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【新作小説】『君を守りたいseason3』   ① 内閣発足から1年後の一文字家

前回までの「君を守りたいseason1~3」

BGMを聞きながら読んでみてください!

【志朗夫婦の部屋】

「ねえねえ、聞いてよ志朗ぉー、私たちの姫ちゃんがおばあちゃんたちにずーと取られっぱなしで全然返してくれないのよ、志朗からも頼んでよ、もうー」と妻のアスカがプンプンしながら部屋に入って来た。

あれから俺たちは娘を授かった。「レイ」と名づけた。自分でも驚くほど親バカになっていた。自分の娘は誰よりも可愛いと思った。

「うん、俺もあの二人には困ってたんだ」

「なんであんなに仲がいいのあの二人?」「なんでも波長がドンズバって言ってた」

「へぇー、私もドロイドのシロー2号のシーちゃんがいるからいいもんねぇーだ!」

「奥様、ありがとうございます。食事の用意が出来ました」シロー2号が執事の格好でやって来た。
「シーちゃん、ありがとう」
「どういたしまして奥様、さあどうぞ」
二人は食卓に向かいながら

「あのね、ママったら私がレーちゃんを返してって怒ると「あなたはお腹を痛めて産んでないでしょ」って言うのよ、ホント、パワハラだわ、あれっ、これってなにハラ?」

「確かに私はエッグを選択してレイを生んだけど、毎日毎日、モニターで成長を見守ってたのよ、ねーそうでしょ?」
「あーその通りだ、ママはアスカだけだよ」志朗はアスカを抱きしめた。

エッグとは、人工子宮で、受精から胎児の育成、出産まで出来る。勿論従来の妊娠出産も選択できる。

1年前からベビーブームが起きた。ドロイドが育児を助けてくれることも効果があった。

出会い>恋愛>結婚まで短期化され、ほぼすべての夫婦が子供を授かった。

人口増加に希望が持てた。また、ドロイドは、DVを防止し、姑関係、育児の愚痴を聞いてくれて精神的にも味方になってくれていた。


② へつづく



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