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お名前

旧姓は結構珍しかった。

苗字二文字、漢字自体はどちらも小学校二年生で習うが組み合わせが珍しい。
同じ名前は親戚にしかおらず、絶対に犯罪は起こさないでくれと言われていた。

同じ苗字はいないので苗字二文字のどちらか一方が入っている人には勝手に親近感が湧く。
熱心なファンではないが我が県の球団やサッカーチームでもついつい同じ漢字を探し、その人が活躍したら嬉しくなる。

女にとって、子供が生まれたら何と名付けたいか。は一度は話した事があるテーマだと思う。
私は大人になった今でこそ、下の名前が好きだが昔は本当に嫌だった。
本やドラマで悪役率が高く、高飛車なお嬢様っぽい名前だったからだ。
この事を友人に話すと、二時間ドラマで殺されがちな名前よりはいいじゃんと言われた。
美が付いていてガラじゃないという子もいたし、色の名前でそればかりをプレゼントでもらいがちという子もいた。
友人に話す遠慮はあるだろうが、大手を振って大好き!はなく、苗字はそれしか有り得ないので諦めがつきつつも、親が考える、その他の余地や、候補がある下の名前には皆少なからず思いがある事が分かった。

一応予定はしているので夫と子供の名前の候補を擦り合わせてみた。
私が出した候補①は昔いたいじめっ子と同じ名前だから嫌
②友達と同じ名前だから嫌
③甥っ子と音の響きが似ているので嫌
夫は男女どちらでもいい名前がいいらしい。苗字との兼ね合いもあり、夫婦が納得し、周りにも子供にも納得してもらえる名前、、、
まだ子供が出来てもいないが先行きは不安である。

結婚して、嬉しかった事の一つに苗字が変わった事が入る。
今までは電話予約で三回は聞き直され、漢字一文字一文字から説明する有様である。
もう面倒になり電話予約では全国苗字ランキング一位を使っていたら、父にこの名前が恥ずかしいのかとお叱りを受けた。
今は割と平凡な名前になったので電話予約もどんと来いと思っていたが、今度は滑舌の悪さでスムーズにやり取りが出来ない。
苗字ばかりが悪者ではなかったのである。

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