心霊現象と間違いやすい事象2

入眠時幻覚

  僕はその日出張で地方のホテルに泊まったんです。いつもはどこでも眠れるのにその日に限って寝つきが悪かったんです。
  するとどこからか低くブーンという音が聞こえて…なんだろうと思ったその瞬間頭に電気が走ったように痺れて体が全く動かなくなったんです。
目も開けられず胸がだんだん苦しくなって…それでもなんとか気力を振り絞り目を開けたんです。すると目の前に白髪を振り乱した老婆が僕に覆いかぶさっていて…僕はもうビックリして怖くて怖くてそのまま気絶してしまったんです…気づいたら朝になっていました。あれは夢なんかじゃありません。

とまぁこんな風によくあるパターンを詰め合わせて怪談をひとつ適当に作って見ましたがどうでしょう。既視感ありありだったかと思います。

   睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠という区分があります。レム睡眠中は夢を見やすくなり、筋肉が弛緩し動かしづらくなり呼吸が浅くなるという特徴があります。この時に脳だけが覚醒してしまうと俗に言う金縛り状態となってしまいます。

  また通常夢を見るまでには入眠後数十分を要することが多いですが強い疲労やストレス、または生活リズムの乱れにより入眠直後に夢を見ることがあります。
  スリープオンセットレムと呼ばれるこの特殊なレム睡眠は不安を伴った比較的リアルな夢を見てしまう事が多々あり、最初のお話でも「僕」は自分にのしかかってくる老婆を目撃してしまいます。しかしレム睡眠中は全身の筋肉が弛緩しているのでそもそも瞼を開けることは出来ないのです。この類の怪談では話し手は最後に気絶してしまい朝を迎えますが、その事実こそが入眠時幻覚であったことの何よりの証左と言えるのでは無いでしょうか。
  
  もっとも…全ての似たような話がこれで説明できるとも思わないで下さいね😉

それではごきげんよう。

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