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【小説】『君らは選ばれし戦士だ!!』⑮異世界ファンタジー編

【町の中心広場 夕方 17 時】
ドーンと花火の音がした。
町中心部がや松明で明るくなっていた。
勇作「まずは王様にあいさつに行こう、どこかなぁ」虫たちの視覚や聴覚を通して探した。
勇作「あっ、いた酒場にいるよ、行ってみよ」
二人は酒場に入った。
勇作「王様、すっかり出来上がってますね」
国王「おー勇者殿」
 「祭りはいいのぉー、勇者殿も一杯どうだ」
勇作「ありがとうございます、では頂きます」
国王「ほれほれ、千夏殿も」
千夏「ありかとうございまーす」
王様が自ら二人に酒を注いだ。
国王「この平和にカンパーイ」
二人は心の底からいい王様だな、ここにずっと住みたいな、と思った。
国王「ほらほら団長も飲め」
団長「でも王様、こんな時に悪人に襲われたら、、、、、」
国王「大丈夫じゃよこの町にはもう悪いものはおらん、なぁ、千夏殿」
千夏「はい、私が町全体に呪文をかけました。悪者は軍隊に自首するはずです」
団長「はぁ、それではお言葉に甘えて」
団長は立て続けに三杯ビールを飲みほした。そして、大声で笑いだした。
勇作「それじゃあ王様、ちょっと外の様子を見てきます」
国王「おー楽しんで来いよ」


外はフォークダンスに似た音楽が流れていた。
大勢の人が噴水の周りで踊っていた。
千夏「フォークダンス、懐かしいね」
 「中2の林間学校で、丁度勇作と私が踊る寸前で音楽が止まっちゃったのよね」
 「あの時は泣きそうだったよ」
勇作「えっ、そうだったの? 全然わからなかったよ」
千夏「でも、夜中トイレに起きたら偶然勇作もトイレで、いっしょに行って、、、、」
 「帰りにフォークダンス踊ったんだよね」


勇作「あれ、木村に見られててさぁ」
 「帰りのバスの中で皆にバラされたからすごい恥ずかしかった」
千夏「そぉ? 私も恥ずかしかったけど、うれしかったよ」 「これで堂々と勇作と付き合えるって」 「どうしたの? 顔赤いよ」
勇作「の、飲みすぎだよ」
千夏「はっはははははははは」
この日町民たちは心の底から祭りを楽しんだ。
明け方まで騒ぎは続き、太陽が昇ったころはいつもより静かだった。

次の日の夕方、勇作の家に一人の老人が訪れた。老人は小柄で白髪で長く、口の周りから長く白い髭で水色の布をまとっており、大きな杖を突いていた。いかにも仙人らしい姿をしていた。
千夏「あなたはゼウス様ですね」
老人「ほーなぜそう思うのじゃ」
千夏「心を見ようとしたら眩しくて見ることができませんでした」
 「それからゼウス様はまた来るとおっしゃってましたし」
老人「見事じゃ千夏」「勇作は悪いことができんのぉ」
勇作「うっ、僕は悪いことなんてしませんよ」
老人「ふぉほほほほほほ」
笑いながら髭を撫でている。
勇作「で、何かあったのですか」
ゼウス「うむ、実は君たちの元の世界が大変なことになっててな」
勇作「えっ、大変なことって娘は無事ですか」
ゼウス「無事じゃ、今のところわな」
 「しかし、最前線で戦っておる」
勇作「一体何と戦っているのですか」
ゼウス「未来人じゃ」


 

「100 年先の未来は人工知能に支配されている」 「未来人は必死に抵抗したのじゃが、相手が強すぎて過去の世界に安住を求めたのじゃ」 「わしはどうも機械は苦手じゃ、魂が無いのでな」 「そこで君たちの力を借りたい」 「未来には人類が住める場所がない、リセットするのじゃ」
千夏「すごくスケールが大きな話ですね」
ゼウス「そうじゃ、シリーズ物はだんだんスケールが大きくなるものじゃ」
 「という訳で一刻も早く元の世界に戻ってくれないかのぉ」
勇作「ゼウス様わかりました」
 「その前にこの国の王様にしばらく旅に出ることを伝えて来ます」
ゼウス「うむ、わかった、では、君らが戻るまで、わしは温泉を借りるぞ」
勇作「はいどうぞ、じゃ直ぐ行きます、千夏ちゃん行こ」
千夏「うん」

【王座の間】
勇作「王様、昨日はありがとうございました」
国王「いやー、わしも久しぶりに楽しんだぞ」
勇作「あのー、せっかく落ち着ける場所が見つかったと思っていたのですが、ある国が魔人によって支配されようとしていると連絡がありまして、しばらく旅に出ることになりました」
国王「なっ、なんと、頼りなる仲間が出来たと思っていたのだが残念じゃ」
 「でも、君らの力はわし等のものではなく、困っている国を救うためにあるのだからな、 ぜひその困ってる国を救ってやってくれ」 「そして、いつの日かまた戻ってきて欲しい」
千夏「王様、ありがとうございます。また戻ってきます」
 「王様と団長さんへプレゼントです。この指輪はお二人に危機が迫る時きっと助けになるでしょう、いつも身に着けていて下さい」
国王「おー千夏よ、ありがとう、千夏だと思って大事にするぞ」
勇作「それでは皆さん、お元気で」
二人は空を飛んで家に戻った。

ゼウス「おーおかえり、いい湯であった」
ジョッキでビールを飲んでいた。
ゼウス「よし、それでは君たちを元の世界へ戻すぞ」
ゼウスが呪文を唱えると二人の足元に魔法陣が出現して輝いた。
光は徐々に輝きを増し、2人は消えた。


現代へつづく


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