【新作小説】『君を守りたい』②君は俺の○○だ!
猛「おはよう、風見君、アスカ待ってたよ、よく眠れたかい?」
アスカ「お父さんおはよう、来たよぉー」
志朗「おはようございます。今日からお世話になります」
猛「おう、風見君これ渡しておくよ、このマンションの施設が顔パスになるカードだ」
「じゃ、先にジムに行ってるから、荷物置いて飯食ったら3階のジムに来なさい」
と言って猛は玄関を出た。
「志朗くん、おはよう」とタイミングよくママが来た。
志朗「映見さん、おはようございます。今日からお世話になります」
アスカ「ママおはよう、お父さん張り切ってるねぇ」
映見「そうなのよぉ、もう鼻息荒くて、とってもうるさいのよ」
「志朗君がんばってね、1週間くらい入院させてもいいからね」
とママは日ごろのストレスを発散しているようだ。
二人は、用意されたそれぞれの部屋に荷物を置いて少し早い昼食を食べた。
志朗は、家政婦の美田さんに自分の1週間のスケジュールを伝えた。
ライダーの撮影は殆ど済んでるので水曜日の1日だけ撮影所に行く予定。
志朗「さて、それじゃジムにいきますか」
アスカ「はい、パパの様子を偵察してきましょう、レッツゴー!」
二人は、3階のジムに向かった。
受付でトレーニングウェアを借りて、ジム内のランニングコースを走った。
マシンで筋トレをして、プールに行った。少し疲れるまで泳いでサウナに行った。
志朗「あっ、アスカのお父さん」
猛「よう、どうだい? ここの設備は?」
志朗「はい、凄く快適で楽しいです」
猛「そうかそうか、ここの設備全部俺が設計してマシンも選んだんだぜ」
優越感に浸っている。
志朗「えぇぇぇぇっ、すっごいです、尊敬します」
猛「はっははははー、じゃ、俺は先に上がるよ、君はゆっくりして来るといい」
志朗「はい、お疲れ様です」
お父さん、すっげぇー筋肉だったなぁー、はあー勝てるかなぁ、俺
志朗はすっかり自信を無くした。
同じような毎日を繰り返し、あっという間に1週間が経った。
そして、ジムの道場の中央に二人の男が向かい合い、異様な殺気を放っていた。
猛「いよいよこの時が来たな」「死ぬ気でかかって来なさい!」
志朗「はい、怖いです、だけど全力で戦います」
と言い終える前に、志朗は猛のすぐ目の前に移動したが、猛は消えた。
背後に存在を感じたが遅かった。背中に拳の痛みを感じた。
志朗は、痛みを堪えて、前転しながら次の攻撃に備えた。
だが、猛は直ぐ近くに迫っていた。志朗はすばやく立ち上がり、後ろ回し蹴りを放った。蹴りは、猛の腕で止められ、逆に猛の回し蹴りを脇腹に受けた。
志朗「畜生ーぉーっ」
志朗は渾身の拳を猛めがけて突き出した。
すると、青い光を放ち竜が猛に食らいついた。
猛「うっ、うわぁーっ」
猛は、衝撃波で背後の壁まで飛ばされ、床に倒れ気絶した。
志朗も猛が気絶したのを見届けて気絶した。
格闘を終えた2人は、ジムのベットで寝ていた。
しばらくして、二人は同時に目が覚めた。
「君も起きたか、大丈夫か?」猛が心配して尋ねる。
志朗「はい、大丈夫です」
「あれは何だったんだい?」猛が尋ねる。
志朗「僕にも分かりません、ただ昔一度だけ同じことがありました」
「幻覚の一種だと思います」
「そうか、俺の負けだな」猛が諦めた。
「これからちょっと付き合ってもらえるか、君に見せたいものがある」
猛と志朗はベットから起き上がる。
「どこへいくのですか?」
「このマンションの中だが、ついてきてくれ」
「はい、わかりました」
猛と志朗は一旦エレベーターで最上階へ行き、地下直通のエレベーターに乗り換えた。着いたのは地下3階の何かの工場のような広い場所だった。そこには、観たことのない、いかにも戦闘的な車が3台あった。猛がリモコンのようなものを操作すると、周りが一斉に明るくなった。いくつかヒーローのスーツが見えた。
「志朗君、私は金持ちだ、力がある」
「力があるものは、弱いものを助ける責任があるのだ」
「私は警察組織の一部を買い取り、独自に犯罪を撲滅しているのだ」
「その活動はあくまでも極秘で警察の上層部と内閣しか知らないことなのだ」
「失敗はすべて自己責任なのだ」
「そこで、私も年だ、だから君に相棒になって欲しい、いっしょに悪と戦おう」
「この一週間で君のことはよくわかった、すべて合格だ」
「アスカとの結婚も認める。ただし、私の相棒になってくれ」
「未来をすべて君に託したい」
志朗「あの、このことは映見さんやアスカさんは知っているのでしょうか?」
猛「いや、ぜんぜん知らない、ただ弟だけは知っている」
「今日は君のお母さんにも家に来て頂いてる、なのでお母さんにも家族になって貰う話をしたい」
「このマンションには沢山部屋があるので、君、アスカ、君のお母さんに引越してきて欲しい、このマンションなら安心なのだ」
志朗は後に引けないことを悟った。
志朗「わかりましたお父さん、あのお父さんと呼んでもよろしいでしょうか?」
「うーん、猛と呼んでくれるか」
「わかりました、猛さん、宜しくお願い致します」
猛「よしっ、今日は祝宴としようー」
つづく
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