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不登校と仕事



「学校へ行きたくない!」は、突然に

平日の朝。なかなか起きてこない娘。登校時間は迫ってくる。遅刻する!と一人で焦る。
同時に、昨日返し忘れたメールのことや、今日の仕事のスケジュールも頭によぎる。
とにかく朝は、1分1秒が惜しい。

そんな中で、布団の中にもぐる子どもが「お腹が痛い。」「学校、行きたくない。」と言い出したら。。。

4年前。そんな朝を迎えた私。
「OK!とりあえず体起こそうか」と言いながら、はてどうしたものか…と変に冷静な気持ちになったことを覚えています。

前日夜寝るのが遅かったのかな。
最近運動会の練習が続いてたから、疲れている?
もしかして、本当に体調が悪い??

励ましても、話を聞いても、これはどうにもならないなと感じ、
「とりあえず休もう!」と娘に伝えて、仕事に出ていた夫にも連絡を入れました。
学校の先生にも伝えました。新卒の先生。若くて、優しくて、面白い素敵な先生でした。
先生の仕事を知っているだけに、「あぁ、先生。ごめんなさい。苦労かけちゃう。。」と、とっても申し訳ない気持ちにもなりました。

そのあとのしばらくの日々は、あまり記憶がないのですが、不登校支援をしている人、心理士の知り合い、発達障がいの子どもの支援者など、色々な知り合いに相談しました。
長女は、好奇心旺盛で、くよくよしないタイプ。年齢問わず、たくさんの友だちと遊んでいた1年生時代。
その娘が、体に不調が出るほどストレスを抱えている。こんなに堪えている!!!
娘にとって今大切なことは何か…を探すことに必死でした。

最初に体調不良を訴えてから、確か1週間くらい学校を休んでいたのですが、先生に声をかけてもらい、放課後学校へ遊びに行くようになりました。日中は祖母(私の母)と家で過ごし、その間私は仕事。放課後は私と学校へ。
学校に行って、先生と放課後絵を描いたり、本を読んだり。行くと動物シールがもらえることが、うれしかったようです。

少し様子が落ち着いてから、かかりつけ医小児科にいる、臨床心理士さんに、親子で相談に行きました。
娘の気持ちを丁寧に引き出してくれることはもちろんだけれど、私たち夫婦にも本当に寄り添ってくださったこと、本当にありがたかったです。
「待つ」というのが、こんなに我慢を強いられることなんだ、苦しいことなんだ…と、不登校になりたての娘から教わったのだが、心理士の先生がいなければこれを乗り越えられなかったと思います。

一番大切なのは、家族。それがわかっているから、挑戦!

行き渋りから本格的な不登校になる過程で、きっと多くの人が「仕事をどうするか」の選択を迫られるのではと思います。
私は、どうしたら続けられるかを前提に、夫と当時勤めていた会社の上司に相談しました。
娘のことは、何よりも大切。一番は家族。これは私のゆるぎない気持ちでした。
家族を一番にできなくなるようだったら、その時にもう一度考えよう。
そんな気持ちでの挑戦でした。

夫も、上司も「応援する」と即答。私は本当に恵まれていると改めて思いました。
時短に切り替え、自分がどうしてもやらなければいけない仕事と、お願いしたい仕事を整理。
当時法人営業だったので、商談可能な曜日と時間はあらかじめ決めて、スケジュールをブロック。子どもの付き添いのタイミングとはかぶらないよう、調整もしました。
そして、幸運なことに助けてくれる同僚にも恵まれていました。

しばらくすると、娘は「給食を食べに行く!」と言うようになりました。1年生の頃は、給食王だった彼女。おかわり大好きっ子が戻ってきた!!そんな想いでした。

週に2回程仕事を中抜けして、給食の時間に学校に付き添い。
娘の班の子たちと一緒に、お弁当を食べたこともあった。教員時代に戻ったみたいで、私自身も楽しい時間でした。
給食しか食べに来ない娘に、きっと疑問を感じた子どももいたと思います。
それでも、クラスの友だちも先生も、みんな本当に温かく迎えてくれました。
イヤーマフをつけて登校できるように、先生やクラスで話してもくれました。
違いを受け入れてくれる先生や友だち、クラス、学校。
私も周りに恵まれたけれど、彼女も本当に幸運でした。

給食を食べた後、昼休みに友だちと遊ぶ日もあったし、5時間目の授業に参加することもありました。
そんな時は、私は車でメールを返したり、資料をつくったりしていました。
今や、いつでもどこでも、仕事オンモードになれる自分になれたことも、長女の不登校がきっかけです。

日中は、時間調整のしやすい私が子どもたちと過ごし、夕方から夫にバトンタッチ。
次女の保育園のお迎え、お風呂に入れたり、添い寝したりは夫が主導。私はその間に仕事するということもありました。

うまくはいかない。でもなんとか続いている。

もちろん毎日そんなにうまくはいきません。
残業が続く夫に腹を立てることもあったし、家で仕事している最中に割って入ってくる姉妹げんかにイライラしてしまったこともあります。(今も姉妹げんかには頭を悩ませている…)

子どものこと、家のことを、”できている”という気持ちになる日は、ほとんどないです…。
嫌な大人にならない!ってあれだけ子どものときに思ったのに、「今日の私は嫌な奴…」と感じる日もたくさんあります。

それでも「ママ大好き」という言葉と、ぎゅっと抱きしめたときの温かさに、心洗われ、励まされてる毎日です。
不登校と仕事。一筋縄ではいきません。
でもなんとか4年目を迎えています。

子どもの生命力と、支えてくれるすべての人たちに感謝です。





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