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vol.10 目標管理って意味ある?-成果を生むプロセス意識の目標管理手帳術

今日もおつかれさまです。

みなさんは目標管理をしていますか?
社会人の中には「会社に強制されているから仕方なく…」という方も多いのではないでしょうか。あるいは「目標達成を目指して頑張りたいけど具体的に何をしたらいいかわからない」という方もいらっしゃるのかも。

筆者は現在後者の状況ですが、新卒で入った会社にいたときは前者でした。仕事の全貌もわからないままに立てろと書かされた目標管理シートは苦痛の極みでしたね…ただでさえ忙しいのに、よくわからないものを書かねばならない状況。目標管理シートを書く意味を切実に説明してほしかったことを覚えています。

さて、そんな過去の私と同じ状況の方や目標を立てて頑張る方法がわからないという方に向けて「目標管理手帳術」を考案してみました。
こちらの手帳術は、九州大学 古川久敬教授が書かれた「目標による管理の新たな展開」という論文の参考にさせていただき、考案したものです。

これまで,⒜コンスタントに成果が出るのは,個人が意欲を持ち,必要な知識やスキルを学習し,かつチームとして協力しあい,創発的であるときであり,⒝目標の設定が,これらを促進する上で密接に関わることを理解してきた.

目標による管理の新たな展開-モチベーション,学習,チームワークの観点から- p10より
https://www.jstage.jst.go.jp/article/soshikikagaku/37/1/37_20220802-2/_pdf

どちらかと言えばビジネス寄りな手帳術となっていますが、もちろん私生活や資格勉強にも使えるフォーマットです。気になった方はぜひお試しください。
なお、論文ではチームワークの観点からも書かれていますが本記事ではこれを扱いません。個人活動にのみフォーカスした内容となっておりますのでご了承くださいませ。

目標管理する意味

近年、目標管理は個人の業績あるいは人事評価のための達成度チェックとして行われることが多いのではないでしょうか。提出した目標管理シートをもとに上司と面談して、その期の評価が確定するといった流れがほとんどかと思います。

このとき、最終的な結果だけに着目して評価したりされたりしていませんか?もちろん、目標数値の達成のために熱心に取り組むことは利益に貢献します。しかし、それだけでは企業全体として望む競争力や、新しい価値の創造にはつながりにくいのではないでしょうか。

頑張るだけではなく、経験を意識しながら振り返り、自分に落とし込んで実行できる人が企業が望むような大きな成果を生み出すことができます。
そのような人になるためには、高いモチベーション必要な知識・スキルの学びといった個人が成果を生むために重要な条件を満たす必要があります。
それを満たすサポートしてくれるのが「目標管理」というわけです。

■高いモチベーションと目標の関係
・組織目標を軸にして設定した目標には責任感が生まれ、取り組みを継続するモチベーションになる。
・成功体験を参考にして設定した目標は取り組みの見通しが立てやすいため、取り組みから離脱しにくくなる。

■必要な知識・スキルの学びと目標の関係
・目標を設定することで取り組みと成果の関係を意識しやすくなるため、取り組みの有効性を判断して取捨できる。その結果、必要な知識・スキルにフォーカスした学びを得られる。

このようなメリットを意識しながら目標管理することで意欲的、かつそれに伴う能力がある人物、つまり成果を生み出せる人物に成長することができます。

目標管理手帳術

目標管理することのメリットをふまえて、手帳術として落とし込んだ「目標管理手帳術」について紹介します。なお、本記事では週間・日間単位での目標管理について扱うとして、こちらのフォーマットを使います。

この手帳を書くときに意識したいポイントは「目標設定→プロセス→評価」の3つの段階。これを意識しながら活用していきましょう。

■目標設定
まずは、情報確認から始めましょう。
組織目標の数値や期限を確認してください。会社全体の半期目標でもいいですし、所属するチームの月目標でも構いません。自分の業務にもっとも関連する組織目標を確認して、その目標達成のためにすべきことを個人目標として設定しましょう。

次に、成功体験をもとに目標達成までの道のりを計画してください。
このとき「×月×日に○○する」というTodoの形ではなく、「○○することで、×日に△△という成果を得る」という形で計画しましょう。
大切なのは何をするかではなく、行動によってどのような成果を得られるか見通すことです。

ここまでできたら、いよいよ目標設定をします。
設定するときは2つのポイントを押さえた目標にしましょう。
・売上や期限など数字を入れて具体的にすること
・自分の能力が成長するように適度に負荷をかけること。

1日が終わって評価してから次の日の目標を設定

■プロセス
取り組んでいる間は、方向性がズレてしまわないように常に目標を意識しましょう。
実施した活動を正確に記録して、それをもとに目標と実行具合の差を把握してください。このとき、必要に応じて目標の修正をしても大丈夫です。

これも、1日が終わってから次の日の計画を設定

実行に遅れが生じていたときには、その原因が自分にあるか・他者が影響しているか確認したうえで改善する必要があります。

自分が原因であれば、怠慢・体調不良・見通しが甘かったなど、理由を突きとめて改善の手立てを立てましょう。
他者が影響している場合、イレギュラーによるものなら仕方ありませんが、「継続的に仕事を振られすぎている」など影響しつづけている原因の場合は対策が必要です。

仕事を振ってくる本人に直接困っていることを伝えるか、難しい場合は他の人に相談しましょう。その際は手帳に残した記録をもとに、「○○の業務が××で困っている」と具体的に伝えることで、周りの人の協力を得やすくなるはず。

ただし、ここで注意してほしいことは「自分の目標だけに執着して、他者とのチームワークを無視しないこと」です。
組織目標のために複数の人が関わり合いながら、それぞれのポジションで働いて成果を出していることは忘れないでください。

■評価
活動記録をもとに根拠あるフィードバックをしましょう。
目標を達成できたか「達成・未達・部分的に達成」の3段階で評価してから、その要因を明らかにします。

①達成したとき
・どの段階の準備・判断がよかったのか。
・押さえどころや、再現するための方程式はつくれるか。
②未達のとき
・どの段階の何が原因か。
・成功したときとの違いは何か。
③部分的に達成したとき
・②同様に要因を明らかにする。
・実行過程の中で得られたものはあるか。

このように要因をプロセスの中から見つけていくことで、具体的な行動やタイミングを明らかにすることができます。

この例は未達。課長のデザイン変更希望は予想外だった。

前述したとおり、経験を意識しながら振り返り、自分に落とし込んで実行できる人になるには、「目標→プロセス→評価」の各段階で何をすることができるか考えながら取り組むことが大切です。

■手帳フォーマット ダウンロード
上記で紹介した手帳フォーマットを添付します。エクセルで作成しましたが、印刷して手書きするほうが使いやすいと思われます。

筆者の目標管理手帳

筆者は、ロルバーンLサイズを使って手書きで取り組んでいます。

ワク外にTodoなどをメモ

平日の分しかワクをつくっていませんが、これは自分に合う手帳を考えた結果によるもの。以前は土日の分もワクをつくっていたのですが、特に活用もできないし、「ワクがあるのに何もしていない」と自己嫌悪に陥り、うまく休めなかったので削除しました。

土日がすっからかん

またあるときは、仕事・勉強・生活の3軸での目標管理もしたのですが失敗しました。「アレもコレもしなきゃ」と意識が分散してしまい、結局この週は何ひとつやり遂げられませんでした。

横向きも好みじゃなかったのかも

この失敗をうけて、やる期間・やることだけしか書かないメリハリフォーマットに落ち着いたところです。今後も使いながら、自分に合うように改善していく予定です。

こんなふうにフォーマットの形を変えながら、自分にぴったりの手帳をつくりあげていけるのも手書きの楽しさのひとつですよね。面白くてやめられません。

目標管理手帳に使える文房具

目標管理手帳を活用するにあたり、筆者おすすめの文房具を紹介します。
気になるものがあれば、ぜひ買ってみてくださいね。

江ノ電コラボデザインのロルバーン

①ロルバーン ポケット付メモL/DELFONICS
5㎜方眼なので線を引きやすいですし、クリーム色の紙面がお気に入りです。表紙デザインも豊富なので買う楽しさもあります。
②モノ消しゴム[ブラック]/トンボ鉛筆
下書きを消すときに活躍。性能は申し分なく、見た目もおしゃれで好き。
③定規/メーカー不明
だいぶ前に購入した小さなペンケースにも入るサイズ。個人的にこの質感の薄さが一番ブレなく線を引きやすいです。

※ユニボールワンFは通常0.5㎜インクが入っています。

④グラフギア500/ぺんてる
ワクを下書きするときや、未確定のことをメモするときに使います。大学時代、製図の授業でも愛用していたくらい書きやすいです。
⑤⑥ユニボールワン 0.38/三菱鉛筆
ノーマルボディで赤インク、ユニボールワンFボディで黒インクを使っています。2023年「最も黒いゲルインクボールペン」としてギネス認定を受けるほどの濃いインクで視認性ばっちり。

自分を成長させるための目標管理

目標管理を行うことで自分を成長させた人は、企業が切望する競争力や創造性を生み出す仕事ができるようになります。
また、目標管理ができるということは適切に仕事を評価できるということですから、将来的にはリーダーとしてもその力を発揮していくでしょう。

もし「企業のためではなく自分のために働くんだ」と考える人であっても、自分を成長させるに越したことはありません。能力が高ければ、昇給して給料を増やしたり、次のステップに進んだり「自分のための」選択肢を増やすことができます。

「毎日忙しくてそれどころじゃない」と思う人にこそ目標管理手帳を試してほしいと考えています。手帳があなたの成長をサポートして、仕事にゆとりを持たせることにつながるはず。

それではまた。

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