音速の鷲乗りα 30



〜居室〜

沙都子「ええ…わかりましたわ それでは…」pi



梨花「まさか私の申し出が許可されるとは…
反対されるのがオチだと思ってたのに、案外柔軟な思考を持った上司のようね…
さぁ…どんな罠を張ろうかしら。」

沙都子「本当ですわね…私も反対されるかと思いましたわ。」

この件は上司である川澄警視に話してある。
この事について話すと…
「恩師の為にやれるだけの事をやってきなさい」と背中を押された…正直ありがたい

沙都子「で、どのような作戦で行きますの?」

梨花「そうね…結構お喋りな奴だから餌で誘き寄せて釣ろうと思うのだけれど…沙都子はどう思うかしら?」

沙都子「う〜ん…簡単に釣れてしまうのも同じ防衛省の人間として癪ですわね…」

梨花「そうなのよね…あまりにも単純すぎると逆に勘付かれちゃうわね…」

沙都子「梨花は大人びた魅力があるのですからそれで行ってはどうですの?」

梨花「そんな事ないわよ…胸だって小さいし…」

沙都子「胸なんて関係ありませんわッ!大切なのはハートでしてよ!」

梨花「沙都子…」

沙都子「さ、梨花そうと決まればメイクの練習しますわよッ!」

妙に燃えてるわね…私の代わりにやってくれないかしら…

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〜防衛省空幕広報室〜

白石「君が、三浦の言っていた直枝2尉か。私はここで広報班長をしている白石3佐だ、ウチに興味があるなら是非、見ていってくれ。」

理樹「ありがとうございます!」

白石「早速なんだが、ここのどのような所に惹かれたんだ?」

理樹「はい、民間の方と1番よく関わっている部署だと思いまして…あと、人とコミュニケーション…いや、話すことが好きでして。」

白石「なるほどな、おあつらえ向きな仕事と
言う事だね。」

理樹「そうなんですかね…?」

白石「ウチの部署は人とよく話すからね。早速だけど直枝2尉…体験していくか?現場の詳しい話を聞きたい人もいるだろう?」

理樹「良いんですかッ!それは、是非!」

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〜情報本部〜

工作員〔ザザッ…柳本2尉…直枝2尉が空幕広報室の人間と接触しましたのです。〕

スズ「了解…引き続き監視を…」

工作員〔了解なのです。〕ピッ

今、潜入しているのは確か…私はデスクトップ上に諜報員の情報を映し出す。

準軍事工作担当課工作班 古手羽入 2等海曹

表向きは、海上自衛隊 横須賀システム通信管理隊所属だ…彼女には直枝君の動きを監視してもらっている。
普段はおどおどした様子だが、仕事となるとピシッとするのが彼女である。
先日、北条2尉の幼馴染で警察庁公安部所属の古手警部補から調査の協力をしたいと申し出があった…
 調べたところ梨花と羽入は親戚のようだ。

スズ「怪しいところは無いわね…」

矢矧「古手君達のことか?」

スズ「ええ…苗字が同じなので引っかかる所があったんですけど…やっと繋がりました。2人は親戚でした。」

矢矧「そうか、防衛省内でも最弱な我が部署に人手が増えるのはいい事だ。」

スズ「そうですね。失礼…」 ピリリリリリ

北条2尉からの連絡だった。

スズ「はい、柳本です。」

沙都子〔至急お伝えしたい事があり連絡させていただきましたわ〕

スズ「急を要する事ですね。どうしました?」

沙都子〔今夜、梨花が例の吉本に接触を試みるようです。場所は新宿区の居酒屋〇〇です。念のために、応援を要請します。〕

スズ「了解、少し待ってください。」

沙都子〔了解ですわ…〕

私は電話を保留にして部長に伺いを立てる。

スズ「部長、北条2尉から…対象と古手警部補が接触するようです。応援を送って欲しいとの事ですが…」

矢矧「近くには誰か居るのかね?」

スズ「場所的には…古手2曹が近くに居ますが直枝2尉の動向を探ってますので…」

矢矧「ふむ…ついさっき人手の話をしたのにその側から早速人手が…」

ピロロロロロロロロロ

部長の電話が鳴る。

矢矧「矢矧だ…」

良樹〔大崎です…定例報告のためにそちらにお伺いしたいのですが…〕

居た!ちょうど良いタイミングで大崎2尉から連絡が来た。

矢矧「大崎君、報告は後回しだ至急向かって欲しい所がある。場所は新宿区の居酒屋なんだが…行けそうか?」

良樹〔ええ 今日は非番なので大丈夫ですよ。〕

矢矧「了解だ、早速向かってくれ。」

良樹〔了解しました。それでは…〕pi

矢矧「柳本君、北条君に伝えてくれ。大崎君が応援でそちらに向かったと…」

スズ「分かりました。」

ガチャッ

スズ「お待たせしました。現在、そちらに大崎2尉が向かっています。」

沙都子〔了解しましたわ。それでは…〕pi

矢矧「ナイスタイミングだったな…」

スズ「そうですね…助かりました。」

人手不足が深刻なのは表舞台だけでは無いのだ。



      続く…

 

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