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タイムテーブル

午後から雨が降るというので、早めに作業を切り上げて帰ってきたのだが、早く戻りすぎた。

連れ合いは趣味でキーボードを習っていて、時々家で練習するのだが、わたしの前ではやらない。
別に彼女の拙い演奏をからかったとか、練習中に邪険にしたとか、そういう事実は一切ないのだが、単に練習中の姿を見られたくないらしい。
なので、いつもわたしのいない時間にこっそり練習している。

こっそり練習しているのをなぜ知っているかといえば、早い時間に戻ってくると、かなりの確率で練習中の彼女に遭遇するのである。

どうせならわたしがアトリエに向かった後、午前中にでもやってくれれば良いのだが、それは連れ合いのルーティンに反するらしくて、そのあたりのタイムテーブルは頑なに変えない。
前にも書いたが、彼女は面倒くさい人なのだ。

それで、練習中に帰ってきてしまうとどうなるのかといえば、まず「なぜ帰ってきた?」と言われ、連れ合いは不機嫌になり、そそくさと練習をやめて楽器を片付けてしまう。
練習を始めたばかりの時間だったりすると、非常に刺々しい視線を向けられる。

あまり学習能力に優れない自分ではあるが、さすがに自分の家に帰ってきて、そういう仕打ちは厳しいものがあるので、最近はあまり早く戻った時には、途中で時間を潰すようになった。
要するに家から数百メートルのところにあるファミレスで、ドリンクバーを頼んで、noteを読んだり、noteを読んだり、noteを読んだりするのである。

というわけで今日も時間を潰していたら、タイミングを逸して大雨が降り出した。

こういうのを踏んだり蹴ったりという。


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