音速の鷲乗りα 29



〜都内 居酒屋てっちん〜

全員「かんぱ〜い!」

男性陣「よろしくお願いしまーす!」

しおり「よろしくお願いしま〜す」

梨花「よろしくなのです。にぱ〜ッ☆」

女の子「しおりの先輩、めっちゃ綺麗ですねッ」

梨花「ありがとうございます〜」

男1「梨花さんって言うんですね、僕は八百十銀行に勤めてる 田所浩二です。よろしくです。」

梨花「よろしくお願いします。」ニッコリ
(こいつじゃ無いわね、そもそも銀行員だし)

しおり「よろしくお願いしま〜す。」

女の子「よろしくで〜す。」

男2「どうも、東京消防庁に勤めてる。火浦鉄平です。趣味は筋トレです!よろしく」

梨花「よろしくです。」
  (筋肉バカか…)

しおり「消防士さんカッコいいですね〜」

女の子「筋肉触らさせて下さいよ〜」

男3「防衛省に勤めてる。吉本貴文です。よろしくお願いします。」

梨花「よろしくお願いしますね。」ニッコリ
(来た…後は話の流れで部署を聞き出せれば…)

しおり「わ〜防衛省って凄いですね〜」

女の子「カッコいい…」

こんな感じの流れで飲み会はスタートした。

田所「へぇ〜梨花さんとしおりさんは婦警さんなんですね〜」

梨花「ええ、そうです。」

しおり「そうなんですよ〜!」

火浦「ちはやさんは僕と同じ消防士だったんですね!」

ちはや「そうなんですよ〜良い感じに身体鍛えれてますよッ」

しおり「あの〜皆さんの事をもっと知りたいんですが〜どんなお仕事されてるんですか〜?」

梨花「それ、私も気になります。」
 (しおりナイス)

田所「僕は、やっぱ王道を行く課長ですね。」  
   (ドヤ顔)

しおり「へぇ〜凄いですね〜ッ」

梨花「そうなんですね〜」
 (聞いてないわよアンタのことなんか…)

ちはや「銀行員の人って凄くお堅いイメージがありますよ〜」

田所「そんな事ないですよ、自分プライベートはゆる〜くやってます。」

田所は普通の銀行員のようね…

火浦「自分は、東京消防庁の消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー隊)に所属してます!」

ちはや「おお!我が社のエリート部隊!」

しおり「え?そうなの?」

ちはや「そうだよ!ハイパーレスキュー隊は消防士を志した人なら一度は憧れる部隊だよ!」

梨花「そうなんですね〜」

ハイパーレスキュー隊は確かに何回か聞いたことがあるわ…実際はよくわからないけど。
さあ、次は吉本さんね…どんな事を言ってくれるのかしら。

吉本「私は、防衛省内で装備や技術研究を行う部署に居ます。」

しおり「なんだか、分からないですけど…凄そうです!国防を担ってるって感じがします!」

梨花「へぇ〜凄いですねッ」
(ヒットだわこいつは使えるわね…フフフッ)

ちはや「具体的にどんなものを研究してるんですか?やっぱり兵器とか?」

吉本「それは〜機密ですよ〜ッ でぇも美人さんばかりだから少しだけ教えちゃう〜ッ」

しおり「もう、吉本さん酔ってますね〜」

梨花「しおり…」クイクイ

しおり「何です?」

梨花(いいから、喋らせてみましょう。)ウィンク

私はしおりにウィンクで合図した。
ついでに小型録音機の電源も入れた。

しおり「教えてください教えください!」

吉本「そうだね〜 例えば、精密な電子機器に電磁波を与え続けたらどうなると思う?」

酒が入っているせいか、男は得意そうな顔で私達に質問を投げかけてきた。

ちはや「う〜ん…」

しおり「燃えちゃう?」

吉本「惜しいッ」

梨花「爆発するんじゃ無いですか?」

吉本「正解ッ!梨花ちゃんやるねぇ!」

梨花「いえいえ、高校の物理と科学の授業で習いましたわ…確か電磁波は…」
(これは罠じゃ無いわよね?)

吉本「そうだね!そんな装置を研究してる部署に所属してるよ〜」

しおり「なんだか凄そう〜ッ」

吉本「いやいや、それほどでもッ」

そんな会話が続いた後、最後にお互いの連絡先を交換し合コン終了となった。


〜 梨花&沙都子の居室 〜

梨花「ふうっ…」

沙都子「今日はえらく疲れてますわね…」

梨花「ええ、疲れたわ。脳内お花畑の銀行員に脳筋レスキュー隊員、そして…」

沙都子「そして…?」

梨花「技研本部の吉本 録音音声もあるわよ。」

沙都子「やりましたわね梨花!」

梨花「ええ、でも喜ぶのはまだ早いわ…まだ戦いは始まったばかりよ…」

沙都子「ええ…必ず黒幕を暴いてやりますわ。」

しかし、私達にとって技研本部の人間が釣れたのは大収穫だった。

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〜小松基地 303飛行隊〜

良樹「ふうっ…」カタカタカタカタ

圭一「風子が居なくなってから、ため息の回数が増えたよな良樹」

良樹「そうですかね?確かにあいつが居ないと静かすぎて調子が狂う時がありますね」

圭一「ははっ確かに、ところで何してんだ?報告書は作り終わったんだろ?」

良樹「ええ、報告書はできてますけど。計画書の方がまだでして…」

圭一「なるほどな、あまり無理はするなよ。」

良樹「ありがとうございます。これが出来たら帰りますよ…」

圭一「おう、お疲れ!」

良樹「お疲れ様でしたッ………ホッ…」

危うく違う意味での報告書がバレるとこだった、迂闊にはデスクワークも出来んな。
潜入中の沙都子の情報によれば、やはり俺の読みはアタリだったようだ 防衛省技研本部が噛んでいるのは100%のようだが…それを示す証拠がない。探さねば…

良樹「前途多難とはこの事だな…」カタカタカタカタ

こんな時、3佐ならどう切り抜けるんだろうか…早すぎますよ3佐…
俺たちの仕事は死と隣り合わせとよく言ったもんだが…こんな死に方あんまりだ…

良樹「防衛技研本部の吉本か…」

一応、マーク(監視)はしているみたいだが…本当にこいつ1人だけで動いているのかすら怪しい。バックには何が居るんだか…

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〜百里基地 駐機場〜

理樹「今日の訓練も疲れましたね…」

三浦「そうだよ…(疲労)」

理樹「しかし、イーグル改 まだまだ謎の多い機体ですね…特にシステム関係…」

三浦「お、そうだな…」

イーグル改が配備されて1ヶ月、アラート待機にはまだ就いて居ないが、確実に就ける性能を有している。

三浦「あ、そうだ直枝 連絡がついたゾ」

理樹「本当ですか!」

三浦「ああ、白石というやつなんだが今は空幕広報室に勤めてるらしい。話してみるかゾ?」

理樹「はい!お願いします!」

三浦「分かったゾ お、早速 来週なら時間が取れるそうだゾ」

理樹「では、早速会いに行ってきます。」

三浦「了解ゾ」

理樹「楽しみだなぁ、広報室って行った事ないから少し気になってたんですよ」

三浦「そうか、結構大変みたいだゾ」

まさか、こんなラッキーな事が有るとは…ここまで来たらとことん真実を追求してやる。



北山「ええ、そうです……。それでは、」pi



斉藤「北山空曹!何してるんですか〜?」

北山「斉藤か…なんでもねぇよ! ほれ仕事だ仕事」

斉藤「は〜い」

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〜技研本部 別室〜

2佐「室長、例のネズミですが…北山からの情報によれば本省広報室の人間と接触するようです。」

室長「ふん、全く的外れな所に行ったな。せいぜい楽しませてくれよ…津田2尉…」

2佐「それと、吉本2尉の話によれば例の装置の実験準備が整っているそうです。ご覧になりますか?」

室長「ああ、是非見せていただこうかな。」

2佐「わかりました。用意させます。」

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〜防衛省情報本部〜

矢矧「奴の動きはどうだ?柳本君」

スズ「はい、現在  監視員が監視を続行しています。」

矢矧「大崎君達の読みはアタリだったな…」

スズ「ええ、信じたくありませんが同じ本省内に敵がいたとは…」

矢矧「案外そういうものなのかもしれんな…」

スズ「防衛技研本部の吉本貴文…」

データベースに照会すると直ぐにヒットした。

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2等陸尉 吉本貴文 (28)

防衛省技術研究本部 装備開発室別室

防衛大学理工学課程 卒業
陸上自衛隊幹部候補生学校
第7普通科連隊(福知山市)
第13旅団(海田)

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スズ「表向きは、清廉潔白なようね…装備開発室別室配属って臭いわね…」

通称担当「自分もそう思います。この部署について調べてみますか?」

スズ「そうですね。と言いたい所ですが、まずは監視対象を泳がせましょう…」

通信担当「わかりました。」

スズ(組織ぐるみで何を企んでるのかしら)


後で個人的に調べたところ。
装備開発室別室というのがどうもきな臭い。
優秀な人材が揃いすぎている…


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室長 岡本憲政 1等陸佐

京都大学機械工学部 卒業
陸上自衛隊幹部候補生学校
第36普通科連隊(伊丹)
陸上自衛隊武器学校(土浦駐屯地)
第2高射特化団(飯塚) 
指揮幕僚課程(CS課程)
陸上自衛隊幹部学校(目黒)
中央業務支援隊(市ヶ谷)
防衛省技術研究本部 特別装備開発室

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表向きは中央会計隊隊長(市ヶ谷)になっている。

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副長 鈴木敏郎 2等海佐

大阪大学工学部 卒業
海上自衛隊幹部候補生学校
護衛艦とね砲術士(呉)
護衛艦はるさめ水雷士(佐世保)
補給艦ときわ機関士(横須賀)
護衛艦うみぎり応急長(呉)
ミサイル艇くまたか砲雷長(佐世保)
海洋業務支援隊・対潜支援群(横須賀)
開発隊群(横須賀)
防衛省技術研究本部 特別装備開発室
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鈴木2佐の表向きの顔は第1輸送隊(呉)だ。

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主任開発官 太田庄司 3等空佐

広島大学工学部 卒業
航空自衛隊幹部候補生学校
百里基地整備補給隊
浜松基地整備大隊
静浜基地整備補給隊副隊長
防衛省技術研究本部 特別装備開発室
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太田3佐は航空支援集団付か…

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開発官  佐野 守 1等空尉 
 航空安全管理隊(立川)

開発官  吉田文夫 2等海尉
 訓練支援隊隊付A(呉)

設計担当 重森義隆 2等陸尉
 第13旅団(三軒家)

設計担当 古田弘 2等海尉
 佐世保弾薬補給所担当官(佐世保)

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全員に共通する点がある…それは全員大学の
工学部を卒業しているという事だ。

スズ「益々きな臭いわね…」

今得ている情報を統括すると彼等は、それぞれ別の勤務地に居る、それが月に1度の頻度で本省に足を運んでいる。そのタイミングさえ掴めれば…吉本以外の動きは掴めてるが他の吉本の動きが掴みづらい。
大崎2尉達も表向きの仕事をしている傍らで調査しているから難しい。私が出た方が…

矢矧「柳本君、自分が出張っていこうなんて考えるんじゃないぞ。君はこの課に必要な人材なんだからね。」

スズ「はい…」
 (さすがに難しそうね。)

誰か…居ないかしら ピリリリリリ

スズ「はい、柳本です。」

沙都子〔北条です。調査するにあたって協力者を要請したいのですがよろしいでしょうか?〕

スズ「確認を取ります。お待ちください」

北条2尉からの連絡だった。

スズ「部長、北条2尉からです。」

矢矧「こっちに繋げてくれ。」

スズ「分かりました。 どうぞ…」ピッ

矢矧「矢矧だ、北条君詳しく教えてくれ。」

沙都子〔はい、私の友人で警察庁公安部外事第2課に勤めてる幼馴染が居ますの。彼女に協力を求めてもよろしいでしょうか?〕

矢矧「公安部か…」

警察庁公安部、噂で聞いたことがある一般の警察官の中から選抜された諜報員、しかも外事第2課となると国内に潜む危ない人間を諜報するスペシャリスト…

矢矧「信頼できるのか?」

沙都子〔ええ、その辺りは私が保証しますわ。彼女の方から協力したいと申し出がありましてよ、部長…ここは縄張り意識無しで互いに協力した方がよろしいのでは?〕

矢矧「そうだね…北条君の言う通りだその公安諜報員の情報を送ってくれ。あと、我々の情報を提供してやれ。くれぐれも慎重にな…」

沙都子〔分かりましたわ。ありがとうございます。それでは…失礼します。〕

矢矧「あぁ…また」プツッ

思いがけない申し入れね、これで作戦が練れるわ。どんな大物が釣れるのかしら。

         続く…

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