【小説】『君らは選ばれし戦士だ!!』㉓科学文明の最後編
【羽田飛行場 PM21:00】
滑走路の隅に設置した装置が作動して未来とのゲートが開いた。光の中から続々と未来人が歩いて来た。
そのゲートは生体しか通れず、マシンが入ろうとすれば原子になって再生は不可能である。
およそ 30 分程度で未来人 150 人がゲートを通過した。
勇作「それでは短い間でしたが、お世話になりました」「これからもゆうか達をよろしくお願いします」
千夏「加治さん、田中博士よろしくお願い致します」
加治「うん、安心して任せなさい」
田中博士「気を付けてな、地球を救ってくれ」
ゆうか「ママ、お父さん、楽しかったよありがとう幸せになるね」
勇作、千夏「うん、それじゃ元気でね、またね」
勇作と千夏は手を繋ぎながら光の中に吸い込まれていった。ゲートは静かに閉じた。
【IAマシンが支配する未来】
勇作「これが、未来なのか、、、、」
千夏「ここまでひどいとは」
勇作「地球が腐っていく感じがするね」
空に無人偵察機が現れ、レーザー光線が発射された。勇作たちは、空を飛んで攻撃を回避した。
勇作「俺たちの存在がばれたね」
「それじゃ派手に壊しますか」「しかし、この公害の空気、工場からの汚水、太陽が出てないし、空も海も灰色だ、一気に北極を目指そう」
千夏「うん」
勇作たちの下の地上には無数のヒューマロイドがロケット砲などで攻撃をしけているが、二人の飛行速度には対応出来なかった。
約 2 時間ほどで北極上空まできた。
勇作「千夏ちゃん大丈夫?」
千夏「うん、少し寒いかな」
勇作「これから、北極の大陸に穴を空けて大規模な噴火を起こすんだ、そして氷を解かす」
千夏「うん、わかったー」
勇作「よし、いこー」
勇作たちは、バリアーを強化して、地中深く突き進んだ。暫く進むと、マグマに達した。新たな穴を作りながら地上に突き進んだ。
二つの穴から勢いよくマグマが噴出して大爆発を起こした。
北極全体がマグマに覆われて氷が解けた。
勇作たちは、更に主要都市にもマグマの穴を空けて人口の火山を起こした。すると大地震とともに地割れ、大津波、竜巻が発生して、ヒューマロイドたちが右往左往して、やがて電池切れのロボットのようにバタバタと倒れた。
海水は、みるみる増加して、日本はおろかユーラシア大陸も海に沈み、エベレストなどの山脈しか見えなくなっていた。
2 人はエベレストの頂上に向かった。
勇作「地面がほとんどなくなっちゃったね」
千夏「うん、これ、ホントに元通りの地球になるのかなぁ」
エベレストの頂上で地球が海水で満たされる様子をみていた。
千夏「勇作、あれを見て」
勇作「えっ、何あれ」
エベレストの頂上の近くの巨大な洞窟に、潜水艦のような乗り物が海の中に落ちていった。
それは一旦海に沈んだが、まるでザトウクジラのように水面に現れた。
勇作「ちっ、あれが AI の本体に違いない、このことを予測して生き延びる準備をしていたんだ」 「千夏ちゃんあいつを壊そう」
千夏「よし、やろう」
勇作「スペシューム光線」
十字に合わせた腕から眩しい光線が発射された。
光線は、クジラの中心を貫いた。
クジラには武装兵器はなく、ただ災害を回避するものだった。
勇作は、光線を放ちながら、十字の腕を左右広げるとのこぎりが円になり、クジラの胴体を真っ二つに切り裂いた。
クジラは断末魔を発するがごとく大爆発した。
これで、地球の化学文明は消滅し、自然の地球へと戻るだろう。
千夏「お疲れ様、これで終わったのね」
「地球全体に探査魔法で調べたけど、電気、電波、科学的なエネルギーはまったくなかったよ」
勇作「よかった、これでまた長い年月をかけて地球は再生されるよきっと」
突然、勇作たちの目の前に巨大な宇宙船が現れた。
「ママー、お父さーん」テレパシーが伝わってきた。
勇作、千夏「えっ、ゆうか?」
宇宙船から女性の立体画像が映し出された。
映し出された映像は、とても美しい女王の品格を備えていた。
でも、テレパシーから伝わる感じはゆうかであった。
女性「ママ、お父さんお疲れ様でした」
「私はゆうかの生まれ変わり」
「お話がたくさんあるの、この宇宙船に乗って下さい、お待ちしています」
映像は消えて、大きな入口が開いた。
二人は、宇宙船の入り口から中に入った。
つづく
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