と対戦し、1勝2敗(1勝は原田の棄権による不戦勝)で敗れた。高3の時は太一と対戦し、2勝1敗で太一を下して名人位挑戦者となる。第2巻第6話で「ぼくは5歳相手でも手加減せん男や」と自負していたが、これが終盤の名人戦の伏線となっていた。名人戦では目にハンデを持つ周防との試合で、太一から「新、お前は優しくあろうとしても無理だ、畳の上で。ガキのころからの友達も18枚差で踏みつけて、一番強くあるために力をふるう単なる鬼なんだよ。お前は優しい人間じゃない、思い出せよ。相手が永世名人であろうとも、目にハンデがあろうとも、5歳相手でも手加減しない男だって。」と評されている。
千早に告白するなど明確に恋愛対象とみて後輩部員の告白を断ったりもしているが、地元福井には隣家に住む幼馴染みで世話女房的な同級生の由宇という子がいる。藤岡東高校かるた部創部に協力してくれた他、名人戦西日本予選に際して弁当の重箱を渡される(が縁起物だが胃にもたれそうなメニューばかりで不安視している)など、なにかと面倒を見て貰っている。
高2の時に両親に個人戦優勝をもって卒業後の上京進学を約束させ、高3時に名人戦挑戦者となった直後に推薦で受験した東京の大学から合格通知が届いた。
なお、俳優の真剣佑は、本作の実写映画版で新を演じたことを契機に芸名を「新田真剣佑」に改めた。


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