2nd step #7 想像の壁を越えて生まれた共感
オンライン英会話のデイリーニュースレッスンでは、旅行や言語、テクノロジーやエンターテイメントなど、毎日様々な種類のニュースが更新されていく。
私は今まで、その日レッスンを担当する先生が好きそうなトピックを選び、なるべくディスカッションの盛り上がる、楽しいレッスンにしたいと思ってきた。
私は割と他人の気持ちを察することが得意な方だと思っている。
この特性を生かして、実際色んな先生に、
「良いトピックを選んだね」 や 「面白いトピックだね」
と言ってもらった事も何度かあった。
しかし先日、ヨーロッパ在住の先生のレッスンを受けた日のことだ。
この先生とはいつもテクノロジーやヨーロッパのトピックでレッスンを受けているのだけれど、その日に限って良い記事が見あたらない。
余りにも記事が選べず、途中でキャンセルしようか迷った位だった。
結局レッスンギリギリまで悩んで、4日前に別の先生で受けた、
【テイラー・スウィフトのファンが、コンサート後の記憶喪失を報告した】
というエンターテイメント記事にすることにした。
今までこの先生の雰囲気からエンターテイメントの空気を感じたことが余りない。
テイラー・スウィフトは聴かなさそうな気がしたし、私も1曲位しか知らない。
だから盛り上がるか少し心配しながらレッスンはスタートした。
挨拶の後、先生はトピックを見て、1枚の写真を見せてくれた。
その写真は、テイラー・スウィフトのコンサートスケジュールで、なんとその日は先生の国での公演最終日だった。
とてもタイムリーな話題だったことに驚いた。
そしてディスカッションを進めていくうちに、幾つか発見があった。
先ず私の予想通り、先生はテイラー・スウィフトがそんなに好きじゃないということが分かった。
なんとなく漂う共感の空気。
だからと言って、先生の好きなミュージシャンについて聞くのも気が引けて、質問せずにいた。
余り自分からプライベートを語らない先生達には、何となく個人的な質問は聞きづらい。
その後先生から、
「最後に行ったコンサートはいつですか?」
という質問がきて、私は今年の2月に行ったピアノコンサートの話をした。
すると先生の方も、バイオリンのコンサートだと言う。
以前クラシックの記事でレッスンを受けた時は余り盛り上がらず、クラシックに興味が無さそうだと思っていたので、予想外の返答で驚く。
そして、
「歴史上のどのコンサートにも行けるとしたらどれを選ぶか」
という質問にたどり着いた。
私は予習の段階で【クイーンのLIVE AID】か、マイケル・ジャクソンの【ライブ・イン・ブカレスト】の2つの回答を考えていた。
初回で別の先生にはクイーンと答えたので、今回はマイケル・ジャクソンの方を選んで答えた。
すると先生は、
「良いチョイスですね」
と言いながら続けて、
「私はクイーンかな。フレディ・マーキュリーの」
と言う。
予想外の答えから、結構音楽の趣味が似てるような気がして驚いた。
この先生には合わないかもと思っていた話題だったけれど、それは私の勝手な思い込みでしかなかったようだ。
想像力に長けていて、人の気持ちを察することが得意だと思ってきたけれど、それが逆に想像の壁となり、知り得なかった事も今まで多かったのではないか。
いつもと違う盛り上がりを見せたレッスンの後、私はしばらく物思いにふけっていた。
#エッセイ #英語が好き #オンライン英会話 #DMM英会話
もしよろしければ、サポートして頂けると励みになります!